PANORAMA STORIES
呼吸が繋ぐ体の調和 Posted on 2016/10/31 CHICO SHIGETA ホリスティックビューティーコンサルタント パリ
よく習い事やスポーツの技術の習得は、1万時間の練習によって、基礎が固まると言います。
私は、祖母の代から美容業を営む家で生まれ育ち、美容、マッサージの技術に関しては、物心つく前から英才教育を受けました。ですから、たぶん人よりも早く、その基礎となる1万時間の技術に到達できたことで、マッサージが得意になったと思います。
体に手を当てると、考えなくても自然と必要な場所に必要なことを体に施すことができるようになっていました。
そして29歳になった時に呼吸法と出会い、呼吸がどれだけ自分の気の巡りを良くするかを体感しました。
まずは自分の体のためにその技術を習得して、ついには、あまりの心地よさに病みつきになる程でした。
そして、ふと、その呼吸の技術をマッサージに取り入れてみたらどうなるかな? と思いついたことから、呼吸を生かしたマッサージを始めました。
すると、私自身と目の前にある体と新しい関係が生まれたのです。
それは、今まで感じたことのない新しい感覚で、軽やかで、調和に満ちて、心地よく、体の内側がもっと繊細に感じる感覚。そして驚いたことに、10人マッサージしても疲れなくなったのです(これまでは、5人もやればぐったりしていました) 。
こうしてやっと、「体に触れる」という本当の意味がわかったような気がしました。
この変化を通して気づいたことは数え切れないほどたくさんありますが、その中でも一番本質的なことは、「相手と自分の調和」かも知れません。
私自身が、力や姿勢の無理がなく、相手の体に対して「癒してしてあげよう」とか「治してあげよう」とかいう自分のエゴを持たずに、一番いい距離で向き合うことが、実は相手の体が一番効果を発揮し、しかもマッサージを施している私自身が気持ちが良いのです。
体はとても精密でインテリジェンスの高いマシーンです。
マッサージを施すということは、相手の体を真正面に受けて、信頼し、体に必要なことを誠実にチューニングすることで、体は自然と自分の力でバランスを取ろうとする力が働き始めるのです。
この「調和」を理解するまでに、ずいぶん時間がかかったものだと思いますが、今のところはこれで一番の結果が出せるマッサージができているような気がします。
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Posted by CHICO SHIGETA
CHICO SHIGETA
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ホリスティックビューティーコンサルタント。SHIGETA主宰。美しい肌と体を育むためには心身のバランスこそが不可欠と考え、長年フランスおよび日本にてビューティーメソッドを探求。その経験と実績をもとにバイタリティー・コーチングⓇを考案。現在は、パリのセレブリティやアーティストのためのパーソナルコーチとして活動するほか、大手化粧品会社や美容機器会社のコンサルティング及びブランドスポークスマンとしても活躍中。近著に『「リセットジュース」を始めよう~パリ美人のダイエット』(講談社刊)など、著書多数。