PANORAMA STORIES

1615年創業、パリ最古のマルシェに迫る Posted on 2023/11/11 ルイヤール 聖子 ライター パリ

 
アート、グルメ、ファッションが交差するパリのマレ地区に、歴史の古いマルシェ(市場)があります。
建てられたのはなんと1615年で、今年で408歳を迎えるそうです。
 

1615年創業、パリ最古のマルシェに迫る

※赤い文字がトレードマークの「マルシェ デ アンファン ルージュ(Marché des Enfants Rouges)」。パリ最古のマルシェです。

 
1615年といえば、日本では江戸幕府開府から12年、徳川家康が生きた時代でした。
この400年のあいだではフランスでも歴史的な事件が起こりましたが、あらゆる革命にも耐え、生き残ったのがマルシェ デ アンファン ルージュです。
 

1615年創業、パリ最古のマルシェに迫る

※当時の様子を描いた絵画。現在も同じ場所にお花屋さんがあります。



 
4世紀にもわたってパリジャンの台所を支えてきた、マルシェ デ アンファン ルージュ。
ここは雨でも雪でも濡れずにお買い物ができる、屋根つきの市場となります。
しかし規模はそれほど大きくないので、観光や休日のお出かけにちょうど良い広さかなと思います。
胃袋にも足腰にも優しいサイズです。
 

1615年創業、パリ最古のマルシェに迫る

 
ちょっと時間がかかるとすれば、ぎっしりと並んだ屋台コーナーでしょうか。
というのも、同じマルシェ内には色んな国の料理が味わえる「イートインコーナー」があって、あれも食べたい、これも食べてみたい、 とグルグル悩んでしまう・・・ためです。
 

1615年創業、パリ最古のマルシェに迫る



 
マルシェ内では、お肉屋さんの一品料理、フランス料理のプチビストロ、ワインバー、イタリアン、レバノン料理、モロッコ料理、ハンバーガー、ベジタリアン、日本のお弁当、など、パリらしい多国籍料理が並んでいます。
 

1615年創業、パリ最古のマルシェに迫る

※イタリアンコーナー。

1615年創業、パリ最古のマルシェに迫る

※レバノン料理。

1615年創業、パリ最古のマルシェに迫る

※BIOジュースのお店。



 
しかしお店を決めて入れば、そこからが早いです。
フランスの店員さんは「呼ぶ」より「待つ」といった感じですが、こちらでは市場らしく、スピード感にあふれた店員さんが対応してくれます。
 

1615年創業、パリ最古のマルシェに迫る

※イタリア語の飛び交うイタリアンコーナー、前菜盛り合わせ。今のおすすめはトリュフのパスタだそうです。

 
雰囲気も気さくで親しみやすく、レストランよりは人との距離がぐっと近くなったような気がしました。
 



 
こうして距離が近いためか、パリらしい多様性にあふれているためか、マルシェ デ アンファン ルージュでは歴史というより「今らしさ」を感じます。

歴史的なもの、伝統あるものの多くは、心からちょっと遠いところ、非日常なところにあると思います。
しかしこちらのマルシェはそうした雰囲気が皆無で、「パリの今」や「日常の風景」がしっかりと映し出されています。
 

1615年創業、パリ最古のマルシェに迫る

 
もちろん、マルシェ デ アンファン ルージュは歴史的建造物に指定されていますので、建物自体は大変に歴史深いものです。
400年前に始まったマルシェがそのまま続いている、というのもすごいことです。
そんな非日常な場所で、しっかりとした日常を味わえるのが、パリ最古の「マルシェ デ アンファン ルージュ」です。
 

自分流×帝京大学



Posted by ルイヤール 聖子

ルイヤール 聖子

▷記事一覧

2018年渡仏。パリのディープな情報を発信。
猫と香りとアルザスの白ワインが好き。