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台北の名店「大三元酒樓」がミシュラン一つ星を獲得、福岡に! Posted on 2018/03/27 辻 仁成 作家 パリ
昨年、台湾特集で辻仁成おすすめの名店として紹介した台北のレストラン「大三元酒樓」が本年度のミシュラン一つ星に輝きました。
あの台湾旅行のあと、店主のチャールズとは親しくなり、福岡・ 台湾ドラマ「忘れてしまう前に想い出してほしい」のキャスティングにも大いに活躍してもらいました。台湾の数少ない友人の一人なので、大三元がミシュランを獲得したことが嬉しくてなりません。
そして、チャールズは大三元をスタッフに任せて、な、なんと娘さんと二人で福岡に移住してきたのです。そして、ソラリアプラザ内に飲茶の店をオープン!
このご縁をなんといっていいのでしょうね。まずは祝開店、祝ミシュランということでDSで改めてご紹介したいと思います。前回の記事からまずは再読ください。
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大学教授に連れていかれた台湾の老舗レストラン、「大三元酒樓」。
三代目が私たちを笑顔で出迎えてくれた。
大人気のこの名店、三階建てだったが、満席であった。期待しないわけはないが、けれども、三ツ星店への期待とは異なる。台湾の伝統料理への期待を胸に乗り込んでみたが、一気に裏切られた。
フレンチに負けないクオリティ、ゴージャスで、どれもジューシー。濃厚なふかひれスープにはじまり、肉厚な北京ダック「大三元烤鴨」。
パパイヤのグラタンはマヨネーズ風味の魚介がパパイヤと絶妙なハーモニーを奏でる。古き良き台湾に新しく斬新な台湾が加わったようなフルコースを堪能した。
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さて、博多に昨年11月にオープンしたばかりの飲茶の店にはまだ行ってないのですが、「体にいいヘルシーな創作中華」がコンセプトの本店から、ベテランシェフが来日して料理を担当しています。たぶん、ぼくがご挨拶をした方かな? 凄腕シェフとしてチャールズがもっとも信頼している、と豪語しておりました。
そのシェフが作る飲茶とは? 驚くのはその安さ、と完成度。メニューを覗いてみましょう。
「海老餃子」(480円)「キムチシュウマイ」(450円)、「ネギと豚肉の焼きパイ」(450円)、そして、「9種の飲茶盛り合わせ」(1500円)は杏仁豆腐とのセット。
うーむ、美味そうだ! 話題の「ルーローハン」は350円で提供されています。むちゃくちゃ安くないですか? この金額でミシュラン一つ星の味を堪能できるんですからね。「タピオカミルクティー」(450円)は台湾紅茶・密香ウーロン茶・ジャスミン茶・ほうじ茶の4種の茶葉から選ぶことができるのだとか。
次回、福岡入りしたら真っ先に飛んでいく所存です。
そして、オーナーのチャールズからデザインストーリーズにメッセージが届いています。
「はーい、辻さん、お元気ですか? 同じシングルファザーのぼくも娘と福岡でなんとか楽しく暮らしています。日本が大好きで、ここまでやってきてしまいました。ミシュランの星は、50年近く味にこだわってきた大三元への最高な称賛です。これからもこの伝承を続けてガンバっていきます。辻さん、ぜひ、遊びに来てください、。本国に負けない味をしかもぐんと低価格でご提供しています。ぼくも毎日お店にいますからね!! 再会できるの楽しみにしています」
こりゃ、行くしかないですね。博多ライブのあとは「DAISANGEN 大三元 台湾飲茶」で打ち上げでしょうか?
チャールズ、大成功おめでとう。
DAISANGEN 大三元 台湾飲茶
福岡市中央区天神2-2-43 ソラリアプラザ地下2F
TEL:092-733-7328
営業時間:10:00〜 22:00
定休日:1月1日(月・祝)
Posted by 辻 仁成
辻 仁成
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作家。パリ在住。1989年に「ピアニシモ」ですばる文学賞を受賞、1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。ミュージシャン、映画監督、演出家など文学以外の分野にも幅広く活動。Design Stories主宰。