PANORAMA STORIES

q.b.レシピのないレシピ帳~続・茄子のオイル漬け~ Posted on 2021/11/27 八重樫 圭輔 シェフ イタリア・イスキア

q.b.レシピのないレシピ帳~続・茄子のオイル漬け~

クリスマスまでひと月を切り、静かな街もそわそわと動き出してきました。この時期のイスキア島は雨が多く、休日でも外出できず家で過ごすこともしばしばです。降りしきる雨の中、傘をさして買い物に行くのが億劫になることが、皆さんもあるのではないでしょうか。
インスタント食品や便利な出前という手もありますが、そんな時に重宝するのが保存食です。前回はイタリアの代表的な保存食のひとつ、ナスのオイル漬けをご紹介しましたが、今回はそれを使った簡単なレシピをいくつか見てみましょう。

まず、前回のナスのオイル漬けの復習をしてみてください。
レシピなどは、こちらから・・・。↓
https://www.designstoriesinc.com/panorama/keisuke_yaegashi18-2/

※タイトルのq.b.とは適量を意味するイタリア語quanto basta(クワント バスタ)の略です。細かいことは気にせず臨機応変に、あなたなりのレシピにして頂けたらという思いを込めて。

q.b.レシピのないレシピ帳~続・茄子のオイル漬け~

地球カレッジ

まずはこれ以上ないくらい簡単なブルスケッタからです。

<ブルスケッタ>
○材料 
★パン ★パルミジャーノチーズ ★ナスのオイル漬け

フランスパンなどお好みのパンをトーストし、スライスしたパルミジャーノとナスをのせるだけ!このナスは肉の付け合わせや前菜に添えられたりすることが多いですが、こうしてブルスケッタにするとワインのお供にも最適です。今回はオーソドックスなトマトのブルスケッタ、無花果のジャムと生ハムとブッラータチーズのブルスケッタと共に。こうしてチーズやハムと盛り合わせるとちょっとお洒落に見えませんか?“○○県産ナスの自家製オイル漬けブルスケッタ パルミジャーノチーズを添えて”なんて名前を付けると気分は銀座のレストラン。行ったことが無いのでイメージですけどね。さあ、次です。

q.b.レシピのないレシピ帳~続・茄子のオイル漬け~



<エンダイブのサラダ>
○材料  
★エンダイブ ★玉ねぎ(あれば新玉ねぎ)
★トマトq.b.(適量)
★ツナ1缶(無くても可)★ナスのオイル漬け(スプーン2杯ほど。好みで加減)

エンダイブは食べやすい大きさにちぎって洗い、水気をよく切ります。ボールに入れてスライスした玉ねぎ、トマト、ナスのオイル漬けを加えて塩、ワインビネガー少々、オリーブオイルで味付けします。ポイントはここで手でしっかりと混ぜることです。エンダイブに味が染み込みます。最後にツナをのせて出来上がり。さっぱりとした、肉料理にもピッタリなサラダです。エンダイブではなくても様々なサラダに加える事ができます。ぜひ皆さんのオリジナルサラダを作って僕にも教えて下さい!次はパニーノです。

q.b.レシピのないレシピ帳~続・茄子のオイル漬け~



<パニーノ(パンに好きな具材を挟んだもの)>
材料としても良く使われるこのナスですが、ここではほんの一例を。
○材料 
★サラミ(または他のハム類)★トマト
★サラダ菜(レタスやルーコラでも)
★好みのチーズ★ナスのオイル漬け

ナスの酸味がアクセントになっていて、子供たちにも好評なパニーノです。簡単なランチにはもちろん、春の行楽シーズンになってから作ってみても良いですね。



q.b.レシピのないレシピ帳~続・茄子のオイル漬け~

さて、今回の写真撮影中に奇遇にもご近所からナス料理のおすそ分けがありました!
嬉しくてつい口ずさんでしまいます♪ナスナスナスナス ココッナース♪
以前に記事で紹介したことがあるコッパ農園のカルメリーナさんからで、我が家ももちろんここからナスを買っています。簡単に作り方を聞いたので書いておきますね。

ナスは皮をむいて縦に4~6つ割りにし、オーブンシートを敷いた天板に並べ200℃で20~25分焼く。塩、オリーブオイル、ニンニク、ミント、パセリで味付けし、パプリカを適量切って混ぜ合わせる。お皿などで軽く重しをして2時間ほどおいてから食べる。

さっぱりとした大人の味で、まさに普段着の食卓に上る本当のイタリア料理ですね。
さて、最後はパスタです!

q.b.レシピのないレシピ帳~続・茄子のオイル漬け~

<ナスのオイル漬けのパスタ>
○材料(1人分)
★パスタ(ペンネなど)80g ★パンチェッタ(ベーコンなど)25g
★ナスのオイル漬け スプーン1杯程 
★ニンニク、トウガラシ、バジルq.b.
★トマト中1個(または同程度のミニトマト)★パルミジャーノq.b.

○作り方
①フライパンにオリーブオイルをひいて、みじん切りにしたニンニクとパンチェッタを弱火~中火で炒めます。トウガラシはお好みで。パスタを茹で始めます。

②ナスのオイル漬けを加え軽く炒めたら、トマトを入れて強火にします。
ソース状になったらパスタのゆで汁を加えつつ中火で煮ます。普通のトマト系のパスタよりトマトが少ないので、ゆで汁でのばす感じです。ゆで汁はお玉1杯程度取っておきます。

③アルデンテに茹でたパスタをフライパンに入れて全体を合わせたら、パルミジャーノとバジルを加え、よく混ぜて出来上がりです。トロっとした仕上がりになりますが、もしパサついてるようでしたら、とっておいたゆで汁を足します。お皿に盛り、好みでさらにパルミジャーノをかけましょう。

q.b.レシピのないレシピ帳~続・茄子のオイル漬け~

1人のランチや夕食時にも気軽に作れるので、材料はあえて1人分で記しました。

さて、いくつかのレシピをご紹介しましたが、いかがでしたか?我が家では去年作った物の、最後のひと瓶を開けたところです。あれからもう1年か、なんて色々回想したりして。今年は自家用に4㎏分の茄子で仕込みました。味と共に、作った頃の思い出もタイムカプセルのように閉じ込めて、もう少し棚の奥で眠らせておこうと思います。
実際に作ったという方も、1週間もすれば食べられますが、もちろんもっと休ませておいても構いません。型にとらわれず自分なりの使い方も開発してみて下さいね。
それではまた、普段着の食卓でお会いしましょう。



自分流×帝京大学

Posted by 八重樫 圭輔

八重樫 圭輔

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Keisuke Yaegashi
シェフ。函館市生まれ。大学在学中に料理人になることを決め、2000年に渡伊。現在は家族とともにイスキア島に在住。