PANORAMA STORIES
三四郎合宿日記「やっとぼくは合宿になれてきた、そして、自信がついてきた」 Posted on 2022/07/17 三四郎 天使 パリ
ムッシュが言ってた「りんかんがっこう」の意味もだんだん、わかってきた。
毎日、ボクらは森に勉強にでかけ、そこで他の犬の生徒たちと(それはパリ中からやってくる大小さまざまな犬たち、数十匹の部隊)日中、みんなで森の学校(広場)ですごしている。
ボーべさんが校長先生で、彼女は女性だけど、めちゃ怖いんだー。
ジュリアとは対照的で、でも、パパしゃんよりもうんと細いし、身長はムッシュくらい小柄なんだけど、とにかく怒ると、みんな逃げ回る・・・。
どう、怖いかって、いつもポケットに手と突っ込んでいて、離れた場所から、お行儀のわるい犬めがけて、
「おーおーおー、おー」
と太い声で叫ぶんだよ。女の人なのに、太い声で、おー、がやばいよ。
最後の、「おー」はめっちゃでかいから、でも、なぜか、この叱り方にさからえる犬はいないんだ。
魔術というか、従順な犬のことをよく知りつくしているというか、絶対服従させるもの凄い権威のある人なんだよ。
ボクは滅多に叱られないけれど、フレンチブルドッグの悪戯っ子オレオなんか、「おーおーおー。おーーー」と怒鳴られっぱなし。
ガイコツくらいギスギスなのに、どこにあんぱパワーが宿っているのか、さっぱりわからないけど、あれは人間じゃない。ぼくはそう思っている。
もっと崇高な存在で、ぼくは恐れているよ。あの人に認められることが犬界でぼくが大人になる日なんだって、信じてもいる。
ジュリアもボーべさんには頭が上がらないから、パリの犬の神様みたいな人なんだよね。
「おーおーおー、おーーーー! さんしーー」
ひゃああああ。
ボク?
ボクはようやく、この犬の合宿にもなれてきた。
だって、ムッシュのもとを離れてもう2週間くらい経つんだもの、それにまだもう少しここにいないとならないみたいだし、ボクはボクなりにここでサバイバルして、頑張っているよ。
そうそう、ここに来た時、一番最初に仲良くなった柴犬のユメが昨日、家族の元に帰って行ったんだ。送別会っていうか、ぼくのドッグフードを少し食べてみたいというから、あげて、お別れをしといた。
とはいうけど、また、きっと、森で会えるね、と約束しあった。
実際、森にいくと、いつも懐かしい連中がいる。だから、寂しくはない。バカンスの度に飼い主たちはボーべさんや、ジュリアに預けていくから、というか、ジュリアたち、夏休みないんだよ。犬と過ごす森が楽しみでしょうがないんだって、観光とか興味ないって、言ってた。そんな人間がいるから、ムッシュは日本で仕事が出来ているってわけだ。ぼくはジュリアたちと森に行く毎日が好きだし、わんわん(ういんういん)だね。
ムッシュに会えないのは、寂しいけど、気持ちはまぎれる。
で、だんだん、このリズム感になれてきた。
今、ジュリアの家にはビーグル犬のスニとシーズーのグリがいる。毎日、3匹でジュリアの車に乗って森の学校に行ってる。それが相変わらずの日課だよ。
ハイキングにもすっかり慣れた。ちょっと苦手だった小川に入ることもできるようになった。凄いでしょ? ボクのような子犬でも泳ぐことが出来るんだ。ってか、パパしゃん、泳げたっけ?
今、フランスはカニキュール(猛暑)で、朝から晩まで、ボクのベロはだらりと垂れ下がっている。だって、超暑いんだもの。
ボクは黒い毛皮を着ているわけだから、そりゃあ、辛いっす。
暑くて暑くて、たまらない。
家にいるよりは、高木がおいしげる森の中にいる方が、圧倒的に涼しいんだ。
ジュリアは森に着くなり、「ほら、みんな、暑いから川に入りなさい!」って号令をかける。大型犬は、ジャンプして水しぶきあげながら、飛び込むけど、・・・最初はできなかったぁ。
でもある時、暑いし、みんなが泳ぐものだから、ボクも川に入ってみたよ。
そうしたら、水が心地よくて、暑さが癒されたんだ。それ以来、泳がないまでも、川岸で、水浴びをして遊んでいる、他の小型犬たちと・・・。
まだまだ、大型犬みたいに、ぐんぐん泳ぐのは怖いけれど、子犬は子犬なりの泳ぎ方で、岸辺で、楽しんでいるのです。
・・・という毎日で、だから、ご覧のように、暑さと運動の疲れで毎日帰りの車の中は爆睡なんだよね。起きたらジュリアのお家・・・。車にも慣れた!!!
安心しきって、他の犬たちにつっくいて寝ている。みんな仲間なんだ。だから、寂しくはないよ。でも、たまに、たまに、ムッシュにぎゅっとされてる夢を見る。
幸せな夢だけど、醒めるといないから、寂しくなる・・・。
※ 見て見て、こんなに安心しきって寝てるんだ。友だちなんだ、いい関係なんだよ。安心できるんだ。
スニとグリとボクは家に帰っても仲良しだよ。
寝る前はいつも3匹でゲームをしているんだ。
今日はボクが負けちゃって、スニとグリにくすぐられた。ゲームが終わったら、ジュリアのお部屋でスニとグリに囲まれて寝る。
ボクはまだ小さいからいつも真ん中なんだよ。(最近はベッドで寝かせてもらえないの。他の子が凄く焼きもちをやくみたいで・・・)
そうそう、今夜は新しいお友達がやってきたんだ。
ポメラニアンのプリュンヌ。女の子で、ボクよりうんと小さい。
飼い主と離れて寂しそうにしていたから、先輩のボクが慰めてあげることにしたよ。
ここは毎日涼しい森に仲間たちと行けるし、ジュリアは優しいし、ボーべさんは神様だけど、飼い主との生活とは全然違う、規律がある。そう、合宿なんだって。
合宿を通して、立派な犬になれるし、お友達もいっぱいできるし、自信がつくよ、・・・なんて話を新米のポメラニアンちゃんにしてあげたんだよ。えらいでしょ?
そういえば、今日はジュリアがボクを褒めてくれたんだ。
来た頃は他の犬と仲良くする方法が(加減が)わからなかったけれど、最近は他の犬とよく遊べるようになったからね。
「さんしー、君は、お兄ちゃんになったね」って言われた。嬉しかった。
いっぱい尻尾をふって、それにこたえたんだ。
ボクは自信がついた。ムッシュ、再会を楽しみにしておいてね、もう、家の中でピッピもポッポもしないよ。
ムッシュの横を凛々しく歩く、パリジャン犬になってるはずだから・・・
おしまい。わん♪
ムッシュにかわって、今日もボクがおしらせ。
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※ボクの大好きな場所だよ--。ゲームに負けてスニとグリにくすぐられてるボク。
Posted by 三四郎
三四郎
▷記事一覧2021年9月24日生まれ。ミニチュアダックスフント♂。ど田舎からパリの辻家にやってきた。趣味はボール遊び。車に乗るのがちょっと苦手。