JINSEI STORIES

滞仏日記「パラリンピックの影響で、警官隊が自宅周辺の道路を閉鎖、父ちゃん家に帰れない」 Posted on 2024/09/01   

某月某日、今日は10月の個展会場を視察に車でマレ地区まで行ってきた。
ギャラリストのトマさんと展示方法とか、絵の配置の相談なんかをやった。
どこにどの作品を展示するかで、個展の雰囲気は、ぜんぜん変わってしまう。
ぼくの絵は、もともと、ストーリー性が強いので、ただ、絵を並べればいいということにはならない。だから、悩む~、でも、そこが楽しい~。
音楽とか、小説とかとはぜんぜん違う醍醐味があるんだよね~。
ということで、小一時間、ああでもないこうでもないと打ち合わせをしてから、愛車で家路についたのであった~。

滞仏日記「パラリンピックの影響で、警官隊が自宅周辺の道路を閉鎖、父ちゃん家に帰れない」

※ 明るい画廊、ほんとに、空気の流れがいい。最高のロケーションです。一階と、地下の展示場があります。マレ地区の画廊街にあります。

滞仏日記「パラリンピックの影響で、警官隊が自宅周辺の道路を閉鎖、父ちゃん家に帰れない」

※、画廊のトマさん!

滞仏日記「パラリンピックの影響で、警官隊が自宅周辺の道路を閉鎖、父ちゃん家に帰れない」

※ ぼくが個展をやるギャラリーです。



ところが、ところが、であーる・でこー。
なんか、事務所兼自宅の周辺は、パラリンピック会場がいくつか連なっている場所ということもあり、すごい人、人、人、しかも警官隊がかなり出動している。
英国やドイツの警官まで応援に来ているので、50メートルおきくらいに警邏隊が歩いているという始末。
というか、テロがあってはいけないので、当然なのだけれど、そのおかげで、ぼくは自分の家の駐車場に、というか、家の前の道に入ることが出来ないのだった。
目の前が、ブロックされていて!!!
この鉄柵を自分でどけてもいいのだけれど、ちょっと想像してみてください。周辺を歩いている警官隊、だいたい3人一組で歩いているのだけれど、全員、肩からマシンガンをぶら下げているのだ。マシンガンだよ!
ロン毛の黒い恰好で、ブーツ履いている怪しいおじさんが、勝手に、鉄柵をどけているのを、警察官がほっとくだろうか? しかも、今日は上から下まで真っ黒なヨージヤマモト! スカートのようなひらひらのメンズパンツ、ロングコート、それにハット! 怪しい!
実は、今、家の前に不審な車がずっと停車していて、気になっていたのだけど、朝の8時に、警察官が数人で、その車を包囲して、大きな声で、中に誰かいるのか、出てきなさい、と叫んでいたんだよね。一人は、マシンガンを構えていた!!! 結局、誰も乗っていなかったのだけれど・・・。
それを目撃したばかりだから、なおさら、鉄柵をどけて、中に入る勇気なんて、なかった。
そこで、声量には自信のあるぼくちん、叫ぶことになる。
「すいませーん。ちょっとー、おまわりさーん!」

滞仏日記「パラリンピックの影響で、警官隊が自宅周辺の道路を閉鎖、父ちゃん家に帰れない」

滞仏日記「パラリンピックの影響で、警官隊が自宅周辺の道路を閉鎖、父ちゃん家に帰れない」



50メートル先に、交通警察のおまわりさんがいたのだ。
そっちの道もブロックされているわけで、その間に、うちの駐車場の入り口がある。
「すいませーん、すいませーん♪」
とフレディー・マーキュリーみたいな声で、叫んだのであった。
歩道を歩いているパラリンピック関係者がぼくを振り返って、驚いた顔をしていたが、そんなの気にしちゃいられない。
ぼくの声はなんとか50メートル先のおまわりさんに、届いたようで、おまわりさん、怪訝な顔をした。
ぼくは慌てて窓から手を振った。鉄柵を指さしながら!
そしたら、おまわりさん、鉄柵を指さして、自分でやれ、みたいな合図を送って来たのだった。
最初から、そうしようと思っていたので、慌てて車を降りた父ちゃん、鉄柵に近づき、
まず、自分の顔を指でさし、そのあと、鉄柵を指でさしてやった。いいの? やっていいの? やっちゃうよ? みたいな動作を想像してください。
そしたら、おまわりさん、こっちにやって来てくれたのだった。
「どうしました?」
「すいません。うちのガレージがそこなんです。これ、どかしていいですか?」
「いいですよ、でも、すぐに元に戻してね」
「わかりました」
ということで、父ちゃん、鉄柵を動かし、車をガレージの入り口まで持っていき、それから、再び鉄柵まで戻って、元通りにしてから、車をガレージにいれたのであった。焦る~、ふー。
パラリンピックが終わるまで、パリはこのようなカオスが続く。
知り合いが空港まで車で家族を迎えに行ったら、4時間以上かかったのだとか。
飛行機で、この時期、パリから東京へ戻られる皆さん、今は、余裕を持って行動をしてくださいね。大渋滞だ、そうです!

滞仏日記「パラリンピックの影響で、警官隊が自宅周辺の道路を閉鎖、父ちゃん家に帰れない」

滞仏日記「パラリンピックの影響で、警官隊が自宅周辺の道路を閉鎖、父ちゃん家に帰れない」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
ということで、パリ市内、今は、地下鉄か、バスが移動には最適かもしれません。あとは、べリブという自転車が便利です。(乗ったことないけれど、笑)タクシーは、ブロックされている道ばかりだから、料金が見えないですねー。あと一週間はこんなパリが続きます。

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