PANORAMA STORIES

フランスの4月は花でいっぱい!花とともにめぐる町々 Posted on 2025/04/22 ルイヤール 聖子 ライター パリ

 
パリの周辺では、枯れ木だった街路樹に、いつの間にか緑いっぱいの葉が茂るようになりました。暖かい太陽に起こされるように花も咲き始めていて、見ている私たちの気分まで明るく元気になります。
4月上旬には、フランスでも桜が満開になりました。日本の桜とは少し違った趣がありますが、真っ青な空にピンク色の花びらがとてもよく映えていて、写真に収める人も多かったようです。
 

フランスの4月は花でいっぱい!花とともにめぐる町々

※パリで見かけた桜



 
桜が散り始めると、今度は藤にバトンタッチ。フランスで藤がこれほど見事に咲くとは、恥ずかしながら渡仏するまでまったく知りませんでした。今となっては、藤の開花が「春でいちばん待ち遠しいこと」の一つになっています。
 

フランスの4月は花でいっぱい!花とともにめぐる町々

※藤はもしかしたら桜より多いかもしれません

 
フランスで春を代表する花といえば、先に挙げた二つが思い浮かびますが、4月にはそのほかにも可愛らしい花々がたくさん咲いてくれます。たとえば、ライラック。フランス語でリラ(Lilas)と呼ばれるこの花は、庭先や公園はもちろん、森の中でも自生しているたくましい存在です。
 

フランスの4月は花でいっぱい!花とともにめぐる町々

※庭先で見かけたライラック

 
ライラックはヨーロッパ生まれということもあり、原産地ならではのカラフルな色合いが楽しめます。その色は、純白、水色、濃い青、鮮やかなピンク、そして着物の色みたいに奥深い赤むらさきまで、実にさまざまです。ライラックが大好きというフランスの人も、実はひそかに多いように感じます。
先日訪れた公園では、セアノサス(別名カリフォルニアライラック)も満開を迎えていて、石けんのように清潔な香りが漂っていました。
 

フランスの4月は花でいっぱい!花とともにめぐる町々

※泡のようなふわっとした房が可愛いセアノサス。フランスでは庭木や垣根として人気があります



 
そんなキュートな春の花々を、フランスの町では花壇や道路沿いの生垣などに、積極的に植えている印象があります。パリやパリ郊外、そして地方の町も含めて、いまの花壇が一年のうちでいちばん綺麗なのではないでしょうか。それでは散歩中に出会った美しいフランスの花壇も、こちらでご紹介したいと思います。
 

フランスの4月は花でいっぱい!花とともにめぐる町々

※パリ郊外、セーヌ川沿いの町から

 
パリを流れるセーヌ川は、西へ向かって広く長く続いています。川沿いの町では遊歩道が整備されていて、道に沿ってたくさんの花壇や鉢植えが並ぶことも。その鉢植えには、パンジーの花がとても綺麗に咲いていました。実はこのパンジー、フランスの花壇では4月の主役ともいえる存在なのです。
 

フランスの4月は花でいっぱい!花とともにめぐる町々

※鉢植えの整備も自治体の公共事業で



 
別の町では、道路の生垣にポピーが咲いていました。茎がすっと細長く伸びていて、軽やかな印象のポピー。冬は殺伐としていたアスファルトの光景が、現在ではやさしく和らいだような気がしています。
 

フランスの4月は花でいっぱい!花とともにめぐる町々

フランスの4月は花でいっぱい!花とともにめぐる町々



 
ちなみに、フランスでは「花のある町・村ラベル」と呼ばれるコンクールがあります。1959年に始まった制度で、花々や緑あふれる生活環境を推進するために設立されました。コンクールにはすべての自治体が参加できて、取り組みの成果に応じて1つ〜4つの「花のマーク」が授与されます(最高は花4つ)。フランスではこのようにして、お花や緑が大切にされているのですね。
町の入口などで、写真のような「花のマーク」がついた看板を見かけたら、ぜひその証として注目してみてください!
 

フランスの4月は花でいっぱい!花とともにめぐる町々

※この町では4つ星ならぬ「4つ花」を獲得したようです

 
4月のフランスでは「薄着は禁物」とよく言われますが、春の訪れとともに新しい太陽を感じるのは、やはり格別です。グリーンの芽吹きもお花の開花も毎年繰り返されるものなのに、決して飽きることがありません。今のフランスは、散歩が本当に心地よい季節になりました。
 

フランスの4月は花でいっぱい!花とともにめぐる町々

自分流×帝京大学



Posted by ルイヤール 聖子

ルイヤール 聖子

▷記事一覧

2018年渡仏。パリのディープな情報を発信。
猫と香りとアルザスの白ワインが好き。