JINSEI STORIES
フランスごはん日記「困った時のトマト&ツナパスタ。定番という名のいざという時の一食」 Posted on 2025/01/09 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、今日は、何食べようか、迷った。
で、冷蔵庫を覗いたら、トマトがあった。ツナ缶もあったので、ツナとトマトのパスタにした。えええ、またですか?
と、言われそうだけれど、辻家の定番ということで、ご勘弁頂きたい。
何も食べないというわけにもいかないし、特別なものばかり、毎日食べるわけにもいかない。そういう時、ぼくは常備しているトマトとツナ缶で、これを作る。
今日は、普通のトマトと、プティトマトで作る、二つの方法をご紹介するけれど、正直に言えば、プティトマトの方がおいしくできる。断然、うまい。
でも、実は、今日は、普通のトマトしかなかったので、ちょっとだけ、生クリームを使った。普通はそんなもの使わないでも、プティトマトだと美味しくできる。
で、悔しいから、携帯をさかのぼり、数年前に、息子のために作ったプティトマトのパスタの写真を見つけたので、付録として、加えておく。笑。
参考にしてもらいたい。
では、材料、である。
トマト、
ツナ缶、
ケッパー、
アンチョビ、
バジル、
唐辛子、赤いの一本、とか
生クリーム、
オリーブオイル、
たまに、ブラックオリーブ、とかもOK,
白ワイン
塩胡椒、
パルメジャーノ・レジャーノ、ただし、イタリア人は、魚系のパスタには、パルメジャーノは、ぜったい、かけない。かけたら、美味しいのだけれど、意地でもかけない。ただ、トマトだけのパスタなら、かけます。たっぷりと。魚には、かけない。
かな・・・。
シンプル・伊豆・ベスト! 伊豆に行きたい。
ま、ペペロンチーノと作り方はだいたい、一緒。
プッタネスカとも、だいたい、ほぼ、一緒。
でも、ツナ缶が入ると、ちょっと違った風味になるので、あり。
とくに、詳しいレシピは、省くので、写真で想像をしてもらいたい。
その方がぜったいに、美味しくなります。笑。
この辺までは、ほぼ、ペペロンチーノ~。
アンチョビ、唐辛子、ニンニク、この辺、基本である。
プティトマトなら、そのまま、投入し、普通のトマトなら、ざく切りをして、投入し、形が崩れるまで、煮込む。
こちら、普通のトマト・バージョン、
こちら、プティ・トマト・バージョン!
ケッパー、ツナ缶、バジルなどを入れていく。
ま、途中で、パスタのゆで汁で緩め、白ワインで香りを際立たせると、なおいい。
普通のトマトだと甘味が出にくいので、生クリームをちょこっと入れると、こんな感じになる。
最後に、イタリア人がぜったいに、ツナパスタにはかけない、パルメジャーノ・レジャーノを、たっぷりかけて、めしあがる。ぼくは好き。概念を覆せ!!!
プティトマトだとこういう感じになる。生クリームは必要ない。で、出来れば、プティトマトは皮の舌触りがよくないので、お箸で、取り除くと、さらにおいしくなります。もっとも、好き好きですが・・・。
ということで、今日は、普通のトマトバージョンのツナ&トマトパスタになったのだけれど、結論としては、定番は、どういうトマトであれ、美味しいのであった。
とくに、日本のプティトマトは種類も豊富で、甘いやつが多いので、ぼくは、ツナ缶とかいれないで、トマトだけのパスタをよく日本滞在中は、作って食べている。
フライパンに、オリーブオイルをひいて、プティトマトを好きなだけ放り込み、弱火で、ぐつぐつ、けっこう、時間がかかるが、トマトの形が崩れるまで、煮込んで、そこに、ケッパーとか、にんにくペーストとか、ブラックオリーブとか放り込んで、茹でたパスタを絡めて、まんまみーや、と叫びながら、むさぼり喰っている。
実は、ツナ缶とかない、このただのトマトだけバージョンが一番好き。
ケッパーとか、バジルとかなくても、美味しくできる。
その場合は、にんにく、唐辛子、アンチョビ、ゆで汁、白ワイン、パルメジャーノ・レジャーノ、かな、もう、それだけでも、超、美味しいのである。
プティトマト、ぜひ、見つけて試して、ください。
ボナペティート。
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
仕事と思ったことはないですが、毎日、創作をして、すごしています。そうすると、おなかがなって、何か食べたい、となるんです。仕事に没頭していると、食べることも忘れてしまうので、そういう時に、ツナパスタ、いいですよね。トマトがない時は、トマトペーストだけで作る時もあります。美味しければなんでも、あり~の!