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家庭フレンチの定番を「仔牛のポーピエットとレンズ豆の煮込み」 Posted on 2020/06/04 セギュール ちえみ(DS編集部) 料理好き パリ
フランスのお肉屋さんを覗くと、きれいに並べられたいろいろなお肉の横にフランス人の食卓に欠かせないお惣菜やすぐ調理できる状態まで準備された”肉料理のもと”が並んでいます。その中でも特にフランスらしいのが、「ポーピエット・ド・ヴォー(仔牛のポーピエット)」。ポーピエットとは、一般的に薄切りのお肉でひき肉のタネを包んで筒状にしたもののことを指し、オーブンで焼いたり、煮込みにして頂きます。
日本では仔牛がなかなか手に入らないと思いますので、豚ひき肉で詰め物を作って、それを鶏むね肉を薄く伸ばしたもので包み(1つ、7cmくらい)、タコ紐で巻いておけば、かなり近いものが出来上がります。
詰め物はハンバーグのタネのようなものですので、この場合は豚肉ひき肉をにんにくすり下ろし、顆粒ブイヨン、塩でしっかり目に味付けし、パセリみじん切りと卵、牛乳で浸したパン粉を加えて捏ねたもので良いでしょう。
私が一番好きなポーピエットの食べ方は、放っておけば出来上がるオーブン調理。手間いらずなのに、確実に美味しく仕上がります。まず、バターをひいたフライパンでお肉の全体に焼き色をつけ、白ワインを入れてアルコール分を飛ばします。お肉をオーブン皿に移し、水半カップとお好きなハーブを加え、190度に予熱したオーブンで約40分焼くのみ。今回は肉屋のおじさんが「一緒に焼くといい出汁が出るよ」と牛の骨をくれたので一緒に焼いてみました。途中、ときどき焼き汁を回しかけてあげると、しっとり仕上がりますよ。
焼き上がったらオーブンから取り出し、全体をアルミホイルで覆って10分ほど休ませてください。焼き汁がたくさん出るのでお肉を焼いたフライパンに戻し、少し煮詰めて、はちみつ小さじ1/2を加え(お好みで)、塩こしょうで味を整えたら完成。生クリームを加えてこってりクリームソースにしても美味しいです。
付け合わせにはレンズ豆の煮込みがおすすめです。低カロリーで鉄分豊富なレンズ豆はベーコンやソーセージとの相性がよく、ポーピエットとの相性もバッチリ。付け合わせにする場合は薄めのブイヨンスープにレンズ豆、にんじん、玉ねぎを加え、ローリエの葉を入れて煮込んでおきます。乾燥のレンズ豆を使っても、20分ほどで柔らかくなりますので、お肉を焼いている間にささっと作っておくことができます。
フランスの家庭の味「ポーピエット」は、見た目もかわいく、おもてなし料理としても活躍してくれる優秀な一品なのです。
Posted by セギュール ちえみ(DS編集部)
セギュール ちえみ(DS編集部)
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