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パリ、コスメ通のあいだで話題、日本のBinchotan(備長炭) Posted on 2024/01/07 NANA メイクアップアーティスト パリ
近年、日本の「備長炭」がフランス発のスキンケアアイテムに取り入れられるようになり、ちょっとしたブームになっています。
備長炭はもともと、フランス人シェフや日本ファンのあいだで有名でした。
しかしフランスでスローコスメ(自然派化粧品)の需要が拡大されたことにより、炭の効果、特に備長炭の素晴らしさに大きな注目が集まるようになりました。
<備長炭以外でも、炭を使ったスキンケアはフランスにたくさんあります>
日本の備長炭、フランスでは「Binchotan(ビンショータン)」と呼ばれています。
以前は知っている人は知っている、という感じで、料理に使うイメージが強かったのですが、2019年には仏女性誌のELLEが「炭の最高級品、日本の備長炭」と、美容トレンドページの中で紹介しています。
そのアイテムは石けんや洗顔料、マスクなど洗い流すタイプのスキンケア。
真っ黒な見た目も新鮮で、肌を乾燥させることなく、汚れやメイクを綺麗に洗い流してくれると評判です。
そのため雑誌ELLEでは、特に効果的なクレンジングが必要な人、つまり都会(パリ)の女性におすすめ!とされていました。
<パリ、サンジェルマンデプレ地区にあるHORACE(オラス)>
備長炭を使用したアイテムが、看板商品となっているスキンケアブランドもあります。
例えば、パリのメンズビューティーを盛り上げている「HORACE(オラス)」というブランドでは、備長炭配合の洗顔料がいちばんの人気商品だといいます。
<備長炭を使った洗顔料(右)。パッケージにもしっかりBinchotanと書かれています>
メンズビューティーといえば、男性用化粧品のことですが、実際「HORACE(オラス)」のアイテムはジェンダーレスなのだそうです。
フランスでは洗い流すタイプの洗顔料が少ないため(拭き取りが主流)、放っておくと小鼻辺りにザラつきが出てしまいます。
ところが使って納得、つっぱらないのにすっきりとした洗い心地に、日本人として改めて備長炭のファンになりました。
備長炭も含め、こうしたジェンダーレスの化粧品は、パリでどんどん広まっています。
90年代くらいまではフランスでも「男性用化粧品=爽快感」をテーマにしたアイテムが多かったそうですが、時代は流れて今では「無香料、低刺激、エコフレンドリー」がメインです。
もちろん、スキンケアを使用しないフランス人男性は多いです。
しかしスローコスメ市場が拡大しているフランスでは今、男女の垣根なく、カップル用にファミリー用にと、自然派でやさしいスキンケアが増えつつあります。
また店舗に5つの空ボトルを持ち込めば10%割引になるなど、エコフレンドリー活動に積極的なところも特徴です。
<お店には男性のスタッフさんだけでなく、女性のスタッフさんも。お客様も男女半々、といったイメージです>
<もう一つのパリコスメ。備長炭を使ったパック、パッケージはリサイクルできるよう瓶で>
https://www.instagram.com/p/CkYuSc5qSOo/
※Blancrème(ブランクレーム)公式Instagramより
こうしてパリを中心に、備長炭のスキンケアが話題となっているのですが、日本製のものは衣食住のどんなカテゴリーにおいても「信頼」がベースにあり、嬉しく感じています
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NANA
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