PANORAMA STORIES
在パリ日本人ママ友会のストレス解消法 Posted on 2020/01/08 Design Stories
パリに住む日本人がこの十年で激減しているのは経済との関係も無縁ではありません。かつては沢山の日本駐在員の方々がいらっしゃったのですが、めっきりと減りました。それでも、パリには子育てをしながら頑張っている日本人のお母さんたちが結構いて、横のつながりの絆は強いです。普段は私たち在パリ日本人ママたちはフランス人社会で生きてますが、やっぱり日本人同士で集まると、日本語で冗談を言い合ったり、祖国のことで盛り上がったり、海外で暮らすママさんたちにとって同胞のお母さんたちと過ごす一時は格別なものでもあります。そして、最近、そんな在パリのママたちの間でにわかに流行っているのが、「ボウリング!」(笑)。実はかつてのフランス人はアンチアメリカって人が多かったので、ボウリングはそこまでメジャーな娯楽ではありませんでした。ところが今頃になって、じわっとボウリングが再評価されてきたのです。それだけ、フランスはアメリカナイズされてきたということかもしれませんね。言葉や文化の違い、フランス人夫とのストレス解消のため、このボウリングが私たち在パリ日本人妻を元気にさせてくれています。
日本では70年代にボウリングの一大ブームがあり、私の父もそのブームに乗り、マイボールを持つほどボウラーだったですが、ボウリングの歴史を調べてみると意外なことがわかりました。現在、「ボウリング」と呼ばれているものはアメリカから来たゲームとなっていますが、実は、もっともっと歴史を辿ると、紀元前5000年、古代エジプトにまで遡る、歴史のあるゲームだったのです。もともとは「災いに見立てたピン」を倒して、その災いから回避するという宗教儀式だったのです。ボウリングのルールを作ったのは中世ドイツの宗教革命家なのだとか。当時、ボウリングのピンは9本で、ひし形に並べられ「ナインピン・ボウリング」と呼ばれ親しまれていました。月日が経ちアメリカにも広がりましたが、禁酒法のあった西部開拓時代に、お酒をめぐる賭け事にナインピン・ボウリングが使われたことで禁止になってしまい、それならば、と反発した人たちが、ピンを一本足し、今のボウリングのかたちであるテンピン・ボウリングが広がったのです。面白いですよね? まさかこんなに歴史のあるゲームだったとは、驚きです。
パリは一年のうちの半分くらいが悪天といっても過言ではない街。屋内で楽しめるボウリングなら冬場でも天気を気にせず仲間と楽しく遊ぶことができます。数年前までパリでボウリングといえば、子供の誕生日会イベントというイメージが強かったのですが、近頃ではボウリングに出かける大人も増えてきているようです。パリには13区、15区、16区、17区に4つのボーリング場があります。そこで我々、在パリの日本人ママ友の一味は、スト中でも問題なく行ける、16区、凱旋門の真下にあるボウリング・フォッシュに選びました。ボウリング場へはメトロ1、2、6番線、RER Aが走るCHARLES DE GAULL-ETOLE駅から直通なので、とっても便利です。
パリのボウリング場、日本のボウリング場とちょっと感じが違っているところがあります。まず、とってもムーディーです。素敵なバーがあり、ビールやカクテルを飲みながらボウリングを楽しんでいます。私たちの横のレーンでも若いカップルがアルコールを飲みながらボウリングを楽しんでいました。
受付で靴を借り、レーンに名前を登録してゲーム開始。支払いはすべて最後で、2ゲームで約2時間楽しみ、一人17ユーロでした。ちらっと隣のフランス人のボウリングを観察してみましたが、結構下手なのが笑えました(笑)。(決して他人のことを笑えるようなスコアではなかったけれど)
でも、下手であろうと、盛り上がりだけはピカイチ。カップルでダンスをしながら、雄叫びをあげてボウリングする姿が新鮮でした。隣のレーンの人とも会話を楽しみながら、和気あいあいとゲームを楽しんでいたのが印象的でした。遊び上手のフランス人、ボウリングブームでパリのボウリング場になかなか入れない! という日が来るかもしれません。
私たちは子供のためと、自分たちのために、2つのレーンを借りました。子供レーンにはバンパーを付けてくれるので、子供たちは絶対にガターにならないのです。ママたちはみんなガターの連続で、誰ひとりストライクなんて取れませんでしたが、でも、思いっきり楽しむことが出来ました。
異国の家庭に嫁ぎ、異国で子育てをしている私たち日本人妻にとって、この遅咲きのパリのボウリングブーム、結構、楽しいストレス発散の機会になっています。ぜひ、パリにお越しの際は、”凱旋門の下でボウリング”してみてください。パリ子のレポートでした!
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