JINSEI STORIES
退屈日記「大型台風の上陸前にやっておくべきこと」 Posted on 2020/09/05 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、大型で非常に強い台風10号が日本に接近しているというので、慌てて、福岡の弟に連絡をした。
6日から7日にかけて九州にかなり接近する(6日は沖縄、奄美大島上陸)ということで、弟もかなり心配をしている。
80代の母と二人暮らしなので、いろいろと台風を迎え撃つ準備に追われているということだった。
「買い物をし、水と食材を溜め込んだよ」と弟。そして、養生テープを使って、窓の補強をしたのだという。
マンションなので窓を板で打ち付けるわけにはいかないようだった。
最新のニュースを確認したら、100年に一度の大雨という情報、本当に雨はいい加減にしてほしいけれど、自然には逆らえない。
これまでの教訓をいかして、乗り切っていくしかないのである。
いざという時のために、お米は多めに炊いて、冷凍しておくのがいいかもしれない。
上陸の直前に炊くのがいいだろう。
ぼくだったら、上陸するくらいに炊いて、おにぎりを作っておく。(おにぎりは米が熱い時に握る方が形が整うし壊れにくくなる)そして、残りのご飯を冷凍する。
おにぎりはいざという時に役立つ。ちょっと塩を多めにしておくのがいい。
人間疲れると塩分を求めるし、そういう時は塩分が身体を元気にさせてくれる。
食パンも買っておいた方がいい。
ご飯は炊かないとならないけれど、食パンはそのまま数日食べることが出来る。
卵や魚肉ソーセージとか缶詰など常温保存できるものは便利だ。
鮭缶、マグロのフレーク缶詰、サーディン缶詰、などはパスタの具材にもなるので用備蓄。玉ねぎやジャガイモ、ニンジン、キャベツなどの生野菜はいくらあってもいい、応用が利く。
それから、水も多めに用意しておくのがいいだろう。
カップ麺とかレトルトも悪くないけど、どうせ、台風が通過するまでは家から出られないので、この際だから、キッチンに籠ろう。暇つぶしにもなる。
カップ麺は停電の場合、水でそのまま戻して食べることが可能だ。少し時間がかかるけど、生き延びる手段にはなる。買っておこう。
食料は、買い占めるというのではなく、わずか2,3日のことなので、今、コンビニが開いているなら、少し買い足しておくのがいいだろう。
さて、コンビニで買える食材で作ることが出来る、美味しい料理をご紹介しておく。
まず、サーモンの缶詰を使った、サーモンパテだけれど、鮭の缶詰で十分美味しく出来るので、これを試してもらいたい。
卵、鮭缶、サワークリームで作ることが出来、2,3日は持つうえに、冷蔵庫に入れておくと味が染みてさらに美味しくなる。
サーモンパテ⬇️
https://www.designstoriesinc.com/jinsei/daily715/
先ほどツイートした、ラタトゥイユとジャガイモのガレットは本当に便利だし、美味しいので、やってみて頂きたい。
ここにリンクを貼っておく。ラタトゥイユはオリーブオイルで和えたパスタに添えて混ぜながら食べると美味い。なんならオリーブオイルパスタにシーチキンとか鮭フレークをまぶしてみてほしい。さらにリッチになる。
ラタトゥイユ⬇️
https://www.designstoriesinc.com/jinsei/daily-607/
じゃがいものガレットじゃがいものガレット⬇️
https://www.designstoriesinc.com/jinsei/daily-538-1/
それからお肉をまだ買えるならば、あるいは冷凍の肉があるならば、カレーを作っておけば、台風が通過する間、カレーで凌ぐことも出来る。ぼくが最近はまっている黒カレーのレシピをここに貼っておく。カレーにあきたら、カレーうどん!
黒カレー⬇️
https://www.designstoriesinc.com/jinsei/daily-671/
これはコクがあって、普通のカレーにちょっと飽きた時に、ゴージャスな感動を届けてくれる。これを茹でたスパゲティにかけてもかなり美味しい。その時は粉チーズでさらに深みを与えよう。
断水や停電に備えておくことも必要だ。充電器は台風が上陸する前に満杯にしておくこと。水は意外に必要になるので、これもある程度は買っておく方がいい。
昔はお風呂に水をためておいたけど、バカに出来ない、大いに役立つ。
いざという時に避難所に行くよう指示が出る可能性もあるので、リュックサックに最低限の必要品を入れておくべきであろう。
千円札を数枚、リュックの内側に忍ばせておこう。
避難所でソーシャルディスタンスをとるのが難しくなる可能性もあるのでマスク、消毒ジェルはこのコロナの時期に必需品なので、忘れずに。
というのか、多めにリュックに詰めておこう。最大限の備えをしておくことは、心の安心材料にも繋がるので、大事である。
災害時はラジオが役に立つので、ラジオの電池が切れてないか、確認をしておこう。
停電になっても情報は入手しないとならない。携帯も切れたら、ラジオしかない。
昔ながらの方法だけど、バカに出来ない。あと、隣近所の方々との連携も大事だ。
日ごろからある程度の近所づきあいをしておくことは、こういう時に役立つ。
コロナも収束が見えない中での自然災害、常に、最大限の警戒態勢をそれぞれの家庭で前もって決めておくことは、島国日本にとって、もっとも重要なことである。
無事に、台風をやり過ごせるようご家族、ご近所さん、力を合わせて乗り切ってもらいたい。