JINSEI STORIES

マグロを上手に漬けると落ち着きます。人生は、焦らず、コツコツ、生きるべし。 Posted on 2025/02/21 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、マガジンハウスの担当編集者Oさんから、エッセイ集「犬と生きる」、書店での予約が好調、とメールが届いた。
「犬と生きる」っていう本は、ある程度長く生きたぼくのような人間が、人生の後半において、なぜ、犬と生きているのか、犬と生きる道を選んだのか、ということが書かれたエッセイ集となっている。
これは、3年前に、三四郎と出会った時から、三四郎が3歳の誕生日を迎える時までの記録なのだけれど、もちろん、この日記が中心に編集されているのだが、改めて通して読むと、ぼくの心の動きというか、人間がなぜペットと生きることを選ぶのか、が、ちゃんと書かれていた。あはは、よかった。
自分で書いておきながら、そうか、そうだったんだ、だから、さんちゃんと出会ったんだね、と涙が出そうになるのをこらえる場面もあった。えへへ、
生きる、ということだけでも大変なのに、どうして、犬を世話して、あえて、生きることを選んだのか、おかしなもので、自分で書いておきながら、なるほど、と納得できたのだ。
人間って、やっぱ温もりが必要なんだ、孤独でいいんだけれど傍にだれかいてほしいんだよね、うんうん・・・。
これは人生における「第三楽章」なんだな、と思った。
最終楽章の手前ということ。
第三楽章は、やや穏やかに、そして円熟し、大団円へと向かう助走の場面である。
権力のあるものが勝つこの独裁者だらけのこの世界の片隅に、犬と生きる人たちがいるのだ、ということが印されている。
最近は、ニュースを見るのがつらいね。独裁者ばっか! ぼくも独裁者になるか。国民は、三四郎! あはは、無理だー。逆だ、奴隷だね。
権力者には絶対にわからない、ささやかな、愛の物語がここにあった。

マグロを上手に漬けると落ち着きます。人生は、焦らず、コツコツ、生きるべし。

今日も、ごはんを作ったり、絵を描いたり、お菓子を作ったり、小説を読みなおしたり、アトリエの片づけに行ったり、人と会ったり、いつもと変わらぬ一日であった。
でも、やっぱり、どんなに大変なこと、悲しいことがあっても、一食入魂でいきたいと思い、今日は「マグロの漬け」をつくって、白ごはん、で食べた。
ということで、マグロの漬け、の作り方をお伝えしたい。
スーパーでいいマグロが手に入ったので、漬け、た。
漬けなくてもいいんだけれど、日本ほど、魚に対して新鮮な文化がないので、一応、タタキにしてから、漬けて、食べるのが父ちゃん流なのであーる・ぱちーの。

では、さっそく、まいりましょう。
マグロの漬け、目安レシピ!

マグロを上手に漬けると落ち着きます。人生は、焦らず、コツコツ、生きるべし。

食べられるサイズのマグロをクッキングペーパーで、包んで、余分な水気をとる。



マグロを上手に漬けると落ち着きます。人生は、焦らず、コツコツ、生きるべし。

マグロを上手に漬けると落ち着きます。人生は、焦らず、コツコツ、生きるべし。

フライパンにごま油を数滴垂らし、片面ずつ、素早く 数秒かな、面に焼き色をうっすらと付けていく。全面、お願いします!

マグロを上手に漬けると落ち着きます。人生は、焦らず、コツコツ、生きるべし。

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そしたら、小鍋に、酒とみりんを大匙1ずつ入れて、煮切ります。

マグロを上手に漬けると落ち着きます。人生は、焦らず、コツコツ、生きるべし。

煮切ったら、火を止めて、大匙3程度の醤油をいれ、混ぜたらジップロックに。

マグロを上手に漬けると落ち着きます。人生は、焦らず、コツコツ、生きるべし。

短い時間漬けるのであれば、先に切ってからもでいいですよ。15分とかで、漬けられるので。しかし、今日はこのまま、漬けます。あとで切る場合は、ちょっと長めに、漬けましょう。中心は漬けられていないので、味の変化、楽しめます。今日は、30分から1時間のあいだ、くらい、漬けました。

マグロを上手に漬けると落ち着きます。人生は、焦らず、コツコツ、生きるべし。

こうなります。

マグロを上手に漬けると落ち着きます。人生は、焦らず、コツコツ、生きるべし。

切り方なんですが、マグロの中に見える筋に対して、同方向に切らないこと。筋がマグロ面で一番短くなる感じがよい。
筋は長いと噛み切れないので、ね。だいたい、こんな感じになります。

マグロを上手に漬けると落ち着きます。人生は、焦らず、コツコツ、生きるべし。

そしたら、お皿に盛ります。ワサビは、右下に、置きます。でも、どうぞ、そこは、お好きに!



今日は紫蘇があったので、千切りにして、載せました。
美味しいんだよね。
でも、もう一つ、ぼくは小皿に、ごま油とフラードセル(塩の華)をちょっと一つまみ載せて、それを軽く、付けて、頂きました。
白ごはんとの相性も抜群です。醤油はすでに使われているので、必要ありませんよ。美味しかった。

三四郎とカフェに行き、エスプレッソを飲んで、さんちゃんは足元で、おとなしく、待っていました。
犬を飼う人の気持ちって、様々だとは思うのですが、犬と生きることで、人生を落ち着かせようとしているような気もします。
この子は、ぼくがいないと生きてはいけないんだ、と思うと、なおさら、手がかかることがいとおしくなりますよね。
後半の人生だからこそ、三四郎を愛でる、ことが幸福の基本!
めるしー、三四郎。

マグロを上手に漬けると落ち着きます。人生は、焦らず、コツコツ、生きるべし。

マグロを上手に漬けると落ち着きます。人生は、焦らず、コツコツ、生きるべし。

ぼにゃぺてぃーーーーーー。



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。今年の上半期はアトリエづくりがメインになるので、なかなか日本には行けませんが、みなさん、風邪とかひかないように頑張ってくださいね、無理しない程度に・・・。ぼくは元気ですよ。世界がめちゃくちゃになりつつありますが、だからこそ、落ち着いていきたいと思います。皆さんに、穏やかが、届きますように、えいえいおー。

マグロを上手に漬けると落ち着きます。人生は、焦らず、コツコツ、生きるべし。

自分流×帝京大学

マグロを上手に漬けると落ち着きます。人生は、焦らず、コツコツ、生きるべし。

TSUJI VILLE