JINSEI STORIES
マカロニグラタンって、こんなに美味しかったのじゃ、やってみなはれ! Posted on 2025/02/23 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、ノルマンディに戻る予定だったが、急な問題が浮上し、今日は事務所で、一日、会議とあいなった。とんとんとん・・・。
で、・・・今日は、チャットGPTが、父ちゃんの仕事を側面から、支えてくれている、という書き出し。
不安も多い、AI時代だが、チャットGPTなるもの、父ちゃんは、「知らん、ふん」と思っていたが、事務所のスタッフが愛用しているので、その便利さが、わかって来た。
実は、現在、父ちゃんの事務所は新しいプロジェクトを動かしており、人の出入りが多いのだ。同時に、法律的な問題、経済問題などで、壁にぶち当たることもある。
今日は、土曜日だったが、事務所スタッフ総出で、新プロジェクトに関する会議を行ったのだ。議題は内緒・・・しかし、法的な問題も含むので、なかなか難しい。
そこで、岡っちが、チャットGPTに訊いた。
「すいません。フランスで新しいプロジェクトを開始したいのですが、ご意見をください。私たちが考えているプロジェクトは、・・・・となります」
と訊ねると、ものの数秒で、人間では追い付かない範囲の回答が戻って来た。
「それは、大変すばらしいプロジェクトです。メリットが・・・、デメリットもあります。このデメリットの解消方法は・・・です」
おおお、素晴らしい。パソコンを覗き込む、父ちゃん事務所一同。
「もしよろしければ、このプロジェクトの問題点の解決方法を取り込んで、企画書を制作いたしましょうか?」
これ、チャットGPTから、の思いもよらぬ提案なのである。す、すごい!
「お願いします」
岡っちが、打ち込んだ。2秒後、チャットGPTがぼくらが計画している新プロジェクトの企画書を作成してくれたのだった。
ひゃああ、すご! 父ちゃんは驚いた。
「先生、取引先へのレターを、この際、チャットGPTさんに書いてもらいます?」
さん付けであった。
「お願いします」
カタカタ・・・。数秒後・・・。
画面に、お手紙が、出てきた。急いで目を通す、父ちゃん。
やや、硬い感じがした。それに、目線が高い・・・。
「もうちょっと、文体を相手に失礼ないような、どっちかというとこちらが立場が下っぽいレターにできないかな~?」
タイプする岡っち。
すると、
「大変、失礼しました。先方に失礼のないような丁寧な文章にリライトしてみました。ご希望があれば、すぐに書き直します」
一同、パソコン画面にくぎ付けとなった。
「おおおお、美しいレターだ!!! 仏語、まったく、申し分ありません」
仏検一級を持つ長谷っちが、唸った。
「ありがとうございます。なんでも、お申しつけください」
チャットGPT、すごすぎた。
こんな世の中になってしまったということは、社員いらないじゃん、とぼくが思わず言ったら、みんなに睨まれた。
嘘だよ、でも、これは、試さない手はないね。
チャットGPTさん、ありがとう。
ああ、仕事をしたら、腹が減った。
ということで、会議の途中、父ちゃんが作った「賄いグラタン」を今日はご紹介しますね。これ、めっちゃ美味しいので、やってみてください!
まずは、完成図を見て。
頭の中に、この完成図をたたき込んでから、作ると美味しくなりますよー。物事は、何事も、イメージを持って挑むべし・・・。
はい、じゃあ、材料です。
鶏もも肉2枚、玉ねぎ1個、マッシュルーム3個、レモン半分、塩こしょう、バター20g、小麦粉60g、牛乳600ml、チキンブイヨン半分、パルメザンチーズ10g、モツァレラチーズ半分、ピザチーズ適量。マカロニ70g。
で、目安レシピだよー。
1,油はひかず、チキンの皮面をパリパリになるまでしっかり焼いて取り出しておく。
2,チキンを焼いたフライパンで玉ねぎとマッシュルームを炒め、小麦粉を加えてよくま炒める。
3,チキンをサイコロ状に切って、
4,バターを追加、馴染ませる。
5,少しずつ牛乳を加え、その都度よく混ぜあわせる。チキンブイヨンを適当なところで追加。
6,だいたい600mlくらいの牛乳が入って程よい硬さのベシャメルソースがでたら、塩胡椒、レモンで味付けする。
7,茹でて細かく切ったほうれん草を加えて、パルメザンチーズをすりおろす。
8,少し硬めに茹でたマカロニを水で締め、水気を切って、ベシャメルソースに混ぜ合わせる。
9,チキンをトッピングし、
10,モツァレラチーズ、ピザチーズなどをたっぷり載せて、あらかじめよねつで温めておいた、220度のオーブンへ。
11、15分くらい焼いて美味しそうな焼き色がついたら完成。
おおお、これが、大好評なのであったー。
ぼくは子供のころ、母さんによく作ってもらっていたので、馴染みの味だったが、独身の岡っちも、奥さんがいる長谷っちも、お子さんがいるマネージャーMMも、びっくり仰天しておったわい。
この表面がカリカリに焼けることを、仏語で「グラチネ」された、というのである。グラチネ感、最高でしょ?
ここがおいしかった。
で、父ちゃんのマカロニグラタンがおいしい秘訣は、もちろん、ベシャメルソースの良さもあるのだけれど、チキンの表面をカリッカリにしておくこと、なんだ。そうすることで、歯ごたえのいいマカロニグラタンが出来るというわけ。
人生には、わけあり、があるんだよねー。美味しさの秘訣、わかったかなー?
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
チャットGPTのおかげで、仕事がはかどった。知り合いの会計士さんや弁護士さんらも、みんなレターをチャットGPTに頼んでいるというので、あはは、もう、作家がいらない世界が間もなくやって来るのでしょうかねー。文章教室、もう、人が来なくなっちゃうね。ひゃああ、複雑~。でも、負けません。だからこそ、個性が大事になる新しい時代、乗り越えてまいりましょう。えいえいおー。
なんと、作家の父ちゃん、本業でも頑張っています。2月27日、全国書店、Amazonなどで発売となりますので、「犬と生きる」ライフスタイルエッセイ、ゲットしてくださいねーーー。売り切れるかもしれないよーーーー。あはは、ウソです。大嘘。ごめんなさい。いっぱい、売れ残ります。ご安心を!!!
※ しまちゃんが、ぼくの25歳の誕生日にくれたワイン。待ちきれず、頂きました。
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