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未来を築く若者たちへ「アート&デザイン新世代賞」授賞式 Posted on 2018/02/16 Design Stories  

 
昨年行われた第1回アート&デザイン新世代賞の授賞式が1月某日、東京都内にて行われました。授賞式といっても、格式張った式典とは違い、DSらしい、アットホームな雰囲気の中、辻編集長を囲み受賞した3名の方々と喜びを語り合うといった和やかな時間となりました。
 

未来を築く若者たちへ「アート&デザイン新世代賞」授賞式

 
辻 仁成(以下、辻) 新世代賞受賞おめでとうございます。応募総数500作品、一次通過者は180名ほどでその中から選ばれた作品を作った人ってどんな人たちなんだろうってずっと思ってたんですよ。どんな人が受賞されたのかな、て。受賞した皆さんと会って話がしてみたい、と思って、今回このような場を設けさせていただきました。今日は来てくれてありがとう。皆さんにお会いするのをずっと楽しみにしてたんです。

一同 ありがとうございます。

最優秀賞を受賞した中村 暖さんは22歳の大学院生。京都造形芸術大学・大学院芸術研究科で学びながら精力的に表現の世界に取り組んでいる。今回受賞した作品「レジ袋を最高級のワニ皮のバッグへ」というコンセプトをもとに制作された「NEO CROCODILE BAG」とは・・・。

 じゃあ、まず最優秀賞を受賞した中村 暖さん、スーパーの袋からワニ皮のバッグって、よく思いついたよね。この作品は審査員満場一致でもう最優秀賞はこの作品だよね、とすぐに決まった。見事というか、環境に良いし、今まさに求められているものだと思いました。

中村 暖さん(以下「中村」、 敬称略) ありがとうございます。

 どうですか、受賞が決まった瞬間の気持ちとか、今回受賞してどんな反響がありました? 周りからとか、学校からとか。

中村 いや、本当に嬉しかったですね。僕の場合は、80人のチームを組んで制作をしているので(すぐに何人にも電話をかけました)みんなとても喜んでくれました。

 え? 80人のチームで制作しているの?

中村 はい、そうなんです。僕80人を超えるチームで制作しています(笑)。実は僕、自分の会社を持っていまして、自分の名前をあしらった会社「DAN NAKAMURA」を立ち上げたんです。

 そうなんだ、すごいね! ところで、その80人は皆さん学生さんなの?

中村 いえいえ、みんな職種はバラバラ。学生もいるし仕事を持っている人もいる。僕は月火水は制作会社に所属していて、週に3日は会社に行ってるんです。そして、後の2日は学校に行って残りは自分の会社に出ている。

 すごいね、その行動力。

中村 今回の作品は僕の仲間80人が僕の作品制作のために力を貸してくれたんです。80人にはそれぞれに専門分野があって分担して作業をしているんですけど、日本にとどまらずに、世界を相手にしているんですよ。

 世界を相手に、まさにデザインストーリーズ、新世代賞が目指していたものだよね。作品について聞きたいんだけど、この作品は、スーパーの袋から発想したという点がとにかく斬新でいて地球に優しく、素晴らしいと思った。誰も思いつかないでしょ、スーパーの袋からワニ皮のバッグを作ろうなんて(笑)。どうして作ろうと思ったの?

中村 すぐに捨てられてしまうスーパーのポリ袋を、世界的な高級ブランドレベルの価値にまであげられないだろうか? なぜ最高級のワニ皮のバッグでさえ捨てられてしまうのだろう、というこの素朴な疑問からこの作品は生まれたんです。「捨てられるもの」に「価値」を与える。透明だからこそ、全てが見える。ここにプロテクトデザインの未来が、可能性があると思うんですよね。もともと透明が好きということもあったんですけど、透明にはすごい安心感があって、作られる過程や背景など含め透明にした作品を作りたいと思って考えたんです。日常の中にある環境に良くない素材であっても、いかす方法はあると思って、再生可能なワニ皮のテキスタイルの開発をしているんです。ものを捨てない、無駄をなくすという観念の中から生まれてきたのがこの作品なんです。本物はやがて消えていく。でも、これはボロボロになってもまた、それを溶かして再生することができるんですよ。

 その発想が素晴らしいよね。では最後に、これからのことを、今思っていることを聞かせてくれますか?

中村 まずは、今回受賞した作品の制作に携わってくれた皆さんへの、ありがとうの気持ちで胸いっぱいです。たくさんのサポートをしてくださっている皆さんの顔が頭に浮かぶと同時に、目頭が熱くなります。80人を超える皆さん、本当にありがとうございます。皆さんのおかげで、今回受賞することができ、世界へ羽ばたくことができます。これからも、僕だけでは作れないけど、僕にしか作れない作品を作っていこうと思います。
 

未来を築く若者たちへ「アート&デザイン新世代賞」授賞式

未来を築く若者たちへ「アート&デザイン新世代賞」授賞式

最優秀賞・中村 暖さんのバッグ「NEO CROCODILE BAG」のためのワニ皮のテキスタイルシート

 
優秀賞を受賞した眞木絢未さんは24才の桑沢デザイン研究所総合デザイン科の3年生。今回受賞した作品はラベル、パッケージのデザイン。飲むたびに「治りそう!」な漢方薬、というちょっと可愛らしいタイトルの作品です。そのコンセプトは小さい頃から身体を壊しがちだった自分を漢方薬マニアの祖母が飲ませてくれた漢方薬がヒントになっているとか。

 優秀賞の眞木さん、漢方のパッケージ、実に可愛くてまず見た目の印象が優しかったですね。どうでした、今回受賞して、周りの反応は? 何か変わりましたか?

眞木絢未さん(以下「眞木」、敬称略) 友だちも家族もとても喜んでくれました。本当に嬉しかったです。

 漢方にこだわったという点がすごいよね。どうして漢方薬だったの?

眞木 子どもの頃から身体を壊し易くて、心配した祖母がよく漢方薬を飲ませてくれたんです。祖母は漢方薬マニアでしたので、よく飲まされました。でも子供ながらに薬を飲むときには不安を感じていて、このパッケージを見ながらいつ治るのかな、って思ったり。なにかもっと楽しく飲める方法はないかな、と思ったのがきっかけです。今回のコンペを知り、飲むたびに「治りそう!」と思えて来る漢方薬のパッケージがあったらいいな、って思ったんです。若い世代にも好まれるような、せめてパッケージだけでも受け入れられるような、持ち歩いても「お洒落」と思ってもらえるような漢方薬を目指してパッケージの制作をしました。

 まさに、”生活に寄り添う” だよね。

眞木 人々の生活と切っても切り離せない漢方薬ですが、薬を飲むときにテンションが上がる! という人はあまりいないでしょう。「治るのかな」という不安が常につきまとうものだと思います。そこで、毎回飲むたびに、「治りそう!」と思えるようなパッケージになったらいいなという願いを込めて、封を切ったら笑顔に見えるデザインを考えました。また、効能も表しつつ、どんな人にでも親しみやすいものを目指して制作しました。

 このパッケージを破ると泣き顔が笑顔になるんですよね。その発想、優しいよね。やられたなって感じ(笑)。イラストも可愛いけど僕は色のトーンも好きですよ。色で中身がわかる、小さい子供にも伝わるし。目で見て、中身がわかることはとても大事だと思う。

眞木 でも今回反省点がたくさんありまして、今卒業制作に取り掛かっているのですが、そこに反省点をプラスして展開していこうと取り組んでいます。

 それはいいね。ところで反省点って?

眞木 色の事とか、漢方薬は番号で表示されているのですが、このパッケージには番号のインパクトが弱いかなっと。その辺もきちんと盛り込んだデザインを考えたいと思います。

 売り込みとかはしないの? メーカーさんなどに企画書出したりしたらいいのにって僕は思ってしまう。でも皆さん、商品化を含め、そこまでは考えていないんですね。そこがね、僕からすると逆にすごいなって。作品に取り組む意識に迷いや邪念がないんだなって、純粋に作品作りに取り組んでいる姿勢がすでに、新世代賞だな!(笑)

眞木 (笑)え、売り込んでもいいんですか? やってみようかな(笑)。
 

未来を築く若者たちへ「アート&デザイン新世代賞」授賞式

未来を築く若者たちへ「アート&デザイン新世代賞」授賞式

優秀賞・眞木絢未さんのラベル・パッケージ飲むたびに「治りそう!」な漢方薬

 
最後は特別賞を受賞した今井綺乃さん。武蔵野美術大学・造形学部視覚伝達デザイン学科を卒業し、今は広告制作会社でデザイナーとして活躍している24才。女性らしい視点で考えた作品はポスター「IKEBANA」という優しい作品でした。

 特別賞おめでとうございます。この生け花ですけど、受賞した時はどんな気持ちでした? 周りの反応も含め教えてください。

今井綺乃さん(以下「今井」、敬称略) そうですね、両親がとにかくとても喜んでくれました。私はデザイン会社に勤めているのですが、会社の人たちもとても喜んでくれて、社内に私の作品を展示してくれたりして、とても嬉しかったですね。

 審査員の中にクリエイティブディレクター鵜野澤啓祐さんがいるんだけど、彼がね、特にこの作品を気に入ってたんだよね。彼自身もカードのデザインをしたりしているから、一番心に残った作品だったみたい。

今井 そうでしたか。とても嬉しいです。

 この作品はどうやって思いついたの?

今井 社会人になると、たまに疲れを感じる時があります。そんな時、私は自分へのご褒美としてお花屋さんへ行って草花を買うんです。そんなに高くなくて、自分の好きな花を。その草花を花瓶や空き瓶に活けて鑑賞することが一種の癒しなんです。でも、生の花はやがて枯れてしまいます。ずっと枯れずに見ていられたらどんなに幸せかなっていう思いからこの作品が生まれました。

 仕事を始めて感じたところから生まれた作品ということだけど、働くってストレスとの戦いみたいなところもあるし、すぐにでも商品化できそうだね。 

今井 絵画の中に存在する花は永遠に枯れずに綺麗なまま存在し続け人々の心を癒し続けます。そんな思いから生まれたこの作品は花を生けるようにポスターに草花のシールを貼ることによって自分なりの生花を楽しむことができ、一枚の絵のように永遠に枯れない花を楽しむ事ができるのです。このポスターを部屋に貼るだけで、お部屋に花が咲くように心が癒され続けたらいいな、という思いで制作しました。

 この作品は小さな子供からお年寄りまで年齢に関係なく楽しむことができる。親子で作るのもいいし、その辺も人に優しい作品だと思いました。消えゆくモノに宿る命を見つめ、人、仲間、家族とのコミュニケーションという大きな和も感じられ、それがとても素晴らしいですね。これからはどんなことをしていこうと今考えていますか。最後に聞かせてください。

今井 今回このコンペを見つけた時、私の心の中に眠っていた創作意欲が湧いて来たんです。「素直に自分が良いと思うものを作りたい」と。そしたらその気持ちがとまらなくてどんどん楽しくなったんですね。心から楽しく制作している自分がそこにいて、何かを作りたいという意志や、行動を起こす事が大切で、その気持ちを忘れずに表現し続けたいと思いました。良いきっかけをくださったと、このコンペに感謝しています。
 

未来を築く若者たちへ「アート&デザイン新世代賞」授賞式

未来を築く若者たちへ「アート&デザイン新世代賞」授賞式

特別賞・今井綺乃さんのポスター「IKEBANA」

 
 今回皆さんとお話ができて本当に良かった。皆さんの作品と向き合う気持ちや未来について話が聞けたことは僕自身にも大きな刺激となりました。審査委員皆思ったのは、気がつきそうで気がつかないところに皆さんは気がついている、こと。人から見れば他愛もないものに、価値もないようなものに価値を見い出している。無駄をなくし再生させる意識や、全ての人に優しく目を向けるその感性、意識がとても素晴らしいと思いました。新世代賞をやった意味があったなってあらためて今、感じています。第2回新世代賞に向けて、大きな弾みができたと思っています。皆さん、次回も応募していいんだからね(笑)。

一同 え、本当ですか! 応募しちゃいますよ!(笑)

 今日はありがとうございました。皆さん、また、会いましょう!
 
 
 
◾️アート&デザイン新世代賞・受賞者に贈る審査委員の言葉
 

未来を築く若者たちへ「アート&デザイン新世代賞」授賞式

 
「第1回アート&デザイン新世代賞」の審査をして 千住 博(画家/審査委員長) 

  
今までありそうでなかったものをつくり出すことを創造力と言います。その為には徹底的な身のまわりの観察が必要です。つまり何が足りないか、を探し出す力が創造力なのです。創造力とは観察力であり、発見力でもあります。そのことを感じた今回のコンペでした。
審査員たちは、日頃全く違う仕事をして世界で認められている超一流のクリエイター達です。その審査員たちが口をそろえて「これはいい」と言うということは、最も厳しいハードルを超えたことを意味します。ですから受賞者の皆さんは自信を持って下さい。
特別賞の今井綺乃さんの作品は、作り手だけではなく、受け手のクリエイティビティーやイマジネーションに対するいざないであり、シールを貼ることによって全ての人々に本来人間はすべからくクリエイターであることを再認識、再発見させるすばらしい作品でした。コミュニケーションツールとしても美しく、たとえば来客が一枚ずつシールを貼ることにより、その一期一会を見える形で表わし、またその人が、たとえ普段アートと無関係の仕事についていたとしても、その人の持つセンスや個性が美しく表現でき、潜在的に持っていた自分の感性を知ることができる訳です。
優秀賞の眞木絢未さんの作品には生きていく為の愛があります。字の読めない幼い子供たちもパッケージを見れば、これはどんな時飲んだらいいか、ということがわかります。そしてそのメッセージが、言語を越えてあたたかく全ての人々に伝わります。これこそユニバーサルデザインというものです。これは命を救うことができる切実なデザインです。パッケージの封を切ると、子どもの苦痛の表情がにこにこした顔に変わることも安心感を与えて実に見事です。
最優秀賞の中村暖さんの作品は、人間の物欲を否定せず、しかし熱を加えることによって身のまわりのぜいたく品のような物もリセットされて新たな物へと変わってゆくという提案です。この発想は、現代の大量生産、大量消費社会への大きな変換を呼びかけるものです。本来人々に我慢や禁欲を求めたところの、それゆえもう一つ前進しないかのようなイメージのあったエコロジーやリサイクルを新たな展開へと推し進めます。これは人間と物の関係を再構築するものです。ここに示されたコンセプトには、人間社会そのものの未来がダイナミックに変わってゆくきっかけになるヒントがあり、すぐれた作品でした。
 

未来を築く若者たちへ「アート&デザイン新世代賞」授賞式

 
世界を旅して仕事をして思うこと「生きること=アート&デザイン」

鵜野澤 啓祐(クリエイティブディレクター/デザイナー)

 
アートやデザインは美術館に行き鑑賞するだけの遠い存在ではなく、傍に存在するものであるということ。どれだけ時代が進んでも心を満たすものは人と人の触れ合いであり、心と心が触れ合うことである。アートやデザインを介して人と人、心と心が触れ合うこと。この交信は永遠に変わらない愛の形として存在し続けるだろう。
新世代賞の審査会場に入り多くの作品が並んでいた。どの作品も感性豊かで暖かいものだった。その作品群の中でも見た瞬間に心惹かれた作品は、言語を超えてコミュニケーションする、心と心が触れ合える作品。プレゼンシートに記してある説明文を読む前に、笑顔になり心が動いた。受賞した作品は生活を彩り、仲間や家族、社会とつながるアイデアを持っていて想いが伝わるデザイン。作品が誕生するまでのストーリーが表現され、使う人にストーリーが生まれ、更に受けとる人がストーリーを紡いでゆくことができる作品。

受賞者の皆さん、おめでとうございます。世界へ旅立ち、その経験がアート&デザインに昇華されることをとても楽しみにしています。
                   

未来を築く若者たちへ「アート&デザイン新世代賞」授賞式

 
第1回アート&デザイン新世代賞 選評 新立 明夫(プロダクトデザイナー)

 
今回の第1回アート&デザイン新世代賞において‘生活に寄り添うアート&デザイン’というテーマを若いクリエーター達がいかに表現してくるのかが非常に楽しみであった。今回私は工業デザイナーという立場から、作品の評価をするということだけではなく、一人のクリエーターとして人間の生活がいかに豊かになれるかということに注視しながら作品を評価するに至った。最終的に残った3つの作品はどれも異彩を放っており、見るもの全ての目を惹きつける魅力に溢れていたことは間違いないと思う。

まず特別賞の今井綺乃さんの「IKEBANA」という作品。
これは毎日の生活の中で、人間に必要な癒しというものをいかにナチュラルに感じられるようにするかという工夫が感じられる作品である。彼女の人間としての、又クリエーターとしての豊かな発想力が、人間の生活で求められる癒しというものとして表現されている。コンセプトそのものを生け花という3次元媒体とポスターという二次元媒体とのハイブリッド化することで日常の生活に寄り添う‘癒し’というものを気軽に体感できる、ストレートに素敵だ、と感じさせる作品である。

次に優秀賞の眞木絢未さんの「飲むたびに「治りそう!」な漢方薬」という作品。
通常、薬という 製品デザインは ユーザーが多様な為、デザインそのものが非常に難解になりがちである。しかしながら、小さな子供からお年寄りで全てのユーザーに対応できる素晴らしい作品に仕上がっている。デザイナーとして大切なコンセプトであるユーザー目線で作品をデザインしていることが強く感じられ、またわかり易いグラフィックデザインでの的確なメッセージが、よりユーザーに優しいデザイン・仕様となっている。特に仕様前の泣き顔のグラフィックスから使用後の笑顔のグラフィックスに変わるところ等は洗練されたデザインの中にもスマートさを感じることができると感じた。

最後に最優秀賞の中村暖さんの作品 バッグ「NEO CROCODILE BAG」
エコロジカルな思想と高級品を愛するという相反する思想をあえて融合しテーマとすることで、未来の人間の生活に新しい価値観を提案してくれた作品である。リサイクル可能な素材を使い、その製品そのものをワニ皮の型押しを使うことにより高級な存在に押し上げることで、ものに溢れてしまった決して豊かとは言えない現代の人間の生活に‘永遠’という新たな枠組みをつくり出したと言える。現代の物のデザインから事のデザインに流れている時代に、作るではなく創っているというプロセスをも感じさせる作品であり人間の生活に寄り添うという意味でも目を見張るものがある。
 

未来を築く若者たちへ「アート&デザイン新世代賞」授賞式

 
◾️最後に

  
今、若い世代の人たちは世界にあまり飛び出さなくなったと感じる。だから、もっとどんどん世界に飛び出して冒険をしてほしいと思う。その冒険から得られるものの素晴らしさ、その可能性は計り知れない。世界は限りなく広く、自分の中にある可能性もまた限りなく大きい。未来を担う若者たちよ、ぜひ、世界を見て欲しい。君たちが思う以上に、きっと世界は新鮮な刺激とエネルギーを与えてくれるだろう。自分を生きることは簡単なようで難しい。でもその難しさの中にこそ光りは生まれるのだ。次世代を担う若者たちがこれからの日本にさらなる創造性を取り戻してくれることを願い、私たちは新世代を応援する人であり続けたいと思っています。

第1回アート&デザイン新世代賞はこうして幕を下ろしました。でも、ここからが新しい始まりです。
第2回目の開催がいつになるのか、現時点では未定です。今年開催できるのか、それとも来年か再来年になるのか。でも、私たちは希望を持ちその日に向け一段一段階段を登っていきたいと思っています。

そして、この思いを繋ぎながら、私たちも人生の旅を続けていきたいと思います。
 

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デザインストーリーズ編集部(Paris/Tokyo)。
パリ編集部からパリの情報を時々配信。