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秋を味わう「いちじくの白和え」 Posted on 2024/10/21 KAORU フードアーティスト 

秋を味わう「いちじくの白和え」

白和えは、古くは和え衣に白味噌を多く使って作られていた濃厚な豆腐お料理だったようだが、現代の白和えは軽く滑らかな衣が、旬のお野菜や果物の引き立て役になっているようなお料理だなと思う。 それこそ、西洋のサラダと同じような感覚で食べてられている気がする。
白の色を大切にするため元々白醤油を使って作られていたところとか、色の邪魔をせずに食感を加えるため元々入れていた具材はこんにゃくだけだったとか(精進料理の観点からも)コンセプト的にも好みなお料理だ。

秋を味わう「いちじくの白和え」

白和を作る時、以前は和え衣にマスカルポーネや白味噌を少し加えてコクを足したりひねりをきかせたりしていたけれど、ここのところはなんだかいろんなものを削ぎ落としていきたいような気分。伝統的な豆腐料理とモダンなサラダのちょうどいい塩梅をねらってレシピを見直してみた。それから、ここのところ果肉がパン!と張った美味しそうないちじくをたくさん見かけるので、ぎゅっと詰まったとろけるようないちじくを使って白和えを作りたいと思った。



秋を味わう「いちじくの白和え」

秋を味わう「いちじくの白和え」

秋を味わう「いちじくの白和え」

◾️材料 (3〜4人前)
いちじく 250g分 (約3〜4個分)
カシューナッツ、くるみなどのナッツ 20g分
和え衣
絹ごし豆腐  300g 
ねりごま 大さじ1
きび砂糖 大さじ1
薄口醤油 小さじ1
ごま油 小さじ 1/2
塩 ひとつまみ(味見しながら調整)

◾️作り方
中くらいのバットにキッチンペーパーを3、4枚重ねてしき、絹ごし豆腐をのせ、キッチンペーパーをさらに3、4枚重ねたら同じくらいの大きさのバットをのせる
安定するように重しをのせて豆腐の水分を抜く。時間があれば冷蔵庫で一晩おくとよい(時間がなければ1時間でもいい)
すり鉢に水切りした豆腐、いちじく以外の材料を全て入れよくすり混ぜる
いちじく1個を除いて残りのいちじくの皮をむき、全てくし切りにしたら②の衣で皮をむいた分だけふんわりと和える
白和えを器に盛り付け、砕いたナッツと皮付きのいちじくをのせて完成

秋を味わう「いちじくの白和え」

秋を味わう「いちじくの白和え」

とても柔らかい絹豆腐を使ったのでぺたんこになった



秋を味わう「いちじくの白和え」

秋を味わう「いちじくの白和え」

秋を味わう「いちじくの白和え」

秋を味わう「いちじくの白和え」



秋を味わう「いちじくの白和え」

秋を味わう「いちじくの白和え」

秋を味わう「いちじくの白和え」

すり鉢がない場合は、②の工程をボウルの中で泡立て器を使って混ぜ合わせるのがおすすめ。
簡易的にミキサーで混ぜるやり方もあって、この作り方の場合とってもクリーミーな仕上がりになるけれど、個人的には「お豆腐のお料理を食べてる感」を感じられるすり鉢式、またはボウル+泡立て器で根気よく混ぜ合わせる式がけっこういい気がする。

秋を味わう「いちじくの白和え」

ミキサーを使って和え衣を作るとこれくらいクリーミーな仕上がりになる

秋を味わう「いちじくの白和え」

とろけるいちじくの食感を引き立てるナッツ(カシューとくるみがおすすめ)



秋を味わう「いちじくの白和え」

左がすり鉢で作ったもの、右がミキサーを使ったもの

秋を味わう「いちじくの白和え」

ポイントは完熟に近いが柔らかすぎないいちじくを使うこと、衣で和える時に優しく全体をすくうように混ぜること。

秋を味わう「いちじくの白和え」

白和えは水分が出るので和えたらすぐに食するのがおすすめだけれど、一晩しっかり水分を抜いたお豆腐を使えば、このレシピは次の日もよりクリーミーでねっとりとした白和になって美味しい。もうそろそろ旬の終わりに近づいてきているいちじく、スーパーなどで見かけたらぜひお試しあれ。いちじくの季節が過ぎてしまったら、柿もおすすめだ。

秋を味わう「いちじくの白和え」



Posted by KAORU

フードスタイリスト/ディレクター、レシピ開発者、雑誌「七味」編集長。企業やブランドなどのレシピ制作のほか、連載コラムの執筆、ファッションブランドとのコラボレーション、国内外での個展開催など、アーティストとしても幅広く活動している。