JINSEI STORIES

フランスごはん日記「クロックムッシュのようなホットサンド」 Posted on 2025/01/04   

某月某日、三四郎も冬は寒かろうと、頭からスポットかぶせるタイプのマフラーを買ってあげたのだった。
耳も隠れるから寒くないはずだが、嫌みたいで、しばらく「なんだよ、これ」という顔をして、不満を表していたが、慣れると、暖かいようで、最終的には受け入れていた。
ということで、三四郎の冬のコーデである。
夏の日本での個展の作品は、すべて描き終わった。(たぶん)
来週、撮影をしてから、日本にフェデックスで郵送をし、父ちゃんの手から離れる。
今は、ニス、を塗っている段階で、これがまた、三四郎的には、いやみたいで、「なんだよ、これ」という顔をしている。
秋には、パリでの個展があるので、ちょっと小説の方に集中をしてから、新たな気持ちで、たぶん、新しいアトリエにて、秋のパリの個展用の絵に向かう予定・・・。
ということで、ニスを塗りながらも、腹が減っては戦が出来ぬ、ゆえに、サンドイッチをこしらえた。
クロックムッシュのようだが、あれはカロリーが高いので、今日の父ちゃんのレシピは、「カロリーが超少ない、クロックもどきのホットサンド」である。

フランスごはん日記「クロックムッシュのようなホットサンド」



いろいろなつくり方があるが、今日はもっともオーソドックスな、クッキングシートを使った、ホッとサンドになった。
フライパンにクッキングシートを敷いて、その上にバターを塗った食パンを置き、そこに、ハム、ゴーダチーズをのせ、さらに、ピザ用のチーズを載せて、最後にバターを塗ったパンをかぶせ、火をつける。

フランスごはん日記「クロックムッシュのようなホットサンド」

フランスごはん日記「クロックムッシュのようなホットサンド」



で、あまったクッキングシートで写真のように蓋をすると、しっとりと風味の広がったホッとサンドが出来る、という寸法である。
オーソドックスなつくり方なので、みなさんもよく知っているとは思うが、おさらい。

フランスごはん日記「クロックムッシュのようなホットサンド」

フランスごはん日記「クロックムッシュのようなホットサンド」



で、普段は、父ちゃんは、昭和のトースターを使って、サンドを作る。
今日は作らないが、どういうものか、写真で御覧いただきたい。
実は、日本のようなオーブントースターというものは、フランスで見かけたことがない。
かわりに、あるのが、昔、日本でも流行っていた、写真のような挟んで焼くタイプのトースターなのである。
ここに一枚ずつ、食パンを入れて、両面を焼いていたが、これ、知っている人は、50代以上だろうね。笑。
このトースターを持っている人がいたら、やってもらいたいのだけれど、一つの穴に、二枚の食パンを挟むのである。
そして、焼く。
するとどうなるか、・・・つまり、片面だけがこんがり焼けて、重ねた中心部分はやわらかいままなのだ。
というか、熱の作用で、しっとりと柔らかく出来上がる、ということになる。
これを取り出し、焼いた面を重ね合わせる形で、その中に、ハムやチーズを挟む。
そうするとどうなるか、というと、持つ側は、柔らかく、具材が挟んであるところがパリっと焦げているのだ。
そうなるとどうなるか、というと、噛んだ最初はもちもち柔らかいパンを噛みつつ、中心部のパリっと焼けたパンを最終的に具材と一緒に、がぶっと、やることになる。
そうなると、どうなるか、というと、
「うまい!」
という叫び声が出てしまう。
最初のクッキングシートを使った方法だと、バターの風味が広がり、クロックムッシュ的な、どっちかというとしっとり系のホットサンドが出来るわけだが、昭和サンドは、外がしっとり、中がパリっとしていて、複雑なうまさになる、という寸法である。
もしも、昭和のトースターがまだあるという皆さん、やってみてもらいたい。
この差は、大きい。

フランスごはん日記「クロックムッシュのようなホットサンド」



フランスごはん日記「クロックムッシュのようなホットサンド」

つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
三四郎がベッドに飛び乗ろうとして、しくじり、しばらく足を引きずっていたので、今日はそのことで、病院に行くか、しばらく悩んだのですが、大したことがないような感じで、走り出したので、ちょっと安心をしました。また、あした。どうぞ、ご無理なさりませんように・・・。

TSUJI VILLE
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