JINSEI STORIES
フランスの生姜焼き、ポー・ジョンジョンブル・ア・ラ・オホンジュ! Posted on 2025/03/28 辻 仁成 作家 パリ
とっても美味しいフルーツのパンを見つけた。
6区、サンジェルマン・デ・プレ界隈にあるパティシエ、ミシャラクさんのフルーツパンなのだけれど、ナッツ類もたくさん入っており、これだけで、もう、ご馳走。
ふと、コルシカ島の友人、ジャンジャックご夫妻に、彼らのお母さん手作りのマーマレードを頂いていたことを思い出し、パンにちょっとマーマレードをぬって、齧ったら、ああああああああ、
閃いた!!!!
生姜焼きが食べたい、と。
しかし、普通の生姜焼きじゃなく、マーマレードを使ったフランス風の生姜焼きがいい。(そんなものはないんですけれど、創作しました。えへへ)
これが、めっちゃ美味いので、ぜひ、みなさんに食べて貰いたいから、さっそく、一緒に、作ってみましょうか?
豚肉は、周辺とかの筋を先に、包丁で切って、食べやすくしておくのがいい。(べつに、やらないでもええ)
んで、塩胡椒、をするが、胡椒は多めがおいしい。
そしたら、小麦粉をちょっとはたいておく。こんな具合だ。
その方が、かすかなとろみというか、なんだこりゃあ、という食感が出て、よいが、べつに、やりたくなければ、無理せんでもええ。
熱々にしたフライパンにオリーブオイルをちょっと敷いて、じゃっと焼く。
焦げ目がこんな感じになると、もう、これだけで、うまそう。
小麦はたいているから、なんか、、衣のついてないトンカツのようだ。
あはは。
こちらが、ジャンジャックご夫妻からいただいたマーマレード。
フランス人って、アップルのコンポートとかを、豚肉にぬって、食べたりする文化がある。マーマレード奏法はそこからヒントをえた。
ちなみに、ジャムとコンポートの違いは、形状と砂糖。
ジャムはゼリー化するから、フルーツの形を留めないけれど、コンポートは残る。ジャムより、コンポートの方が砂糖がかなり少ないので、保存には適さない、らしい。
仏語のコンフィチュールは、ジャムと同じ意味でとらえられているが、実際には、形状を残すものが多い。保存に適しているのはジャム、次がコンフィチュール、あまり向かないのが、コンポート、だそうであーる。
で、ソースなのだけれど、マーマレード、から半時計まわりで、はちみつ、生姜のすりおろし、にんにくのすりおろし、そして醤油、だ。
そしたら、よーく、混ぜる。
それをお肉にかけると、こうなる。
焼いたお肉に、このソースをからませ、染み入らせたら、完成。
ということで、こちらが、完成をし、盛り付けたポー・ジョンジョンブル・ア・ラ・オホンジュ、ということになーる。
オレンジのマーマレードなので、オホンジュ、という仏語ね、きどってるよね。いやになっちゃうわ、仏語ヘタな癖に。
日本語で言うと、マーマレード風味の生姜焼き、ですかね。あはは。それでいいやん!
いや、これが毎回、美味しいんで、みなさんに教えたろうと思った次第であった。
豚肉とオレンジの相性は抜群なので、やってみてほしい。
もっと肉を柔らかくしたい場合は、豚肉をあらかじめマリネしておくといい。
しないでも、ぜんぜん、最高だった。(柔らかさは、豚にもよると思うので、ちょっと脂身のある肉を選んでね)
ボナペティ!!!
父ちゃんは、5月のパリのグループ展に向けて、創作に集中している、ところ。昨日は、フランスの編集者さんにもっと小説を書いてほしい、と言われたので、小説も書き上げないと、と思ったところ。身体は一つだからね、料理したり、掃除したり、犬の世話をしたり、息子の相談にのったり、大変なんです。でも、人間って、いくつか、好きな道をもっていると、人生に苦しまないですむし、逃げられるし、気分かえられるから、いいですよね。ぼくは、料理が偉大な趣味だから、料理して、美味しい、ともう、最高にハッピーになります。皆さんの悩める献立の参考になれば、嬉しいぞ。えいえいおー。(写真は、創作の途中に、えいえいおーのポーズをとったの図)
【お知らせ、まとめ】
1,エッセイ集「犬と生きる」好評発売中。マガジンハウス刊
2、ラジオ・ツジビル生放送、月3回、次回は、4月5日、日本時間、22時スタート
3,引退ライブ公演のDVD記念ボックス:
https://tunagate.com/community/vlKQvE5b/products/21
4,個展「LE VISITEUR TOKYO」、三越日本橋本店、2025年7月9日(水)~21日(月)詳細は、6月ごろに三越のHPにて発表。
5,個展「LE VISITEUR OKAYAMA」、岡山天満屋:2025年7月23日(水)~28日(月)
6、サティとラベルの曲を演奏しながら、これまでの作品をも鑑賞できるYouTube
7,パリ個展「LE VISITEUR PARIS」、ギャラリー、20THORINY。10月中旬からだいたい2週間、予定。まもなく、発表します。
8,5月の中旬から、パリのマレ地区で、初のグループ展に参加。立体作品を発表。
9,引退公演「大阪フェスティバルホール」ライブ配信、全プラットホームにて。
※ 前回のラジオでは、「冷静と情熱のあいだ」の朗読をやりましたが、それなりに、喜んでもらえたようだがか、また、つづき、を読めるといいですね。ラジオ・ツジビルは、こちらから、どうぞ。
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