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q.b.レシピのないレシピ帳 ~十六ササゲのスパゲッティ~ Posted on 2022/10/06 八重樫 圭輔 シェフ イタリア・イスキア

つい先日までの暑さは短い夢だったかのように過ぎ去り、衣替えの季節が駆け足でやってきました。3か月半に及ぶ長い夏休みが終わると、ナポリからの家族連れのバカンス客は潮が引くようにいなくなり、今は北イタリアや他のヨーロッパからの中高年の観光客で街は賑わっています。すれ違いざまに聞こえる外国語やイントネーションの違うイタリア語が、今年も何とか夏を乗り越えた事を教えてくれます。

q.b.レシピのないレシピ帳 ~十六ササゲのスパゲッティ~

地球カレッジ

毎年のことながらシーズン中の厨房というのは本当にてんやわんやで、賄をゆっくり食べる暇もありません。しかし、その中でもこれだけはしっかり味わいたい、という好物がいくつかあり、今回ご紹介するさやいんげんのスパゲッティもそのうちの一つです。ただ、さやいんげんといっても通常のものとは違い、非常に長いものを使うのが特徴で、調べてみると日本でも十六ササゲ、三尺ササゲという名称で江戸時代から栽培されているそうです。通常のさやいんげんで代用もできますが、十六ササゲは茹でるとわずかなとろみというか粘り気があり、パスタとの相性がとても良いのです。

q.b.レシピのないレシピ帳 ~十六ササゲのスパゲッティ~



夏野菜で9月いっぱいまでが旬とされているので、あと少しの間は市場に出回っています。スーパーなどで見つけるのは難しいかもしれませんが、もしかしたら近くの農家や直販店で手に入るかもしれません。もしも見つけたらぜひ手に取ってみて下さいね。僕もこの夏の出来事を振り返りながら、もう一度くらいはこのパスタを満喫したいと思います。それでは早速レシピを見てみましょう。



q.b.レシピのないレシピ帳 ~十六ササゲのスパゲッティ~

十六ササゲのスパゲッティ
<材料(2人分)>
○スパゲッティ 160~180g ○十六ササゲ(さやいんげん)150~200g程
○ミニトマト(または普通のトマト)約200g ○オリーブオイル q.b.(適量)
○バターひとかけ ○バジル q.b. ○パルミジャーノチーズ q.b.
○ニンニク ひとかけ ○唐辛子(お好みで)
※スパゲッティは今回はバリラの5番を使用しています。
十六ササゲの量は大体でよいです。

<作り方>
①十六ササゲのヘタを取り熱湯で4分程塩ゆでします。茹で時間は品質にもよりますが、結構軟らかめに茹でます。ゆで汁はお玉1杯ほど取っておきます。その後食べやすい長さに切ります。

q.b.レシピのないレシピ帳 ~十六ササゲのスパゲッティ~

②フライパンにオリーブオイルをひき、ニンニクを加えてきつね色になったら取り出し、切ったトマトを入れてソースにしていきます。トマトが半分ほど煮えてきたら、十六ササゲを取っておいたゆで汁と共に加えて更に煮ます。

q.b.レシピのないレシピ帳 ~十六ササゲのスパゲッティ~

③スパゲティを茹で始めます。途中でゆで汁を少々ソースに加えてとろみをつけたらソースは完成です。
④アルデンテの状態でスパゲッティをあげ、強火でソースと絡めます。これはどのパスタを作る時にも共通していますが、ゆで汁は必ず取っておきましょう。後で水気が足りない時やとろみが欲しい時のつなぎとして大切だからです。



q.b.レシピのないレシピ帳 ~十六ササゲのスパゲッティ~

⑤バターひとかけとバジル、パルミジャーノチーズ少々を加えて素早く混ぜ、必要であればゆで汁を足して仕上げましょう。お皿に盛って出来上がり!パルミジャーノチーズを上からかけてバジルでおめかし。

q.b.レシピのないレシピ帳 ~十六ササゲのスパゲッティ~

材料も少なく、ヘルシーで簡単な一品ですので機会があればお試しくださいね。
それではまた次回、普段着の食卓でお会いしましょう。

※タイトルのq.b.とは適量を意味するイタリア語quanto basta(クワント バスタ)の略です。細かいことは気にせず臨機応変に、あなたなりのレシピにして頂けたらという思いを込めて。

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Posted by 八重樫 圭輔

八重樫 圭輔

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Keisuke Yaegashi
シェフ。函館市生まれ。大学在学中に料理人になることを決め、2000年に渡伊。現在は家族とともにイスキア島に在住。