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日本とこんなに違う、フランスのスキンケア方法 Posted on 2024/01/28 ルイヤール 聖子 ライター パリ
海外に移住すると、スキンケア方法が日本とまったく違うことに気づきます。
私は、渡仏したての頃は日本のスキンケア用品を数か月分持参していましたから、肌のお手入れも日本風のまま続けていました。
ところが、数か月経ってから異変に気づき始めます。
肌も髪もパサパサ・ギシギシになり、ファンデーションも全く乗らなくなりました。
当初は主人だけを頼ってフランスに来たため、在仏日本女性がどう対処しているのかも分からず、途方に暮れたものです。
また、フランス家族のお宅に泊まりに行った時などは、「コットン持ってきた?」「コットンは引き出しに入ってるからね」と、義母がメイク落としについて気を使ってくれていました。
しかし私は「なぜここまでコットン押しなのだろう?」と疑問に思ったのです。
※洗って繰り返し使えるオーガニックのコットンもあります
ちょっと遅かったのですが、その後に「フランスはふき取りクレンジングが主流である」ことが判明しました。
日本ですとふき取りタイプもありますが、ジェルやミルク、オイルクレンジングなどがあり、洗い流すタイプのバリエーションが豊富です。
しかしフランスでは、およそ9割がふき取りです。
そのため、コットンもセットで購入しなければいけません。
なぜか。
それはズバリ、フランスの水が硬水だからです。
なかでも特に硬度が高いとされるパリでダブル洗顔しようものなら、必要な油分を取り過ぎてしまい、肌が非常にまずい感じになってしまいます。
私は日本風にバシャバシャ顔を洗うのが好きだったのですが、これは従来のやり方に固執していてはまずいぞ…と直感し、郷に従ってふき取り洗顔にシフトすることに。
するとこれが思いのほか、なかなかの好感触。
しばらく続けてみたところ、肌荒れも発生せず、以前と同じ状態に持っていくことができたので、本格的にふき取り洗顔に移行しました。
フランス女性も硬水が肌や髪に悪いというのは熟知しています。
朝シャワー派の人が圧倒的に多いフランス。夜はメイク落としをふき取りでちゃちゃっと済ませ、朝のシャワーではなるべく顔に水を当てないようにしているようです。
もう1つ、ちょっと困ったことが、フランスには化粧水と洗顔料がない、ということです。
ゼロということはないのですが、日本に比べるとこの2つを探すのに苦労します。
というのも、ミセラ―ローションというふき取りクレンジングに、洗顔機能もローション機能も付いているから。
ということでフランス女性はふき取りの後、クリームを塗って終わり、という非常にシンプルなスキンケアを実行しているのです。
ダブル洗顔はもちろんしません。
シンプルイズベストと言いますが、私は化粧水だけは諦めることができませんでした。
薬局に行ってはお店の人に尋ね、少ないバリエーションからやっとの思いで探し出しました。デパートコスメですと種類も豊富ですが、値段が張ってしまいます。
そのためパリのどこの薬局が一番安いか?というのも把握してしまうようになりました。
今では薬局大好き女です。
ふき取りの後は、クリームだけ。
というスキンケアを実践しているフランス女性は大変多いです。
もちろん個人差もあるので、人によってはオイル美容を足したり、アイクリームも併用します。
それから洗顔料がない代わりに、週に一回使う用の「ゴマージュ」の種類が大変豊富です。
私は毎日のスキンケアに化粧水だけ足していますが、ふき取りクレンジング+クリーム、たまにゴマージュという方法でだいぶ安定しました。
肌は年相応になりましたが…
日本で何の憂いもなく顔や身体を洗えるのが羨ましい、というのが本音です。
在仏日本女性の声はというと、郷に入っては郷に従えを実践している人、肌が強いので日本のオイルクレンジングを使い続けている人、さまざまです。
皆さん試行錯誤しながら、フランスでの生活に適応しているようですね。
クレンジングについては、水の質がいかに大事かというのを痛感している次第です。
Posted by ルイヤール 聖子
ルイヤール 聖子
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猫と香りとアルザスの白ワインが好き。