PANORAMA STORIES
斬新でラグジュアリーなレンタカーサービス、VIRTUOに乗ってみた! Posted on 2019/10/30 Design Stories
フランスでレンタカーといえば、日本のトヨタや日産レンタカーに匹敵する大手レンタカー会社AVIS、SIXT、EUROPCARなどが主流。だけど、15年ほど前、あるレンタカー会社で初めて車を借り、意気込んで南フランスの空港に降り立つと、予約していたはず(支払済)のオートマ車が無いと言われ、オートマ車がある違う支店(50kmも先)までタクシーで取りに行かされた経験があります。その時の対応はひどいもので、食い下がっていなければオートマ車がある支店を探してももらえなかったでしょう。二度とフランスでレンタカーなんてしない!と大憤慨したことを鮮明に覚えています・・・。
とはいえ、比較的車を持たないパリジャンにとっても、旅行者にとっても、レンタカーはとても便利。そして近頃、とっても新しいレンタカーサービス「VIRTUO」が話題になっています。
2016年、フランスでスタートした「VIRTUO」の特徴は、100%スマートフォン(無人)、24時間対応レンタカーだということ。今までのレンタカー会社より安いうえに、営業日や返却時間を気にすることもなく、しかも提供車種はMercedesA、新型Mercedes A、GLAと、高級感あるラインナップ。フランスはマニュエル車が一般的で、レンタカーもオートマ車は少なく割高だったのですが、VIRTUOはすべてオートマ車です。
それでは、どのような流れで車を借りるのでしょうか。
まず、VIRTUOのアプリをダウンロードし、登録します。登録には身分証明書と免許証の写真、そして本人確認のためのセルフィーを撮るというステップがあり、審査に通ったら予約可能。車種、場所(市内の屋内駐車場)、日時、保険の種類などを選ぶとレンタル料金が計算され、あとは予約ボタンをクリックするだけ。基本のレンタル料には走行距離150kmまで含まれており(追加可能)、レンタルの3時間前までキャンセル無料(空港の場合は24時間前)です。
予約の当日。SMSとメールで「予約時間が近づいてきました、〇〇駐車場の何階の、何番の位置にあるナンバー0000の車で、出口では左端の精算機に行くと自動でバーが上がります」など、レンタルに関する詳しい情報が送られてきます。鍵はなし。スマートフォンが車の鍵となります。
指定の駐車場で自分の借りる車を見つけたら(VIRTUOのコーナーがある)、まずは車とアプリをコネクトします。すると乗車前の点検項目がアプリに表示され、車についた傷を一箇所ずつ確認。点検項目に入ってない傷を見つけたら、その場で写真を撮り追加も可能。点検が終わったらアプリのアンロックボタンを押し、いよいよ車を解鍵、エンジンスタートボタンを押してレンタカー開始です。この時点で保証金として300ユーロがブロックされます。
そして、返却。こちらも簡単で、アプリの画面に走行距離とガソリンの量(何ℓ入っていたうちの何ℓ使用したかが一目瞭然)が表示されているので、使った分だけガゾリンを補充すればOK。同じ駐車場のVIRTUOコーナーに駐車し、アプリの返却ボタンをクリックしていくつかの質問項目に答え、駐車場の階と位置番号を入力して、忘れ物がないことを確認したらロックして、返却完了。24時間以内に車の点検を終え、レンタル完了と保証金返却メールが届きます。
レンタカー会社に並び、契約書にサインをしたりする時間も不必要。慣れれば自分の車を駐車場から出して、戻すのと同じくらいの時間でレンタカーをすることができます。値段は1日50〜80ユーロ(時期によって変動)ほど。一般的なレンタカー会社だと一番安いクラスの車の値段です。
若いフランス人2人がはじめたこの斬新なレンタカーサービス。世界中でこんなに旅をする人が増えているのにレンタカーサービスは全然発展していない!というところから、この100%デジタルなレンタカーサービスの構想を始めたのだとか。「VIRTUO」というネーミングは、”卓越した技量をもつ人、名人”などの意味を持つ「virtuose」という言葉から発想を得たのだそうです。貸す側借りる側、双方の信頼関係とスマートフォンの力で成り立つVIRTUO。現在、フランス、ドイツ、スペイン、イギリスの16都市で使用可能。どうやらスタートから3年足らずで莫大な投資をする会社も現れ、海外進出を含めどんどん成長していく兆しです。これから、レンタカーといえばVIRTUOの時代が来るのかもしれません!
Posted by Design Stories
Design Stories
▷記事一覧デザインストーリーズ編集部(Paris/Tokyo)。
パリ編集部からパリの情報を時々配信。