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第5回新世代賞受賞者の声、そして、1月23日まで下北沢駅構内での展示会のご案内! Posted on 2022/01/09 Design Stories  

2017年に、第一回新世代賞をスタートさせてから、早いもので、今年で第五回目となった。
またもや、こうして、新世代の作家たちを世に送り出すことが出来た。ご応募いただいた皆さんに感謝である。
初年度は、自費開催だったので、知り合いの大学の教室を借りて授賞式を行い、手作りの賞状を受賞者の皆さんに手渡した。
言い方は悪いが、貧しい船出であった。
しかし、毎回、企業の方々やメディアの方々の協力を得て、少しずつ、少しずつ、応援の輪が広がり、嬉しいことに、規模もそれに準じて大きくなってきた。

第5回新世代賞受賞者の声、そして、1月23日まで下北沢駅構内での展示会のご案内!

今年は、小田急電鉄さんと、学生寮のシモキタカレッジさんに共催頂き、ぼくには縁が深い下北沢を中心に開催することが出来た。
コロナ禍の中でも、続けることが出来たのは、何よりも幸いなことであった。

とりわけ、下北駅前に拠点を置く、シモキタカレッジの寮生の皆さんが、コロナで日本に戻ることが出来ないぼくにかわって、その中心的な役割を担ってくださった。
寮生の皆さんはやはり若い、闊達な学生さんたちが中心で、そのリレーションシップと行動力とチームワークは、はじめてとは思えないクオリティの高さで、また、裏方なのにまさに主役の一翼を担って貰えた。
そして、彼らが感動の導線となって、新しい表現者たちを次々に発掘できたことは、この賞を創設した者として、なにものにもかえがたい経験と宝物となった。

また、大人の代表の一人として、甲斐徹郎氏には力強い協力を得ることが出来た。
各選考委員の皆様にもこの賞の主旨をご理解いただき、快く賛同して頂いたことに心から感謝を述べさせて頂きたい。

ところで朗報がある。
今回の新世代賞受賞作品は、1月10日から23日まで小田急線、下北沢駅構内にて展示をすることになった。
お時間のある皆さま、ぜひお立ち寄り頂き、新しい世代の息吹を堪能頂きたい。

第5回新世代賞受賞者の声、そして、1月23日まで下北沢駅構内での展示会のご案内!



【受賞のことば】
まずは、受賞された皆さんの喜びの言葉をご一読願いたい。

第5回新世代賞受賞者の声、そして、1月23日まで下北沢駅構内での展示会のご案内!

最優秀賞:森川芹さん
グランプリを頂戴し、大変光栄に存じます。
今回は、駅で「誰かを待つ」誰かのお供となるべく、五十音の詩を綴りました。
誰かを待つ時間は、いつも以上に相手を思い、その不在を実感するひととき。
そんな誰かの「待つ」に少しでも寄り添えるよう、駅にまつわる様々な感情をしたためました。
どれか一つでも、みなさまの記憶と結びつき、「待つ」が愛おしいひとときとなれば幸いです。

第5回新世代賞受賞者の声、そして、1月23日まで下北沢駅構内での展示会のご案内!

第5回新世代賞受賞者の声、そして、1月23日まで下北沢駅構内での展示会のご案内!

優秀賞:藤本泰成さん
普段は建築デザインを主に学んでいますが、以前から無機質な改札機を変えたいと思っていたので、勇気を出して応募しました。その結果このような賞を頂けて大変光栄に思います。駅という空間は大勢の人が行き交う場所であるにも関わらず、孤独を感じやすい場であると感じていました。また、コロナ禍で更に人との繋がりを感じる機会が減ったのも事実です。この状況が”奏でるきかい”の持つ可能性によって改善できるのではないかと考えました。今回の受賞を機に今後の自分の活動の励みにしていきたいと思います。

第5回新世代賞受賞者の声、そして、1月23日まで下北沢駅構内での展示会のご案内!

第5回新世代賞受賞者の声、そして、1月23日まで下北沢駅構内での展示会のご案内!

特別賞:島田智世さん
今回、特別賞をいただいたことを大変光栄に思います。
地元の駅でずっと感じていたことを作品にできたこと、それを評価いただけたこと、とても嬉しいです。良い評価なだけでなく、足りない点の指摘までいただけて自身の詰めの甘さも実感し、大変勉強になりました。
今回の受賞と最終選考でいただいたコメントは私の大きな励みとなりました。これからも頑張っていきます。ありがとうございました!

第5回新世代賞受賞者の声、そして、1月23日まで下北沢駅構内での展示会のご案内!

第5回新世代賞受賞者の声、そして、1月23日まで下北沢駅構内での展示会のご案内!

特別賞:Mimmy Chouさん、Lala Chouさん
この作品は姉Lala Chouが音楽を、妹Mimmy Chouが動画を担当し、一緒に完成させた物です。台湾台北から日本へ来て、初めて学校以外のコンクールに参加し、作品を発表させて頂きました。この度は、この様な素晴らしい賞を頂きまして、誠に光栄に思います。
No matter how long the winter, spring is sure to follow.
この短いアニメーションを通して、同じく泥沼にはまっている人が、同感と理解
を得て、救われる気持ちになってくれれば良いと願っています。
写真:(左:Mimmy Chou/右:Lala Chou)

アニメーションはこちらから↓
https://www.youtube.com/watch?v=pQZh_I234Dk&t=4s

第5回新世代賞受賞者の声、そして、1月23日まで下北沢駅構内での展示会のご案内!

特別賞:輝蕗さん
日常の光景や物から舞台化する場合どんな形にするのか想像することが好きで、自分の美術プランを公の場に出す機会を探していました。
今回「駅の詩」というテーマから、今ある知識を存分に使い想像を膨らませました。
頭の中にある形が目の前に出来ていく感覚に、とてもワクワクしました。その作品が評価され、本当に嬉しいです。
私は、役者兼舞台美術家を志しています。次はこの作品を実際に上演してみたいです。
この経験を糧に今後もやりたいことに沢山挑戦していきます。
本当にありがとうございます!

第5回新世代賞受賞者の声、そして、1月23日まで下北沢駅構内での展示会のご案内!

第5回新世代賞受賞者の声、そして、1月23日まで下北沢駅構内での展示会のご案内!

※ 審査会はシモキタカレッジをベースに、地球カレッジのZOOMシステムを利用して、地球規模で行われた。笑顔と感動と新旧入り混じった世代を超えた表現の場となった。このオンライン審査会を実現させてくれたMatch-ing社の3人に、ありがとう。



中心的な役割を担っていたスタッフ、菅間理恵子の急逝などもあった。
(選考会の当日、連絡が付かず、彼女はそのまま、この星を離れてしまった)
菅間さんへは、感謝を仕切れない。
闘病中にもかかわらず、第一回から尽力してくださった。
とくに、節目とあるこの第五回は、本当に全力で挑んでくれたのだ。入退院を繰り返しながら・・・。
今回、受賞された皆さんは菅間さんの子供たちだと思って、これからもずっと見つめていきたい。
彼女の残されたパソコンを開くと、新世代賞を裏側で支え続けた日々の(過去5年に遡る)痕跡がびっしりと残っていて、涙を誘われた。
本当に言葉では言い表せない感謝しかないのである。
そのような個人的な状況もあり、年末の慌ただしい中、選考委員の皆様にも急な選評のお願いをしてしまうことになった。
年末の急な依頼であったために、全選考委員の選評や感想が集められなかったことを皆さんに申し訳なく思う。

さて、選考委員の感想並びに選評はこちら・・・。

「選評」奥村大
それぞれの駅の詩、ステキな風景を覗き見させてもらいました。
受賞作だけでなく、選外にも素晴らしい作品がいっぱい。
たくさん刺激を受けました。
審査員の方々の論評もとても愛情があって楽しくやれました。
僕の若い頃にもこんな賞があったらなぁ、と思いました。

「選評」甲斐 徹郎

今年の応募作品がとても粒ぞろいで、また個性的な審査員が揃ったので、コロナ禍でしたが、とても盛り上がった審査会になったと思います。
若々しい感性がほとばしるような勢いで、様々な切り口で「駅」が捉えられたことがとても印象的で感動的でもありました。
その中でも私は、与謝野久璃⼦さんが創った「flow flow flow」と題した詩にとても深い感銘を受けました。惜しくも賞からは漏れてしまいましたが、私の中では一番心を打たれた作品でした。
与謝野さんの詩を読むと、社会とのつながりが不安定だった頃に自分が抱いていた感覚が思い出され、熱いものが込み上げてきます。
それは、社会の中で自分の存在をとてもちっぽけに感じて、流されそうになっていた頃の感覚です。
そうした中で、「自分」という主体のスイッチを入れてその「流れ」に加わる。そうすることで、社会そのものに「自分」が影響を与える存在になれる。そのことは紛れもない事実なんだ、ということをこの詩は気づかせてくれます。
駅の改札をその「流れ」(flow)と「自分」とが出会う結節点として捉えた与謝野さんの感性に私は心をつかまれました。
与謝野さんへの賞はありませんでしたが、私の心の中での特別賞を差し上げたいと思います。
「新世代賞」は単なる賞に終わらせることなく、これからもいろいろな「流れ」との出会いの「場」になればと思います。
その「流れ」を共に創るという意味で、今回参加された皆さんも「新世代賞」との関係を今後も持ち続けていただければと思います。
これからも「新世代賞」とともに流転変遷していく「自分」を楽しみにしたいと思います。

「選評」柏 雅康

私にとって駅は小学校以来、常に身近にある日常の風景です。今回のテーマは「駅の詩」だったのでどんな作品と出会えるかとても楽しみでした。私の推しは下記の3作品です。
「よりみち」は寄り道というコンセプトは私の中では一番好きでした。ただ、駅構内での寄り道だったのがとても残念で、駅の外に出て寄り道をしてまた駅に戻る内容だったら最後まで推してました。これは私が商店街という立場だったので街を知ってもらいたい気持ちが強く出てしまった結果だと思います。
 「奏でるきかい」は通勤・通学ラッシュという慌ただしいなかで改札を取る度に無機質な機械音ではなく音楽が聞こえたら楽しい一日のスタートになると想像しただけでワクワクする内容でした。コロナ禍で閉塞する日常に楽しい変化をもたらす事を期待して一票を入れました。
 「誰かを待つ誰かへ。」は50音のどの詩からもその情景が目に浮かび、勝手にこの詩とあの詩は主人公が一緒だと妄想が拡がっていき作者の完成度の高さに感動致しました。
今回、受賞した作品以外にも魅力的な作品は多数あり、審査会に参加出来たことは私にはとても有意義な時間でした。

「選評」中村暖

今回の新世代賞、テーマは駅の詩。
どの作品からもコロナ前の駅の鮮やかさを取り戻したいエネルギーや、これからの豊かさと駅の交わりを感じました。
ふとした景色に永遠なんてないけれど、その瞬間に心が動く、心のフックをキュッとカタチにした作品達が皆さんに届けることができたなら。

「選評」辻仁成
まずは、受賞には至らなかった作品のそのほとんどが、斬新で非常に優れた光りをまとっていた、ことをここに記させていただきたい。甲斐さんが最後まで強く推薦した作家の方がいたけれど、そのように、簡単に比較ができないくらいの接戦であった。グランプリの森川さんは、多くの選考委員の支持を集めたのでグランプリとなった。しかし、ぼくは賞に届かなかったけれど、その枠の外で輝いていた人たちにも大きなチャンスがあったし、今もある、と思っている。この新世代賞はできるだけ多くの人にチャンスを与える賞であれば、という願いが込められている。落とすことよりも、掬いあげることを大切にして、選考をしてきたことを付け加えたい。個人的には、役者兼舞台美術家を志している輝蕗さんの舞台美術のセット図などは実現性があって、下北沢の劇場などで上演できる日があればいいなァ、と思った。たくさんのご応募に感謝をしたい。そして受賞された皆さんの次の作品が楽しみで仕方ない。

第5回新世代賞受賞者の声、そして、1月23日まで下北沢駅構内での展示会のご案内!

※コロナ禍の中、ZOOMを利用して審査会は、アメリカ、フランス、台湾、そして下北沢と、日本各地を結んで行われた。これが、人間の可能性を示す大きな成果であると胸を張りたい。その中心基地として機能した、下北沢の学生寮、シモキタカレッジの素晴らしい活躍に、拍手を送りたい。

最後に、新世代賞、第六回に向かって、静かに動き始めている。この小さな船出がさらに大きな航海へとつながることを期待しつつ・・・・。すべての関係者に、そして、応援くださった皆さんに、感謝。

自分流×帝京大学

第5回新世代賞受賞者の声、そして、1月23日まで下北沢駅構内での展示会のご案内!



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デザインストーリーズ編集部(Paris/Tokyo)。
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