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パリの素敵なお直し屋さん、「Retoucherie(ルトゥシュリー)」 Posted on 2023/08/20 ルイヤール 聖子 ライター パリ
フランスに住んでからというもの、洋服のお直し屋さん「Retoucherie(ルトゥシュリー)」にお世話になる機会が増えました。
私のような低身長には洋服選びが難しく、丈詰めや袖詰めがたびたび必要になること、そして日本から持ってきた服も段々とくたびれてしまい、適度なお直しが必要になるためです。
パリを歩いていると、お直し屋さん「Retoucherie(ルトゥシュリー)」の看板をよく見かけます。
フランス人は本当に物を大切に、長く使う方々なので、洋服のお直し文化も根付いているのでしょう。
渡仏当初はルトゥシュリーの多さにも驚いていました。
※ルトゥシュリーには老舗が多く、ムッシュがひとりで営業しているところも。
多少のほつれなら自分で直せても、ウエスト周りや肩幅などの複雑な調整となると、プロであるルトゥシュリーの出番です。
自宅で採寸して持ち込んでもOKですが、試着室のあるところではムッシュやマダムがプロ目線で測りなおしてくれたりします。
この手さばきが実は凄くて、パパパッとあっという間に採寸、ベテランの手つきですぐに預かってもらいました。
言葉の弊害もなんのその。
「あなたにはこれぐらいが良さそうね」と、サイズ感を教授されたこともあります。
これも多国籍なパリなので、千差万別な体型を見慣れているのだと思います。
もちろん仕上がりは素晴らしく、自分の体型にぴったり生まれ変わった服を手にした時には、心がパアッと明るくなりました。
※お直し価格はお店、地域によっていろいろです。
フランスでは、そんなお直しにまつわる新しい制度が10月から始まるそうです。
これは、服や靴の修理・お直しをする人を対象にボーナスを支給するという、新たな取り組みです。
つまり、国民に「お直し代」を支給!
2023年の10月から始まって、具体的には一回のお直し代につき6ユーロ(約950円)から25ユーロ(約3950円)が国民に支払われます。
この制度には、ルトゥシュリーやテーラーが無料で参加できるそうです。
たとえば加盟のルトゥシュリーに服を持ち込めば、補助金の分だけ請求額から割引され、その後フランス政府から加盟店に返金されるという流れになります。
今回、フランス政府は「製品寿命の延長」を目的にしているとのこと。
ルトゥシュリーはフランスの素敵な文化の一つなので、こうした制度はどんどん広まってほしいですね。
また、パリの若い方々がお直しに熱心なのも素敵だなと思います。
今、パリでは古着やフリーマーケット、手芸などが流行していますが、新しいお直し屋さんでも若手の姿を見かけることがあります。
彼らはSNSとリサイクルを上手に融合させていて、お直しを「義務」と堅苦しく思うのではなく、とても楽しそうに作業しているのが印象的でした。
※パリの大型デパート、ギャラリー・ラファイエットにできた靴の修理工房。
このように、お直し屋さん「ルトゥシュリー」は老舗から新しいスタイルまで、フランスで大切にされている一つの職業文化です。
パリにこれほど多くのルトゥシュリーがあるのも、たくさんの人に求められているからなのでしょう。
Posted by ルイヤール 聖子
ルイヤール 聖子
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猫と香りとアルザスの白ワインが好き。