PANORAMA STORIES
日本とこんなに違う、フランスのティッシュとその使い方 Posted on 2023/05/31 ルイヤール 聖子 ライター パリ
フランスのポケットティッシュも、日本と様子が異なっています。
初めて見た時は「ナプキンがバッグから出てきた」と本当に思いました。
日本のティッシュと違って分厚く、頑丈で、四隅に模様まで入っています。
※右がノーマル、左がミントの香り付きティッシュ
それもそのはず、フランスのポケットティッシュはなんと4枚重ねです。(メーカーによっては3枚重ね)
つまり鼻をかんでも真ん中に穴が開きにくく、コーヒーをテーブルにこぼしても、エスプレッソくらいなら1、2枚で事足りるというメリットを含んでいます。
ただデメリットはその「硬さ」にあるでしょうか。
まるでキッチンペーパーや紙ナプキンのように硬く、風邪を引いた時などは絶対に鼻の下が擦りむけてしまいます。
ですがフランス人、ここでもやはり気にしていません。
花粉症が少ないという事情もあるのか、皮膚へのいたわりよりは緑色のミントティッシュで鼻をすうっとさせたい人が多いような気がします。
それからこれは箱ティッシュにもポケットティッシュにも言えることですが、彼らはどうやら、一度使ったティッシュを捨てないで再利用しているようです。
私はフランスの義理家族、そして道行くフランス人が鼻をかんだティッシュをそのままポケットに入れている瞬間を何度か目撃しました。
「汚い‥‥」と思いました。ですがやはりハンカチ感覚というか、物価が高いので勿体無いという精神がこちらでは根付いているのだと思います。
しかし数年こちらで過ごしていると、その勿体無い精神が移ってしまいます。
さすがに一度使ったものをポケットに入れることはありませんが、今では4分の1くらいにちぎって小分けにして、ちびちびと使うようになりました。
鼻の下が擦りむけるというデメリットを除けば、繊維が少ないので、メガネ拭きや皮脂吸収にも向いています。
またポケットティッシュはケースがシール付きなので、慣れさえすれば確かに便利です。
驚くのはフランス人の鼻をかむ「音」でしょうか。
これが大きくて、例えば公共交通機関でも皆さん人目をはばからず、思いっきりかんでいます。
フランスでは何かをすする、という行為がNGだったりします。
麺もスープも音を立てて食べるのはご法度なので、鼻をすするくらいなら思いっきりかんでスッキリしてしまえ、という考えなのでしょう。
それにしても大きいです。
箱ティッシュはポケットほど特殊ではないのですが、値段が高いですね。
日本のような4個パック5個パックというのはまず見かけないです。
バラ売りが基本で、一箱1.6〜2ユーロ(約220〜280円)はしてしまいます。
そのためホテルでも常備はされておらず、ティッシュはちょっとした貴重品のような扱いです。
ただ思ったのは、日本のように可愛いティッシュケースがこちらで売られていないこと。
そのため日本デザインのティッシュケース(箱用)をプレゼントしたところフランスの方にかなり喜ばれました。
こうした事情からも、フランスでは箱ティッシュより少し安価で便利なポケットティッシュを常備している家庭が多いです。
トイレットペーパーの値段も日本よりずっと高いのが特徴です。
最近はインフレでこちらの値段も上がっていると思います。
先日スーパーで見たところ、6ロール太巻きが7.3ユーロ(約1230円)もしました。これは手頃なワインより高いです。
質は日本とそれほど変わらないのですが、可愛い模様入りや香り付きなど、トイレットペーパーで遊び心があるのは日本の方だと思っています。
ただしキッチンペーパーだけは、フランス人は非常によく使います。
ありとあらゆる料理に使うほか、食事どきの間に合わせのナプキンだったりふきん用だったりと、さまざまな場面で登場しています。
価格は日本より少し安く、質はやはり分厚くて頑丈です。
そのせいか、キッチンペーパーホルダーはティッシュケースに比べて素敵なデザインが多く揃っています。
フランスにおけるティッシュは日本ほど使用頻度が高くなく、硬くて値段が張るというのが大まかな特徴です。
フランスの紙製品に慣れてはきましたが、日本の柔らかくて肌に優しいティッシュをとても懐かしく思っている次第です。
Posted by ルイヤール 聖子
ルイヤール 聖子
▷記事一覧2018年渡仏。パリのディープな情報を発信。
猫と香りとアルザスの白ワインが好き。