JINSEI STORIES
野鴨とお散歩、田舎生活。ちょっと一工夫、一味違うシメジとベーコンのパスタ! Posted on 2025/04/08 辻 仁成 作家 パリ
仕事がひと段落したので、三四郎と買い物に行こうとしたら、玄関先になんと「つくし」がすくすくと育っていた。つくしじゃーん、フランスにもあるんだ!
昔、ばあちゃん家でつくしの砂糖漬けを食べさせられたことがあったが、あんまり、うまいものじゃなかったね、あはは。
で、通りに出たら、なんと、綺麗な野鴨のカップルがいた。目の前に! さすが、超田舎だ。
三四郎、吠えない。見慣れないものだから、怖いのだろう・・・。
近づいていくと、オスが飛び立ったが、メスは、微動だにしなかった。
田舎は、ハエも、はちも、鳩も、おっとりしている。
っていうか、ここは生物天国なのだ。
よく眠れる。朝は、太陽がまぶしい。
心を入れ替えるには、もってこいの、別世界かもしれない。
それにしても、人間界で、汚れ切ったぼくの心がそう簡単に綺麗になるわけもないので、あはは、と大笑いをしてしおいた。メス鴨が、不思議そうな顔をしていた。
まもなく、隣のおじいさん、90歳のミッシェルさんとすれ違う。
「よー、元気か? この土地に慣れたかね?」
自転車から、降りて、そういった。90歳、自転車乗れるんだ。
「どこまで行ってきたんですか?」
「どこまでかな、今日は12キロ、向こうの沼地を超えて、あっちの海まで、自転車で走ったったわい」
ひゃああああ、凄すぎる。12キロ??? 普段は6キロらしい。それでも、すさまじい。田舎のお年寄りは元気だ。見習いたい。
「健康の秘訣を教えてください」
思わず、聞いてしまった。
「くだらんことでくよくよしないことだ」
なるほど!!!
目の前に、野鴨、信じられないくらいに、田舎なんだよね・・・。
ということで、今日のランチ、シメジとベーコンのパスタを作ったので、ご報告。
シメジとベーコンのパスタといえば、和風パスタを連想される人が多いとは思うのだが、ぼくは、そこに、ゴルゴンゾーラとリコッタチーズをいれた。
あ、パルメジャーノチーズも!
ちょっと美味しそうなディチェコの卵タリアテッレを田舎のスーパーで見つけたので、それと組み合わせてみた。
作り方というほどのものはない。下の写真を見て貰えれば、その通り。
でも、この組み合わせは、素晴らしかった。
ベーコンとシメジの風味を、3種類のチーズがつないで、濃厚なのに、香り立つ味わいのパスタになっていた。
ぜひ、献立の参考にしてもらいたい。
リコッタが手に入らなければ、ゴルゴンゾーラだけでもいい。
ベーコンの脂だけで、まずは、(カリカリに)炒める。(ニンニクとか、唐辛子などは、もう、一緒に、ぶち込んでいい)
チーズ各種をいれ、ちょっとだけ、生クリームも加えた。ちょっとだけ。なければ、ちょっとオリーブオイルを足すのでもいい。
なんでもええ。笑。
こんないい加減じゃ、レシピになりません、と怒られそうだけれど、まったく、同じにする必要はないので、好きなものを加えてほしい。
シメジがなければ、マッシュルームでもええ。
なんでもええが、
ただ、ベーコンはあった方がええ。あはは。
大事なのは、黒胡椒じゃ。
これは、たっぷりといれてみよう。
ちなみに、自動車メーカーのプジョーが作っている、かっちょいい、胡椒ひき!
プジョーのマーク、いいね。
黒胡椒が、カチヨペペ的な、味わいを、連れてくる。
こういう麺を茹でたら、オリーブオイルでさっとあえておく、といい。
主役は揃ったので、お皿に盛りつけて、最後に、パルメジャーノ・レジャーノをかけて、いただきまーす、なのである。
うううう、美味い!
美味くないわけがない、シメジとベーコンのチーズパスタの完成なのであった。
このパスタを食べながら、頭の中に、野鴨がよぎった。
あ、鴨、食べたいカモ・・・・。えへへ。
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
今日は、一つ待ちわびていた案件で「残念ながら」というメッセージが届いちゃって、えええ、ショック、えへへのへ。ま、ちょっと、がっかりしていたんだけれど、あんまり欲を出してもね、残念なのは残念だけれど、きっと生きていればいいこともある。そういう時にこそ、美味しいものを作って、自分を励ますのが、父ちゃん流なんだ。皆さんも、美味いもん、作って、周囲に自慢してください。
※ これもZARAホームで買った。あはは。絵を描く時の椅子にする。
父ちゃんが、演奏するクラシックギター、どうぞ。穏やかな気持ちになれるかも・・・。
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