JINSEI STORIES
リサイクル・父ちゃんの料理教室「子供も野菜好きになる。ラタトゥイユのカッペリーニ添え」 Posted on 2023/02/04 辻 仁成 作家 パリ
野菜を食べられなかった息子を「野菜好き少年」にさせたくて、父ちゃんが苦心して作ったのは、辻家の定番「ラタトゥイユのカッペリーニ添え」なんだけど、・・・。
特徴としては、ちょっこっとだけカッペリーニが入っているという点なのである。☜それだけ?
子供はトマトソースのスパゲッティが大好物だから、ラタトゥイユに冷静カッペリーニが載っていたら絶対食べるに違いない、自分も食べたいし、と思ってやってみたら、おおお、案の定、10歳の息子君はペロっと完食!
「これ、もうないの?」と言いだした。笑。
それ以来、息子はだんだん野菜が大好きになっていく。今では、いつか野菜園を田舎に作りたい、などと言い出している。
実は、いきなりラタトゥイユではなかった。
最初はイタリアのミネストローネだった。
何が違うかって? 簡単に言うと、野菜がもっともっと細かくカットされていて、ラルドン(ベーコン)が入ってるのがミネストローネ!
ベーコンが肉感を野菜に移すから、ありゃあ、子供が好きになるわな~。
で、野菜が好きになってきたところで、もう少し野菜の形がしっかり残ったラタトゥイユの出番となった。
いい作戦であった。
そこからじわじわと、息子君、野菜なら何でも食べられる青年に成長していくことになる。
で、ラタトゥイユは完全に野菜だけなんだけど、それだけだと味気ないので、オリーブオイルでちょっとピリ辛に味付けしたカッペリーニを載せてみることを思いつく。
麺の威力というのは凄い。
ラタトゥイユが食べられるようになると、まもなく、ポトフも食べられるようになった。
ポトフは羊肉やソーセージも入れるから当然、受けもよかった。
特に、ラタトゥイユの冷静カッペリーニ添えは前菜として、どの時期でも美味しく食べられるし、見た目も、ちょっと豪華に見えるから、便利なのである。
というわけで、さっそく、作ってみましょう。
まず、メインの野菜だけど、茄子、パプリカ、ズッキーニ、トマト、玉ねぎなどがあればよい。
夏野菜で作るのがラタトゥイユの基本だけど、今は年中、どんな野菜だって買えるから、うちでは冬でもラタトゥイユなのである。
さて、野菜はだいたい同じくらいの大きさに切りそろえないといけない。
アクが強そうな茄子は切ってから少し塩を加えた水に5分ほど漬け、あく抜きをしておくように。
それから、厚手の鍋にオリーブオイルを敷き、潰したにんにくを入れる。
弱火にかけてオリーブオイルににんにくの香りを移す。
ここまではペペロンチーノなんかと同じだ。
次に、玉ねぎを炒め、火が通ったら、とりあえず、一度、火を消しておく。
フライパンにオリーブオイル大さじ1を入れ茄子を炒める。
茄子は火が通ると吸った油がじわっと表面に出てくるのでそのタイミングで先の玉ねぎとにんにくの鍋に取り出す。
ズッキーニ、パプリカも同じようにフライパンでそれぞれ別々にオリーブオイルで炒め、火が通ったら玉ねぎ&にんにく鍋に移して、どんどん仲間入りさせていく。
これがコツだ。
最後にトマトもフライパンで火を通し、皮がはがれてきたら菜箸やトングで取り除いてから、ぼくも入れてくれーーーー、と騒ぐ前に、鍋に移す。
よし。料理はなんでも、愉しんでやるのがいいね。愉しんで作ったものは間違いなく、美味くなる。
その通り!!!
それぞれ炒めた野菜を混ぜ合わせ15分程弱火にかけ全体を馴染ませる。
塩・こしょうで味を調えたら、ラタトゥイユは完成。
1日置くと味が馴染むのでさらに美味しくなるから不思議だ。
しかも、冷蔵庫で、寝かせよう。
寒いところが大好きな連中なのである。
カッペリーニは塩を入れた熱湯で1分40秒茹で、ザルにあげて冷水でしめてよく水気を切る。
ザルに麺を押し付けるようにして、水は完全に切るように!
ボールに移しオリーブオイル大さじ4を振りかけ、塩・こしょう、エスプレット(あまり辛くない唐辛子の粉。もしくは、七味でもいい。笑)で味付けし、ラタトゥイユと一緒に盛りつけよう。
ラタトゥイユの真ん中に、くるくるッと丸めて載せるとなかなか見栄えもいい。
ほら、完成である。
ボナペティ!!!
材料
なす 2本
ズッキーニ 2本
玉ねぎ 小2個
パプリカ 1個
トマト 5個
にんにく 3片
オリーブオイル 適量
塩・こしょう 適量
カッペリーニ 250g
※ ただのラタトゥイユ、これもいいよね。もう、好きにして~。笑。
さて、父ちゃんの5月29日のオランピア劇場でのライブ、直接チケットを劇場で予約する場合はこちらから。FNAC(フナック)でも買えます。
☟
https://www.olympiahall.com/evenements/tsuji/
フランス以外からお越しの、ちょっとチケットとるのが不安な皆さんは、ぜひ、ジャルパック・サイトをご利用ください。こちらです、
☟
https://www.jalpak.fr/optionaltour/tsujiconcert/
そして、新作「辻仁成のパリごはん 2022年秋冬」(59分) 放送時間のお知らせです。
2023/2/17(金)後10:00~10:59【BSプレミアム・4K同時】
2023/2/21(火)後5:00~5:59【BS4K】※再放送
2023/2/21(火)後11:00~11:59【BSプレミアム】※再放送
さらに、
●「ボンジュール!辻仁成のパリごはん2022夏」の再放送が決まりました。
【NHK BSプレミアム】 2月12日(日)12:30〜13:29
(初回放送 2022年9月23日)
お知らせ多すぎますね・・・。メモしておいてねぇ。えへへ。