地球カレッジ DS EDUCATION

自分流塾「天才なんていない。天才と言われる人は持続力の持ち主なのである」 Posted on 2022/08/19 辻 仁成 作家 パリ

好きなことを極める方が、嫌いなことをやってストレスを抱えて生きていくよりも数段健康的だし、その方が人生は楽しくなる。
けれども、みんなが好きなことを目指せば、それだけに希望者も集中し、人気の仕事なので、競争率も高く、そこで頭角を現すのは至難の業ということになる。
たとえば、全員が人気ユーチューバーにはなれないように。
逆にみんながやりたくないことというのは、みんなが嫌うので、他よりも、お金にはなる。この悩ましい選択が一生付きまとうのが人生というものだ。
お金は稼ぎたいけれど、ストレス抱えるような仕事はしたくない。
人間なのだから、こういう考えを持っても仕方がない。
どんなふうに生きても一生は一生なのだから、楽しく、幸せに生きて死にたいじゃないか。
だとすると、ストレスはよくない。
たとえば、ぼくらの一生を壮大なチャレンジの場だと考える。
そもそも、一生というのは万人に与えられた自由時間なのだ。
その時間は好きなように個々人が動かすことが出来る。
そういうことをぼくは大学生の時に、自分に言い聞かせていた。
その時にぼくが決めたいくつかの方法がある。
みんながいい大学を目指し、一流企業が安泰だと信じていた時に、ぼくだけが違うことをやっていた。
もちろん、それが正解とは言わないけれど、狭き門だけが人生じゃない・・・。

自分流塾「天才なんていない。天才と言われる人は持続力の持ち主なのである」



1,不安でも、人と同じことは目指さない。
2,必ず、まだ誰も見つけていない別の方法があるはずだから、探す。
3,目標達成への近道は迂回である。
4,つねに3つの目標を持ち続けていること。
5,最低限のたくわえを確保し、なんなら一度お金のかからない最低限の生活に落とす。
6,目標が決まったら一年間は修行僧のように、毎日、24時間そこに集中をする。
7,1年経って成果が出ない場合は、ひとたび諦め、次の目標へ移る。
8,新しい目標を見つけたら1~7を繰り返す。
たぶん、ぼくは20代の頃からこういう生き方を続けてきた。
なんとなくうまくいったものもあるけれど、失敗したもの方が圧倒的に多い。
でも、常に好奇心を持ち、3つの夢を抱えているので、一つがうまく機能しなくても、絶望は(ちょっとしか)なかった。笑。
時間のかかるものもあるので、一度、諦めた目標がのちに復活することもあった。
ただ、一生懸命、楽しく、自分の道を究めることが重要になる。
楽しければストレスはかからないので、持続することが可能となる。
この、持続する力、(継続する力)、が大事なのだ。
「持続する力」こそが目標に到達できる唯一の力と言っても過言じゃない。

自分流塾「天才なんていない。天才と言われる人は持続力の持ち主なのである」



「自分には才能がない」と嘆くのは簡単である。
才能がないのではなく、持続、する力や、根気、が足りないのである。
ここに「工夫する力」や、「一ひねりする機転」とかが加わると、最強になる。
「絶対、何か突破する方法がある」と思い続けて、着眼点を探すこと。
着眼点は無限にあるので、そこは愉しみながらみんなとはちょっと違う道を探せばよい。
道が決まったら、とことん、まい進する。
その道が曲がりくねった山道であっても、不安になる必要はない。
こういう道はみんなが通りたがらない道だからこその、チャンス街道なのである。
成功とは何か、という問題が、目標にはついてまわる。
この人生そのものを楽しむことが出来た人が実は人生の勝者なのだと思う。(何を持って勝者というのかは、あなた次第であろう。ぼくは笑顔になる時、やった、と思っている!)
一度しかない人生を果敢に、生き生きと、生き切ること。それが大事だ!

自分流×帝京大学

自分流塾「天才なんていない。天才と言われる人は持続力の持ち主なのである」



※ 新世代賞の締め切りも迫ってきました。25歳以下の若い諸君、ぜひ、挑戦してみてほしい!!! えいえいおー。

第6回 新世代賞作品募集
地球カレッジ

posted by 辻 仁成

辻 仁成

▷記事一覧

Hitonari Tsuji
作家。パリ在住。1989年に「ピアニシモ」ですばる文学賞を受賞、1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。ミュージシャン、映画監督、演出家など文学以外の分野にも幅広く活動。Design Stories主宰。