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秋のパリで新しいデザインは生まれる! Posted on 2018/10/11 エルンスト 順子 ビジネスコーディネーター パリ

毎秋恒例のファッションの祭典”パリコレ”が終わったパリ。秋のパリはファッションだけに限らず、さまざまな展示会シーズンであることをご存知でしょうか。
長い夏休みを終えるとデザイン業界も秋冬の企画で大忙しになります。日本の商品の販売を開拓している私にとっても一年で一番忙しい季節。
 

秋のパリで新しいデザインは生まれる!

秋のパリで新しいデザインは生まれる!

デザイン業界の展示会で代表的なものは、9月に行われた来年25年目を迎えるインテリア業界のパリコレ「メゾン・エ・オブジェ」です。メゾン・エ・オブジェは世界中からインテリアに携わる人が集まり、新商品をお披露目する場所。活発な成約が飛び交うその5日間は、パリの華やかさとトレンド発信力が際立ちます。日本ではこの展示会に出展することそのものが日本国内のブランド力を高めるとも言われており、年に2回(9月と1月)、沢山の日本企業がこの展示会に出展し欧州販路拡大の成果を出しています。

メゾン・エ・オブジェとリンクして毎回開催されるもう一つのイベントが「パリ・デザインウイーク」。
毎年メゾン・エ・オブジェと同時期にパリ市内のブティック、国立美術館、企業、ギャラリー、ブックセンター、学校、カフェなど至る所で開催される「デザインの祭典」です。今年の参加企業は200社ほどでした。
 

秋のパリで新しいデザインは生まれる!

秋のパリで新しいデザインは生まれる!

新鋭クリエイターから大御所デザイナーが揃ってパリの街中でとびきりのデザインのお披露目、セミナー、新作展示会などの発表を行います。
有名なロンドン、ミラノのデザインウイークは街全体がインスタレーションデザインに溢れ、一般市民がアートを感じ、触れる1週間になっているのに比べると、パリの規模はまだまだ小さいものですが・・・。しかし、よく見回すと、普段では実現できない異業種とのコラボレーションが開催されていたり、メゾン・エ・オブジェでお披露目されたオブジェが次のステップに進み、新しい見せ方や使い方をお披露目していたり。
私の中でこの2つの展示会期間はデザインやオブジェの可能性を目一杯に感じられる、とても豊かな期間となります。

今年のメゾン・エ・オブジェとデザインウイーク、この二つの展示会に私のクライアントの日本企業も参加しました。その出展方法は、企業単独の出展ではなくパリにある異素材会社とのコラボレーション。揃った素材は純度の高いアクリル板資材、不燃加工の装飾壁紙資材と、空間装飾ツール、壁用の大きなマスキング和紙テープ、床専用の半硬質テープ。

顧客層もブランドコンセプトも異なる3社がどのような響き合いを見せるのか? 
テーマは ”OPLICITY” 。OPTIC COMPLICITYの造語で、「視覚の共謀」とでも言いましょうか。夏休み前から何度もディスカッションを重ねて来ました。
 

秋のパリで新しいデザインは生まれる!

秋のパリで新しいデザインは生まれる!

3社(アクリル、紙、粘着テープ)の全く異なるマテリアルが重なりあい、響き合う美しさ。

 
 
和紙の透け感、アクリルの透明度、デザインカットされた紙の動き。色や素材を各々が引き立て合い、それぞれの商品に奥行きを生み出すことに成功。
芸術の秋、セノグラフィの魔法がかかりました。

明らかに違うセクターへのアプローチが広がり、単独では成し得なかった結果が生まれました。これまでにない新しい出展方法に挑戦した3社は「新たなの顧客層の広がり」を獲得。
 

秋のパリで新しいデザインは生まれる!

日本の商品をパリで販売することと同時に、このパリで、日本生まれの商品の新しい使い方や価値を見つけ出すこともしばしば。このコラボレーションを通してパリで生まれる日本の商品の魅力と使い方を学びました。
展示会は刺激を与え合う場所。こうやって新しいデザインは生まれているのです。
 

 
 

Posted by エルンスト 順子

エルンスト 順子

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Junko Ernst
ビジネスコーディネーター。神奈川県生まれ。2006年より渡仏。欧州販路開拓 エージェント JPLUG-IN(ジェイプラグイン)代表。フランス、べルギー、イギリスの室内装飾展示会の現地窓口、ブース専門施工、グラフィック、会場通訳、オーダ成約、欧州窓口 のトータルサポート。販売代理店契約、輸出アドヴァイザリー、パリブランディングプロモーションなども加え新しい欧州マーケットを開拓している。