地球カレッジ DS EDUCATION

自分流塾「人間関係の大切な距離感。直感と直観を研ぎ澄ませ」 Posted on 2024/11/30 辻 仁成 作家 パリ

ぼくらは軽視しがちというか、その力のことを忘れがちではあるが、人間には「直感」という能力がある。
この直感を無視して、欲だけで、他人と関わると、大失敗をすることがよくある。
かくいうぼくも直感で、不穏なシグナルを感じていたのに、「美味しい話」を突き付けられ、何も考えずに勢いで手を出し、大失敗したり、死ぬほど裏切られた経験が何度か、あるのだ。
詐欺師みたいな力を持った人は、そういうところに漬けこんで、美味しい話を持ってくるから、よく、相手のことを見ないといけない。
そこで、ぼくの基本的な考え方をここに記しておきたい。
この人とは関わりたくないなーと直感したなら、やめとく。
嫌な予感するなー、と直感したなら、手を出さないことがベスト。
苦手な感じや、近づいたら不吉な感じを直感したなら、即座にそこを離れる、その人と関わらない方が無難でしょう。
直感していたのに、関わって、大変な事態に巻き込まれてからでは、遅く、その時は、後戻りできなくなるので注意。
そういう人間は、最初は笑顔でいいことしか言わない。でも、直感で、なんか違うな、と思うことがあるわけで、そういう時は、君子危うきに近寄らず、で行くのがよい。
危ない橋渡る必要ない。一生は自分のもの、直感信じましょう。

自分流塾「人間関係の大切な距離感。直感と直観を研ぎ澄ませ」



実は、直感と同じ響きに、直観という言葉がある。
似ているが、微妙に意味が異なる。
この違いを知るともっと納得できるので、ちょっとだけ解説をしておきたい。
直感というものは先天的に持っている能力のことで、鋭いとかさえている状態のことである。霊帝な力。
一方、直観の方は後天的にというか、過去の経験などから学んで後天的に養われた力のことをさす。
何度もの失敗のあと、掴んだものが「直観」になり、逆に、胸騒ぎのような霊的な能力を「直感」とよぶ。
今回の話は、「直感」と「直観」の両方が重要になってくる。
直感で、なんか違うなと感じたあと、直観力で、それを真剣に分析し、結論を出すのがベストではないか、と思う。
何事も経験なので、失敗の経験がその後を助けることになる。
どちらにしても、ああ、この人、苦手だな、という人が現れたら、適当にごまかして、そこからいち早く退散するのが、大事でしょう。
自分を守ることが出来るのは、自分なのである。自分の直感を信じて、直観と照らし合わせて総合的に、生き抜きましょう。

自分流塾「人間関係の大切な距離感。直感と直観を研ぎ澄ませ」

自分流×帝京大学



posted by 辻 仁成

辻 仁成

▷記事一覧

Hitonari Tsuji
作家。パリ在住。1989年に「ピアニシモ」ですばる文学賞を受賞、1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。ミュージシャン、映画監督、演出家など文学以外の分野にも幅広く活動。Design Stories主宰。