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日本とこんなに違う、フランス人の驚き食習慣 Posted on 2024/02/01 ルイヤール 聖子 ライター パリ
各国でいろいろな特徴のある食習慣。
フランスにも思わず写真に収めたくなるような、興味深いしきたり・好みがたくさん存在しています。
食文化は時代に合わせて姿かたちを変えていきますが、今回述べるのは「フランスの日常」で見られる昔ながらの食習慣です。
日本人の目から見て、これはびっくり!と思ったものを4つ、集めてみました。
・体調の悪い時に食べるもの
風邪をひいた時、熱が出た時、なるべく消化に良いものを…と思うのはフランスでも同じのようです。
日本で真っ先に思い浮かぶのはお粥や柔らかいおうどんですね。
しかしフランスで勧められるのは、なんと「ハムにパスタ!」なのです。
とはいっても、ハムは生ではなくジャンボン・ブラン(白ハム)で、パスタはコキエット(小さなマカロニ)が一般的です。
コキエットは歯ごたえがなくなるまで長時間茹でて、家庭によってはクリームソースをのせる所もあるみたいです。
柔らかいコキエットは消化に良いようで、フランスでは病人食の鉄板とされています。
※その他、胃腸炎や扁桃炎にはコンポート・野菜スープ・ジャガイモのピュレなどが勧められます。
フランスの病人食は、高カロリーなものが多いイメージがあります。
どんなに体調が悪くても、食べ慣れた乳製品だけは欠かさない人も多いです。
フランス人の脂質への耐性はすごいなあ、と思っている次第ですが、病人食については他国の情報も大変気になっています。
・ピザはひとり一枚
ご覧ください。直径40センチはあるであろうLサイズのピザを、フランスの人たちはひとり一枚、ペロっと食べます。
ピザといえばシェアする食べ物、と思っていましたがシェア文化のないフランスです。
レストランでも家庭でもひとり一枚、分け合うことなく、それぞれに好きなトッピングのピザを抱えるように食べています。
「味に飽きたりしないか?」と訊いたら、「全然。簡単!」と答えが返ってきました。
たくさんのピザ・レストランがあるフランスなので、ピザも彼らの大好物のようです。
・牛の骨髄は特別な前菜
初めて見た時は「牛の骨髄」にギョッとしたものです。
食べ方は、骨髄のゼラチン部分をバゲットに塗り、塩コショウを振ってタルティーヌ風に。
ピクルスも欠かせません。
私は残念ながらライスプリン並みに苦手なのですが、フランス人にとっては牛の骨髄が伝統的な味なのだとか。
逆にフランス人がギョッとする日本の食べ物としては、佃煮、白子、いかの塩辛などがあるそうです。
昔から続く伝統食は国によって大きな違いがあるので、こちらも大変興味深い話題でした。
※フランスのお子様プレート。ハンバーグ(つなぎ無し)、マッシュポテト、オランジーナジュースとバゲット、アイスが付いていました。
・魅惑のバゲット、先端部分
フランス人が誇るバゲットは、先端の「カリカリ部分」の競争率がとても激しいです。
私などは固くて避けてしまうのですが、フランス人からは「何ともったいないことを」と言われます。
つまり一番美味しいのは先端であって、焼きたての、あのパリっとした感触がたまらないのだとフランス人(ほぼ全員)は話しています。
という訳で、パン屋さんで買った焼きたてのバゲットは誘惑でしかありません。
先端のないバゲットも、道を歩けば毎日というほどよく見かけます。
「フランス人はバゲットを買ったらすぐに端っこをかじる」
渡仏する前、失礼ながら私はこれをネタだと思っていました。
しかし来てみたら本当に多くて、パン屋付近ではこの光景に高確率で遭遇します。
(時間帯は18時~19時の間が一番多い)
フランス人が言うには、「仕事のあと晩御飯に出すバゲットを買うので、みんなお腹すいてる」そうです。
気持ちは分かりますが、日本人が道端で白飯を頬張るような感覚でしたので最初は特に驚きました。
しかし今ではすっかり慣れ、そんな光景も微笑ましいなと思っております。
Posted by ルイヤール 聖子
ルイヤール 聖子
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猫と香りとアルザスの白ワインが好き。