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日本とこんなに違う、フランスの自販機事情 Posted on 2023/06/24 ルイヤール 聖子 ライター パリ
日本の自動販売機の素晴らしさは、世界的に有名になりました。
こちらフランスにもドリンクの自販機があります。
しかし日本と異なるのは、「ほとんどが屋内に設置されている」「ドリンク以外の物も入っている」「見本はなく、ガラス越しに実物を見せて販売するスタイル」、などです。
※最近の自動販売機。
まず設置場所は、駅構内やホームの中が一番多いです。
日本のように屋外に設置されるのは稀で、理由としては犯罪防止のためなのだそうです。
屋外にあれば残念ながら壊されて、お金や商品を持ち去られる可能性が高いとのこと。
ドリンク以外のお菓子も入っているのが一般的で、価格はスーパーより割高ですね。
またドリンクが逆さになっているのも特徴的です。
※紙幣の取り扱いはなく、硬貨もしくはカードのタッチ決済がほとんど。
しかしフランスの自販機で一番困るのは、お金を入れても商品が出てこないことがある。←これです。
私も知ってはいたものの、魔が差した日が一度だけありました。
パリの大型駅で自販機を利用したところ、ドリンクが中で引っかかって出てこなかったのです。
駅員さんに訴えたとしても「知らない」と言われるのが予想できたので、寄付という形にしました。
※塩対応はフランスではよくあることです。
という訳で、最初で最後になってしまったフランスでの自販機利用。
こうした事情もあってか、フランスの方はほとんど自販機を利用しません。
パリでマイボトルの普及率が高いのは、エコ以外にもこうした諸々の不都合があるためだと思っています。
ただ大型駅には同じ場所にコーヒーマシンがあって、これを利用している人は時々います。
(紙コップで出てくるタイプです)
種類も豊富で美味しく、こちらは2回利用して2回とも成功しました。
ちなみに自販機でもコーヒー豆はBIOです。
フランスにはドリンク以外にも面白い自販機がたくさんあります。
首都パリにはそれほど多くないのですが、オペラ地区にある「アジア食材の自販機」はかなりユニークでした。
※コインロッカーのような自販機。
最近のパリでは韓国料理もブームです。
この自販機にあったのは、韓国系の乾燥麺・アサヒビール・モチ(大福)などでした。
ですが驚いたのはお煎餅が売られていたこと。
需要があるかどうかは謎ですが、とても斬新な自販機です。
ほか、地方ではノルマンディーの生牡蠣自販機、チーズで有名なサヴォワ地方のチーズ自販機などがあります。
またバゲットの自販機、ピザの自販機もフランスでは有名です。
食品以外では花束・鉢植えの自販機、暖炉に使う木製チップの自販機がありました。
反対に、フランスの銀行ATMが外に設置されていることには未だにドキドキします。
日本でATMを利用する時、背後を気にする理由は「人を待たせていないか?」だったのですが、こちらでは「暗証番号を誰かに盗み見されていないか」、と変わってしまいました。
ただドリンクの自販機もATMも、切符の券売機も、対応言語の多さはさすがフランス(ヨーロッパ)だと思います。
※屋外ATM、夜中・人通りの少ない場所での利用は避けたい。
※慣れるまでが難しいフランスの切符の券売機。
そのような理由で、フランス人の夫は日本の自販機を見てかなり驚いていました。
安全性はもちろん、「つめた~い」と「あったか~い」が同じマシンの中にあるという日本の技術、そしてコーンスープやおしるこが出てくるというバリエーションにも喜んでおりました。
個人的には、日本の「つめた~い」と「あったか~い」の表記が親しみやすくて素敵だなと思っています。
コーヒーマシンを除き、自販機はフランスに来てから一度しか利用していません。
その一度も失敗に終わってしまったので(泣)、こちらでは自宅で飲み物を作る機会がぐんと増えました!
Posted by ルイヤール 聖子
ルイヤール 聖子
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猫と香りとアルザスの白ワインが好き。