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London Music Life「ロンドナーとともに進化するJ-ROCK+三味線が熱い!」 Posted on 2024/12/04 鈴木 みか 会社員 ロンドン

 
ロンドンには日本文化に興味を持つ人々が多い。ライブハウスで出会う人々の多くも、日本の話題を楽しそうに語り、訪れた経験やいつか行ってみたいという思いを共有してくれる。興味のきっかけはさまざまだが、特に食事やアニメが代表的だろう。そして、近年、注目を集めているのが和楽器のコンサートだ。中でも三味線は、その親しみやすい外見と独特な音色から、若者にも人気だ。音楽好きなら「SHAMISEN」という名前だけで通じるほど、知名度も高くなってきた。

ロンドンで三味線と言えば、一川響(いちかわ・ひびき)さんの名が真っ先に挙がる。響さんは、津軽三味線をイギリスに広めている第一人者であり、大使館や日本関連の文化イベント、フェスティバルなどでその演奏を披露してきた。その活動はロンドンだけにとどまらず、ヨーロッパ各地での日本文化イベントにも広がっている。
 

London Music Life「ロンドナーとともに進化するJ-ROCK+三味線が熱い!」



 
響さんの魅力は、その卓越した技術に加え、若い世代を育てる指導者としての情熱にもある。彼のもとで学ぶロンドンの若者たちは、伝統的な技術を習得するだけでなく、自らの音楽性を加え、独自の作品を生み出している。例えば、エレクトロ音楽に三味線を合わせる少女「アレッサンドラ」や、ギターや太鼓と合わせた演奏スタイルのデュオ「DENSHONEN」など、彼は教え子たちの創作活動のサポートを通じて、三味線の可能性をさらに広げ、ファンを増やしているのだ。
 

London Music Life「ロンドナーとともに進化するJ-ROCK+三味線が熱い!」

 
響さん自身も、伝統にとらわれないスタイルを取り入れている。彼のコンサートでは、和楽器の枠を超え、ロック、フュージョン、テクノなどの要素を取り入れた楽曲が披露されることもあり、そのグルーブ感あふれる音楽がライブハウスの観客を熱狂させる。
 



 
先日、イズリントンのHope & Anchorというライブハウスで行われたJ-ROCKライブでの一川響さんの演奏は圧巻だった。アコースティックギターやドラムの伴奏とともに、日本の民謡をアレンジした爽快なロックナンバーを披露。さらに、テンポの速いエレクトロ調の曲、秋の風情を感じさせるゆったりとしたオリジナル曲と、様々なスタイルの演奏で観客を完全に引き込んでいた。私自身、響さんのライブを何度も観ているが、彼の穏やかな雰囲気とは裏腹に、毎回新しい挑戦を続ける姿勢に心を掴まれた。
 

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そして、もう一人注目したいのがウェールズ出身のジェロ(JERO11)君だ。日本のメタルロックに情熱を注ぐ彼は、イギリスのコミコン(アニメ系のイベント)などにも多数出演しているが、三味線が好きすぎて、ついにはエレキ三味線を自作してしまったという。彼の演奏は、日本のポップスや民謡をメタル調にアレンジしたユニークなスタイルだ。ライブハウスでは、エレキ三味線+メタル調の音楽に合わせて「ソーラン!ソーラン!」「ドッコイショー!ドッコイショー!」と太い掛け声と拳を上げる観客の姿が見られる。その光景は、日本人の私にとっても衝撃的で、思わず新しい世界に足を踏み入れたような感覚を覚えた。
 

London Music Life「ロンドナーとともに進化するJ-ROCK+三味線が熱い!」



 
ジェロ君は、演奏だけでなくJ-ROCKライブのオーガナイザーとしても活躍している。彼が手がけるイベントはいつも満員で、観客を盛り上げるトークも絶妙だ。私の統計上、メタルロックのギタリストは激しい演奏とは反対に好青年なことが多いのだが、彼も例外ではない。

ライブ会場を見渡すと、観客の8割以上が日本人ではない多国籍な人々だ。ロンドンという自由な環境の中で、三味線は伝統的なイメージを超え、ロックやダンスミュージックと融合し、新たな進化を遂げている。今もなお、アンダーグラウンドな雰囲気を残しつつ、独自の魅力を放つ三味線の世界。これからも目が離せない。
 

London Music Life「ロンドナーとともに進化するJ-ROCK+三味線が熱い!」

 
響さんもジェロ君も、ロンドンを拠点に活動しながら、日本でも時折演奏を披露している。インスタグラムなどで彼らの動向を追えば、進化を続けるロンドン発の三味線サウンドを直接体感できる、貴重な機会に出会えるかもしれない。
 

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Posted by 鈴木 みか

鈴木 みか

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会社員、元サウンドエンジニア。2017年よりロンドン在住。ライブ音楽が大好きで、インディペンデントミュージシャンやイベントのサポートもしている。