PANORAMA STORIES
下を向いて歩こう!の勧め。 Posted on 2016/11/29 七種 諭 写真家 パリ
生きているといろんなところでいろんなものと出会っているのですが、
上を見てるために見逃したり、
急いでいるので見落としたり、その素晴らしさに揺り動かされる時間がなかったり。
大変残念です。
下を向いて歩くといろんな発見があります。
僕が絵描きなら、具象的なものからアブストラクション視覚芸術的なもの。
学者ならばおそらく自然、怪宇宙、目に見えない大巨人の微生物を想像させてくれるもの。
作家ならParisの生活感、浮浪者の足跡、子供の物語などに膨らませてくれるヒントとなる小さな素晴らしいもの。
たくさんのいろんな発見に出会えます。
海岸で見つけた魚の骨と流れ着いたガラス瓶のかけら。
素晴らしいコンポジション、ちょっとシュールな感じ。
パリの道端に置いてあった牛乳の空き瓶と生活に疲れたテーブル。
どうぞご自由にお持ち帰りくださいと書かれたメッセージカード。
夕方には全てが消滅していた。
太陽の光を浴びて美しい、宇宙からの隕石?
パリの道端で。
砂浜にて、海水と風の共作。
自然、偉大、素晴らしい。
ばらまかれた朝食、パリの道端に。
小さな子供がパンを買いに走り、紙袋が破れてしまったのかな? と想像する。
ゴミを取ればまだ食べれる?、、、ううん、後は鳩の餌食。
これまた素晴らしいコンポジションではないですか?
もしかすると最近は日本では見かけないかもしれませんね?
オイルの漏れる車なんてもう走ってないか、、、、パリは沢山走ってますよ。本当に?
ああ、なんて、宇宙的!
光り輝く細菌の模様にも大きな宇宙が存在しそうで楽しい。
いろんなものが道の端っこに居て何かを伝えてくれてます。
たまには頭を下げて歩くのも楽しいもの。
それは無数のマンホールです。
これはどこだったのだろう?
ミラノ
グランパレの白いカーペット越し、多くの人に踏まれて美しい。
マンホールをフランス語ではPlaque d’égout。
フランス語にするとアート感が高まって聞こえるのは僕だけかな?
これらをよーく見ると微妙にいくつもの芸術のムーブメントを経て、このデザインに到達した歴史を感じる。
なんてね?
幾何学構成絵画のベースになった黄金比やロシアの構成主義、伊太利亜フューチャリズム、
ノンフィギュラティフ、フランスのアンフォルメル、抽象絵画、ミニマルアート、具体派、
初期フランクステラ、、、っっっっっっもう疲れる。
勉強嫌いには向きません。
やっぱりグッとくるのはこれ!
<松>
浪花節的で立派!
これです。
人に踏まれ、車に踏まれ、犬のうんちに耐え、雨、風にさらされてなお美しい輝き。
日本人です。
おぢか島の下水マンホール
下を向いて歩こう!!!!!たまには
Photography by Satoshi Saikusa
Posted by 七種 諭
七種 諭
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写真家。1984年に渡仏して現在に至るまでVogue Paris,Numero,i-D,Flair,Harper’s Bazaar UK、10、GQといった最先端のファッション雑誌とコラボレーションを続ける。数々の有名メゾンの広告撮影に携わり、コマーシャルフィルムも多く手掛ける。ポートレートでは、Monica Bellucci,Angelina Jolie,Sofia Coppola,Vanessa Paradisをクライアント・リストにもち、アーティストやセレブリティーの間でも評価が高い。アートの活動として2010年にSt Germain des Présに本格的なヴンダーカンマー(驚異の部屋)のギャラリーDa-endをオープン。自ら作家としてVanite,Curiosaシリーズを創作する傍ら、ギャラリストとしてアートフェアに出展、2014年にはUNDERCOVERとのコラボレーションで限定エディション作品を製作、2016年に成山画廊にて個展を開催など活動は多岐にわたる。