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極私的 オランダの美しい駅舎3選 Posted on 2017/11/26 まきの ななこ ライフスタイルキュレーター アムステルダム

オランダは国土的にはさほど大きいわけではなく、九州と同じくらい、むしろ小さい部類に属します。しかしながら北と西は北海に面し、南はベルギー、東はドイツと国境を接することなどから、昔からヨーロッパの交通の要として栄えて来ました。
世界有数の貿易量を誇る港を有し、小さい国土に隈なく配された鉄道網は、主要都市間を10分刻みで結んでいます。様々な行き先を掲げ、ひっきりなしに発車する列車を眺めるのは、陸続きのヨーロッパを実感する時でもあります。

今回はそんな鉄道の旅をさらに盛り上げる、美しいデザインの駅舎を3つほどご紹介したいと思います。

まずは湾港都市ロッテルダム。
人口で見るとアムステルダムに次ぐ第二の都市であるこの街は、”オランダのマンハッタン”とも呼ばれ、斬新なデザインの高層ビルも立ち並びます。
 

極私的 オランダの美しい駅舎3選

そんな街にふさわしく、美しい流線型が目を引く駅舎もかなり尖っています(笑)。
改札を抜けると一番高いところで30メートルあるというホールを風が吹き抜け、全面ガラス張りのメインエントランスからはロッテルダムの街を一望することができます。

サッカーコートほどの広さにわたり組み込まれた屋上の太陽光パネルは、構内で消費されるエネルギーを還元するメリットと共に、どんより空模様の多い街に自然光をふんだんに取り入れることが出来るという、なんとも一石二鳥な屋根でもあります。
もちろん地下が巨大な自転車置き場になっていることは、言わずもがなです。

ロッテルダムは戦争の際に大きな被害を受けたことから、戦後、近代的な街並みが再建され、結果、オランダの中でもユニークな建築物が多々存在し、世界で活躍する建築家も多く輩出しているそうで、街を歩くと至る所で建築ツアーにも巡り会います。
港街のまた違った表情に出会えるのも魅力ですね。



お次は、オランダの由緒ただしき首都、デン・ハーグ。
国際司法裁判所やマウリッツハイス美術館があるところ、と言った方が親しみがわく方も多いでしょうか。
 

極私的 オランダの美しい駅舎3選

完成ほやほやのこちらの駅舎で一際印象的なのは、やはり天井一面に敷き詰められたダイヤモンド型のパネル。気候の変動によって自動的に開閉されるとのことで、なんだかSFさながらのシェルター内にいるかのような体裁です。
 

極私的 オランダの美しい駅舎3選

歴史ある街に近未来な駅舎という組み合わせもなかなか粋な感じです。
著者の写真の腕前が悪く、この美しい体験をお伝えしきれないのが、なんとも心苦しい限りでございます(笑)。

そして3つ目。トリを飾るのは、何と言っても我が街、アムステルダムの中央駅。
 

極私的 オランダの美しい駅舎3選

極私的 オランダの美しい駅舎3選

ネオゴシックとネオルネッサンスを融合させたという駅舎は、アムステルダム国立美術館と同じ建築家カイペルスによるもので、駅舎の正面にそびえる2本の塔の東側には時計が、西側には風向計が取り付けられています。
赤煉瓦づくりのせいか、少し日本の東京駅を偲ばせるその容貌は、ノスタルジーを感じさせつつ、なんともエレガント。

どこの国とも違わず、大都市の中央駅ということで、毎日毎日、多くの人、モノ、列車が絶え間なく行き交う場所なわけですが、いったん中に入ると意外とひっそりした雰囲気です。発車の際のアナウンスやアラームなどが一切無いのもその一因かも知れませんが、特に移動のためでなくとも訪れたくなる、そんな和やかな感じの中央駅です。
 

極私的 オランダの美しい駅舎3選

極私的 オランダの美しい駅舎3選

今回は私の独断と偏見で以上3点の駅舎たちをご紹介しましたが、オランダやヨーロッパにはこの他にも特徴のあるユニークな駅舎が多々あります。

これで駅弁があれば最高!なのですが(笑)、皆さんも機会がありましたら、ぜひ列車の旅を楽しまれ、ご自身のお気に入りの駅を見つけてみてはいかがでしょう。
ニュースでは世界中どこへでも30分で旅する時代がやってくるなどと聞く世の中ですが、車窓の旅にしかない喜びや発見もまだまだ嬉しいものですね。
 

極私的 オランダの美しい駅舎3選

 



Posted by まきの ななこ

まきの ななこ

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Nanako Makino
ライフスタイルキュレーター。シカゴ、東京、モスクワ、ロンドン、、、一期一会に生かされて。新しいホテルやブランドなどの立ち上げに携わりながら様々な都市を巡り、2014年よりアムステルダム在住。オランダ語見習い中。放浪癖あり。