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フランスごはん日記「息子くんの21歳の誕生日、息子のガールフレンドくんと、パスタでお祝い」 Posted on 2025/01/15   

某月某日、今日、14日は、息子の21歳の誕生日なのだった。
息子のガールフレンドくんと食事をし、デパートにいって、ほしいものを一緒に探し、プレゼントすることになった。
「立派な学生だな」
と告げると、恥ずかしそうに、うん、ありがとう、と言った。
息子もぼくに負けないくらいパスタが好きなので、いきつけのイタリアンに連れて行き、まず、お祝いをすることになった。
もちろん、パスタは美味しかったのだけれど、顔なじみの店員さんに、息子が誕生日なんだよ、と耳打ちしておいたら、なんと、なんと、大きな声で、ハッピバースデイを歌いながら、(満席なのに!)最高に美味しいティラミスを持ってきてくれたのだ。
おお、ろうそくが一本、灯っている。
21歳か、すごいことだね、というと、笑顔で、うん、ありがとう、とまた、言った。

フランスごはん日記「息子くんの21歳の誕生日、息子のガールフレンドくんと、パスタでお祝い」

※ 前菜は、ブルスケッタを注文し、みんなで分けて食べた。分けて食べたいと言ったら、ちゃんと食べやすいサイズにカットして、持ってきてくれたのだ。

フランスごはん日記「息子くんの21歳の誕生日、息子のガールフレンドくんと、パスタでお祝い」

※ ぼくが注文をしたのは、パッパルデッレというトスカーナ州の手打ち麺、ソーセージとかフヌイユが入っている。名古屋のきしめんのような感じなんだけれど、この麺はとっても、美味しいんだ。息子は、ガンバスのトマト味のスパゲッティ、彼の好物だ。でも、味見させて、とぼくのをとられた。そして、美味しい、というので、「食べなさい」とすすめたら、結局、ほぼ全部食べられてしまった。笑。21歳だからね、しょうがない。65歳は、豪快に食べる21歳を、微笑んで見つめている。



食べた後、デパートに行き、何かほしいものがあるか、と訊いたら、ない、と言うのだけれど、靴がよれよれだったので、お揃いのスニーカーを二人に、買ってあげることにした。
「ARIGATO」というスエーデンのメーカーのスニーカーをギフトした。ぼくもここの靴を持っているので・・・。
息子くん、いつも、つぶれるまで、履くのだ。
穴が開いても履き続けるので、時々、チェックをしないとならない。
「もう、その靴、いいんじゃないか」
「そうだね。ありがとう」
カップルで、同じメーカーのスニーカーを試着している姿が、なんとも、さわやかで、かわいらしかった。
本当は、手作りのごはんを作ってあげたかったのだけれど、今、事務所は、絵の梱包や搬送で、てんやわんやだから、外食とあいなった。
夜は、二人で、すごしたいだろうな、と思ったので、初期高齢者の父ちゃんは、遠慮しておいた。
ちょうど、試験期間が終わったところで、真面目な大学生たちは、少しのあいだ、自由になるところだし・・・。
ガールフレンドくんがそばにいて、よかった。
父ちゃんには、三四郎がいるから、いいね。

フランスごはん日記「息子くんの21歳の誕生日、息子のガールフレンドくんと、パスタでお祝い」



こっそりと、ろうそくを抜き取り、ポケットにしまった、父ちゃんであった。
こういうものが、仕事場の机の上に、いくつも、いくつも、たまっている。
もう、長い年月、こうやって、ささやかながら、お祝いをしてきたので、振り返ると、いろいろと記念品が、増えた。
そして、その分、順調に育っている。
大学の勉強はそうとうに大変なようで、大学院まで行くようだから、そこまで、ぼくは老体に鞭打って、創作、頑張らないとなりませんね。
えいえいおー。

フランスごはん日記「息子くんの21歳の誕生日、息子のガールフレンドくんと、パスタでお祝い」

フランスごはん日記「息子くんの21歳の誕生日、息子のガールフレンドくんと、パスタでお祝い」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
たまに、人が作ったものを食べると、おいしい、ですね。片づけをしないでいいので、なお、いいね。普段は自炊おじさんなので、今日はちょっと楽が出来ました。なので、レシピは、おやすみ。これから、三四郎と、ノルマンディに戻ります。小説がいい感じなので、がんばらないと・・・。
あ、それから、父ちゃんのエッセイ集、今日から、予約が全国の書店、ネットなどではじまるみたいです。「犬と生きる」、マガジンハウス刊、になります。
いつも、みなさん、ありがとうございます。よい一日を、お過ごしください。

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