PANORAMA STORIES
日本とこんなに違う、フランスのインテリア事情 Posted on 2024/01/04 ルイヤール 聖子 ライター パリ
パリジャン、パリジェンヌのインテリア。
とても素敵です。
どこが素敵かというと、「古いものと新しいもののミックス具合」だと私は思います。
というのも、パリのアパルトマンはほとんどが築100年以上経っているため、リノベーションのセンスが抜群なのです。
修繕された建物はアンティーク家具とも相性が良く、その美意識・美学にはため息が漏れてしまうほど。
しかしながら、フランスには6800万もの人々が住んでいます。
パリ=フランス、ではありませんし、6800万人全員がアンティーク調に暮らしているという訳でもありません。
ではフランスのインテリア、実際にはどういったものがあって、フランス人は一体何を嫌い、何を好んでいるのでしょうか。
生身の人間目線でレポートしていきたいと思います。
リビング編です。
まずフランス家庭におけるソファの所持率は、100%以上だと感じています。
100%以上とは、長ソファ、プラスアルファに何かがある、という意味です。
これはフランスのホームパーティー文化によるものでしょう。
具体的には、長ソファの他に、一人掛けのソファやオットマンを所有している家庭がとても多い。(1人暮らしではそんなことはありません)
つまり家に人を招く回数の多いフランスでは、一人掛けソファはお客様(か猫ちゃん)のため、であったりするのです。
ソファのバリエーションも、豊富です。
ソファは一度買ったらそれほど買い替えるものではありませんが、それでもトレンドはあって、最近では背の低い、洗練されたデザインが人気とのことです。
アンティークは愛好家とそうでない人の二つに分かれるイメージがあります。
※クマさんで埋め尽くされた一人掛けソファ。
次に間接照明です。
フランス映画を観ていると、薄暗い部屋に間接照明がぽつんと置かれていて、ドラマティックな空間が映し出されています。
これは実は、ドラマティックを演出したいという訳ではなく(中にはそういう人もいるかもしれません)、薄い目の色が強い光に弱い、ということです。
「天井から吊るされた明るい照明を見ていると、頭が痛くなってくる」と周囲のフランス人は言います。
欧米の人々がサングラスを欠かさないのも、目を保護するためだったのですね。
明るすぎる部屋が頭痛をもたらす、ということで、我が家も暗くせざるを得ません。
どれくらいの暗さかというと、読書が辛くなってくるレベルです。
ですのでフランス人に叱られるポイントとしては、電気のつけっぱなし、水の出しっぱなしに続き、「明るくしすぎ」もあるのです。
※フランスは、間接照明のデザインと種類が素晴らしい。
そのような訳で、夜寝るときも雨戸を完全に閉めて、真っ暗闇で眠る人が多い。(カーテンはある所とない所があります)
朝日の光で優雅に目覚める、というよりは、けたたましいアラーム音でビクッ!となって起きる人がほとんどなのではないでしょうか。
それも暗闇の中で、です。
※一階はタイル張りのお宅も多く、冬は足元が寒い。
それからフランスのリビングには、ゴミ箱が置かれていないです。
一度、ホームパーティーにお呼ばれした私は、ゴミ箱を探してウロウロしていたことがありました。
そしてその経験は二度、三度と続きます。
出た答えは、「フランスの家庭にはゴミ箱がキッチンとバスルームにしか置かれていない」、でした。
なぜか?
回答は実にシンプルで、「お客様が来るリビングにゴミ箱があると美しくないから」なのだそうです。
ゴミ箱が気になりだしてからは色々なお宅で観察しましたが、結果はほとんど同じでした。
平均はキッチンに50Lサイズ、バスルームに10Lサイズのゴミ箱です。(蓋つき)
※観音開きの窓と、取っ手が素敵です。
インテリアにも個人の好みがあるので、一概には言えませんが、大まかな人間目線ですとこのような結果になりました。
次回からは外観編、キッチン編と、研究を続けていきたいと思います。
Posted by ルイヤール 聖子
ルイヤール 聖子
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猫と香りとアルザスの白ワインが好き。