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フランスあるある 「生まれる連帯感、優しさの連鎖」 Posted on 2017/01/12 スザンヌ 内堀 学生 パリ

フランスあるある 「生まれる連帯感、優しさの連鎖」

フランスでは、

まだ降りる人がいるというのに、運転手が気づかず扉を閉めてしまった場合、降りたい本人よりむしろ周りの人たちが「ドア開けてー」「まだ降りてる人いるのよ~!」と大声で運転手に訴えてたりします。
普段は列にまともに並ぶこともできない人たち、割り込みや小競り合いをやらかす自分勝手なフランス人なのに、とっても不思議だな、といつも思わされてしまいます。
しかし、なぜだか、メトロとかバスとか駅なんかでは、時に助け合いの精神がさく裂するわけです。
皮肉も込めて言わせてもらいますが、その共和国的団結心は全く見事なものです。

誰かが駆け込み乗車をしようとして、その人が扉に挟まれそうになると、扉付近の乗客たちが協力して閉まる扉を押さえていたりします。駆け込み乗車、本当はダメなんですけどね。わかっていてもなぜかどこからともなく手が伸びてきて、閉まるドアを押さえてくれるんです。
大勢の人が人助けのために協力する姿は、確かに見ていて気持ちがいい。
 

フランスあるある 「生まれる連帯感、優しさの連鎖」

目の不自由な人が交差点でちょっともたもたしていると、どこからともなくスーパーマンのように、とくに男性たちが駆け寄ってきて、道の反対側までその人を案内します。
そして、渡り切ると、はやてのように去っていくんです。見事です。日本ではなかなか見ることのできない光景です。そのくせ、一人一人のフランス人はとってもわがままで横柄で超個人主義なんです。なんで?

そういえば、日本から戻った時とか、パリの駅構内で、重いトランクを持って階段を上り下りしたことがありません。例えば電車を降りて階段を上る時、例えば地上からメトロの改札へ下りる時、さぁトランクを抱えようと思うと必ず誰かしらが声を掛けてくれます。
「手伝いましょうか?」「荷物持ちましょうか?」と、それがまたとっても自然な感じで、こちらも構えることなく「ありがとう」とお願いできる雰囲気なんです。そして階段の終わりまで運ぶと、やっぱり、「じゃっ」と笑顔一つ残してはやてのように去って行く人がほとんど。
普段から当たり前のようにしているんだろうなぁと感心させられてしまいます。なんで?
 

フランスあるある 「生まれる連帯感、優しさの連鎖」

ベビーカーを押しているお母さんたちも、周りの親切に支えられています。
時には2、3人がこぞって声を掛け、そんなに重くもなさそうなベビーカーを、やんややんやと何人かで抱えて階段を上ったりするのです。
わがままな私でさえ次は他の人にそうしてあげたい、と思ってしまうほど。
これこそ親切の連鎖。見習いたい習慣なんですけど、でも、なんで? 
だって、私の知る限り、フランス人ってほんとうに自己中な人ばかりなんですもの。

何しろフランス人は日本人に比べ、公共の場だろうがどこであろうと好き勝手に振る舞う人が多い。
愛し合ってやまないカップルは見ているこっちが気を遣うほどにイチャついていますし、大声で独り言を言い続けているおじさんもいれば、電話でヒステリーに怒鳴る女性もいるし、ヘッドホンすらせず、ここは自室ですか、と訊ねたくなるくらいの大音量で音楽を楽しんでいる若者もいる。
先ほども書きましたが、列への割り込みなんか当たり前。スーパーでみんなが長い列に並んでいるのに、どこからか人が割り込んでくるし、とにかく、そんな人たちが不意に人助けをしてはやてのように去っていくのだから、不思議でなりません。
国民性でしょうかね?

「人助けをしてやった」のではなく「自分がしたいことをした」結果が人助けになったのかもしれませんね。
国境なき医師団なんかはここフランスで生まれています。世界各地で何か紛争があれば24時間以内に医療チームが出発できるよう、つねに飛行機が一機空港で待機しているのだとか。
なんで? そんな国はフランスだけですね。

フランスでは、あるある、よくある話なのです。
 

フランスあるある 「生まれる連帯感、優しさの連鎖」

 
 

Posted by スザンヌ 内堀

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Suzanne Uchibori
学生。スザンヌはニックネームです。30代でまだ学生。ロケット工学の研究しています。欧州で一花咲かせたいけど、まだ何者でもないわたし。専門は亜酸化窒素ガスを酸化剤にし、合成ゴムを燃やすハイブリットロケットです。