PANORAMA STORIES

食の天国マレーシア、3大おすすめ料理プラス1 Posted on 2017/06/26 石川 徳仁 書道家 マレーシア・クアラルンプール

マレーシアという国は、実に3民族が共生している。
そして、各々が独自の食文化を育みながら、時にフュージョンしているのだ。
インドネシアやタイ料理に関しては多くの人がイメージできると思うが、マレーシア料理とはどんなもの? そんなことをよく聞かれる。
今回は日本人の好みに合うものを中心に、代表的なマレーシア料理を紹介したい。

まずは、何と言ってもマレー系料理。

代表的なものに「ナシレマ(Nasi Lemak)」がある。
地域やお店によって種類もたくさんあるが、主な食材は、ココナッツライス、ナッツ、アンチョビ、きゅうり、卵など。そこに、マレーシア料理には欠かせない「サンバル」と呼ばれる独特のピリ辛ソースをかける。
マレーシアの人はこれらを最初に全部混ぜてから食べるのだ。朝ごはんに最適な一品となる。

クアラルンプールで一番と称されている高級マレー料理店「Bijian」に行って味わうのも良いが、やはり、元々庶民の食べ物である「ナシレマ」は、ローカルのお店で食べてもらいたい。
 

食の天国マレーシア、3大おすすめ料理プラス1

次は中華系料理。

今までたくさんの日本人の友人にオススメしてきたが、これまでマレーシアの中華料理が苦手だという人はいなかった。
特にオススメは、「肉骨茶(バクテー:Bak Kuh Teh)」だ。
角煮のように柔らかく煮込まれた豚肉は、なんとも言えない美味しさ。薬膳スープの中に入っているものも、ドライ(スープなし)も、どちらも試してみてほしい。

この美味しさを知ってもらうため、クアラルンプールから車で1時間ほどの場所にあるバクテー発祥の地、クラン(Klang)まで行っていただきたいほどだ。
驚くことに、マレーシア人にとってはバクテーも朝ごはんなのだ。
 

食の天国マレーシア、3大おすすめ料理プラス1

最後にインド系料理。

インド系料理で絶対外せないのは、「ロティ」
「ナン」はみなさんもよくご存知だと思うが、それを薄くしたようなものだ。

しかし、作り方は全く違う。
ナンは強力粉を使用し、イースト菌で発酵させてから窯で焼く。
一方、ロティは全粒粉を使用し、発酵はさせずにフライパンなどで焼く。

「ナン」と「ロティ」は似て非なるものなのだ。
 

食の天国マレーシア、3大おすすめ料理プラス1

忘れてはいけない、インド系の定番飲み物「テタレ(コンデンスミルク入り紅茶:Teh Tarik)」をおともに。
初めて飲んだ時、あまりにも甘い飲み物だったのでびっくりしたのを覚えている。
しかし、ダル(豆)やチキン、フィッシュなどいくつかの種類があるカレーとの相性は抜群だ。
 

食の天国マレーシア、3大おすすめ料理プラス1

番外編として、どうしても紹介したいのが、イポー料理。

グルメの街としても知られる、マレーシアのイポー地域発祥の料理だ。
その中でもさっぱりとしていて、飽きずに毎日でも食べれるのが「ホーファン:Hor Fun」
エビと鶏のダシが効いたスープに、ツルツルっとした米粉の麺がたまらない。
マレーシアに来ることがあれば、是非、このスープ麺を試してみてほしい。
 

食の天国マレーシア、3大おすすめ料理プラス1

実は、ここまで紹介した料理はマレーシアで食べられる料理の中の、ほんの一部でしかない。
ここマレーシアでは、日本食をはじめ、イタリア料理、フランス料理、中東料理などありとあらゆる国の料理が当たり前のように食べられる。

私や家族がマレーシアという国で心地良く暮らしていられるのは、この食環境が大きく影響しているに違いない。
さまざまな国の味がマレーシア人の味覚を養い、それらが混ざり合うことで、豊かな食文化が築き上げられているのだろう。
マレーシアは、食の天国なのだ。
 
 

Posted by 石川 徳仁

石川 徳仁

▷記事一覧

Norihito Ishikawa
起業家・書道家。愛知県生まれ。法政大学経済学部卒業。2012年家族でクアラルンプールに拠点を移す。アート、クリエイティブ、テクノロジー、哲学など興味の幅が広く、「一人一人がより個性の生きる社会の実現」をミッションとし数社の経営をしながら書道家としても活動中。クアラルンプールのIsetan The Japan Store内にて書道教室を週2回開催。2010年 東久邇宮文化褒賞受賞

PANORAMA STORIES

今話題のマレーシア。いったいどんな国? Posted on 2017/04/04 石川 徳仁 書道家 マレーシア・クアラルンプール

ここマレーシアは亜熱帯気候で年中30度前後の常夏の国。
2012年よりクアラルンプールに家族3人で移住し6年になる。中華系の文化に惹かれ、英語が使えるという便利な国が香港やシンガポール以外にもあるのは驚きだった。
香港やシンガポールは僕にとって少しビジネスライクすぎる。一方で、マレーシアは生き方の多様性が当たり前。
そんな中にいても日本人の書道家としてマレーシアで活動している人は僕以外に聞いたことがない。
僕はそこにやりがいを感じている。
 

今話題のマレーシア。いったいどんな国?

話はマレーシアに戻るが、マレーシアの起源はマラッカ王国にまで翻る。西暦1400年前後の話しだ。
歴史的にポルトガル、オランダ、イギリス、日本と占領下になった経緯があり、それらの歴史はマラッカに行けば今でも感じられる。

マレーシアは大きく3つの民族で構成されていて、6割くらいのマレー系、3割くらいの中華系、1割のインド系。そして、それぞれの民族が祖国の母語を話す上に公用語として英語が使用されている。ほぼ単一民族国家の日本とは全く違う、とても不思議な国だ。
その上、国教がイスラムである。なのに10%ほどクリスチャン(キリスト教)もいる……。
 

今話題のマレーシア。いったいどんな国?

話せば長くなるのだが、中華系やインド系は母国より労働者(錫の採掘など)として送り込まれた歴史がある。
つまりは母国では身分的に低い人たちが移り住んだのだ。
そのためキリスト教に改宗することでカーストのような身分制度から自らを解放した。
だいぶ薄れてはきているが、今でも他の民族よりマレー系(ブミプトラ)を優遇する制度は色濃く残っている。
教育においてはマレー語はどの民族の授業にも組み込まれいて、公的機関の中枢はほぼマレー系で占められる。
 

今話題のマレーシア。いったいどんな国?

そんなマレーシアはご存知の通り前首相のマハティールさんがおこなったルックイースト政策(簡単にいうと日本を高度成長を見習えというもの)で飛躍的に成長を遂げた。
そのため、他の周辺諸国に負けず劣らず親日だ。
今でも日本人のクラフトマンシップやヒューマニティに対するリスペクトが感じられる。
だから住んでいてとても心地が良い。先代が培ってきたもので僕たちはどれだけ救われていることか。

ほぼ先進国並みの一人当たりGDP水準になったマレーシアだが、経済的にも政治的にもたくさんの課題を抱えている。石油関連を中心としてきた産業構造からの脱却、現首相の横領問題による政治不信、最近では北朝鮮との国交問題など。
 

今話題のマレーシア。いったいどんな国?

ただ僕はマレーシアに住んでいて、世界がより良くなるためのヒントがあるのではないかと感じている。
それは前述したような生き方の多様性がそこかしこに感じられるからだと思う。
テクノロジーの発展で人類の役割が急激に変わりつつある。特に「教育」や「働く」という分野においてはソフトな部分(内容)に話しが終始しているが、すでに概念自体が現代社会にフィットしていないのではないか。
そういった日常生活で感じる小さな変化に対して僕たちは自分たちなりに考え行動することが大切だ。

さあ、そんな世界をどう生きていこうか。
 

今話題のマレーシア。いったいどんな国?

Posted by 石川 徳仁

石川 徳仁

▷記事一覧

Norihito Ishikawa
起業家・書道家。愛知県生まれ。法政大学経済学部卒業。2012年家族でクアラルンプールに拠点を移す。アート、クリエイティブ、テクノロジー、哲学など興味の幅が広く、「一人一人がより個性の生きる社会の実現」をミッションとし数社の経営をしながら書道家としても活動中。クアラルンプールのIsetan The Japan Store内にて書道教室を週2回開催。2010年 東久邇宮文化褒賞受賞