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フランスごはん日記「塩焼き用のサーモンを大量に作って、日々のごはんにする、日常生活突破術」 Posted on 2025/01/14 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、今日は秘術、鮭(今回はサーモン)の塩焼きの作り方、なのである。
フランスで「鮭」は買えないので、サーモンで代用となる。
スーパーに行くと、小分けしてあるものは高いので、セール品のキロ単位で買うのがおすすめ、半額で新鮮なものを購入できる。ただ、難点は、量が多い。
今日は、2キロのサーモンを、2000円程度で、買った。20切れくらい、ここからカットできるので、割安、である。
もちろん、自分でうろこも除去しないとならないが、安いことはいいことだ。
半分は、普通に保存をし、残り半分は、日本でよく食べていた鮭の塩焼きみたいにしたいので、ひと手間かけて、解凍して焼けば塩じゃけになるよう、小分けをして、冷凍保存をしておくのだ。
サーモンのクリームパスタにしたい時には、普通の方を、塩じゃけを食べたい時には、塩漬けの方を、使う。
さて、辻家定番、塩じゃけ(正確には塩サーモン)の作り方を、ご紹介しましょう。

フランスごはん日記「塩焼き用のサーモンを大量に作って、日々のごはんにする、日常生活突破術」

※ 三四郎は、どうしても、父ちゃんの股間に顎を載せて、いたい。こっちはくすぐったいから嫌なんだけれど、ここにいれろ、とうるさい。しょうがないので、ほっておく。



塩サーモンの、作り方、目安。
100mlの水に、塩を大匙1,砂糖を大匙半分、いれて、よくまぜる。
ジップロックに、サーモンの切り身をいれて、そこに、漬けダレもいれて、24時間、冷蔵庫で、寝かす。
翌日、とりだし、水で軽く洗い、一切れずつ、サランラップで包んで、大き目のジップロックにいれて、冷凍庫で、保管する。

フランスごはん日記「塩焼き用のサーモンを大量に作って、日々のごはんにする、日常生活突破術」

※ 写真、右のが、塩サーモンの小分け、左のが、何もしてないサーモンの小分け、である。塩サーモンの方は、ちょっと小さ目にしておく。

ということで、父ちゃんは「残り物ごはん」という言い方はあまり好きではない。
仕方なく、そういうけれど、残り物を食べているという意識はない。あえて、美味しいものを長い期間食べるために、工夫しているのである。
こうすると、マジで、美味しい塩じゃけが出来る、塩サーモンだけれど、サーモンとは思えないほど、鮭感が出るのだ。日本の定食屋さんの味になる。
サーモンは鮭に比べるとややたんぱくなので、この比率が黄金比、なのだ。
やってみてもらいたい。
で、今日は、炊き込みご飯を作り、どかんと載せた。
ミョウガ、ほうれん草、葱の味噌汁と、ジャガイモの美味しいやつ、を作った。
ジャガイモの美味しいやつの作り方も、お教えしたい!!!
これは、友だちのマテオさんのお母さんから教わった、フランス人お母さんが作る、残り物活用法なのだ。
欧州人は、ごはんやパスタのかわりに、もちろん、パンは食べるけれど、ジャガイモを食する習慣がある。
しかし、作りすぎてしまうので、茹でたジャガイモが残る場合があるのだ。
これを、どうするか、・・・。
素晴らしい方法があるのである。

フランスごはん日記「塩焼き用のサーモンを大量に作って、日々のごはんにする、日常生活突破術」



茹でたジャガイモは、実は傷みやすいので、マテオのお母さんは、タッパーにいれたジャガイモに、たっぷり、オリーブオイルをかけて、漬からせて、冷蔵庫で保存をする。
ま、翌日くらいまではこれがおいしく頂くことが出来る。
翌日、それをフライパンで、凝固したオリーブオイルごと焼けばいい。
塩胡椒を、お忘れなく。
できれば、生のタイム、をいれるとさらにおいしくなる。タイム!!!
一緒に炒めるだけ、表面が、カリカリになるまで、焼くこと。
すると、表面カリカリの、中がほわほわのジャガイモだけの、衣のない、コロッケみたいになる。
おおお、これが、絶品なのだ!!!!
ボナペティ。

フランスごはん日記「塩焼き用のサーモンを大量に作って、日々のごはんにする、日常生活突破術」

フランスごはん日記「塩焼き用のサーモンを大量に作って、日々のごはんにする、日常生活突破術」

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つづく

今日も読んでくれてありがとうございます。
小説家の仕事がスタートしたので、お絵描きはちょっと休憩し、(その間に、絵が乾く。だいたい、3週間くらい、乾くのに待つ。正確には、厚塗りの場合、一年くらい乾かす期間が必要になる。油絵は、実に時間のかかる創作だと言える)、だから、その期間を利用して、ぼくは作家に戻るのであります。なんにしても、時間が必要ですね。冷凍庫の大量の塩サーモンを、少しずつ解凍して、日々をつなぎとめ、美味しく彩るのにかぎります。
めるしー。
あ、次回のラジオは、15日を予定しています。詳しくは、TSUJIVILEバナーをクリックください。

フランスごはん日記「塩焼き用のサーモンを大量に作って、日々のごはんにする、日常生活突破術」

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