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フランスごはん日記「2024年に父ちゃんが作ったフランスごはんから毎月のベストをご紹介」 Posted on 2025/01/01 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、日本は2025年がはじまったようだが、父ちゃんはまだ2024年にいる。
1年間、実にたくさんのごはんを作って食べたが、1月から12月までの自分ごはんをふりかえって、その中でも、心に残っている料理を、ご紹介してみたい。
大晦日、一人飯大賞という感じで・・・。笑。
2024年も、たくさん、作って食べたが、パスタがやはり、多かった。
もちろん、和食も多かった。
自炊男なので、あまり外食はしなかったが、外食する時には、自分では絶対にまねできない料理を選んで、レストランに飛び込んでいたように思う。
世界中を旅して、そこで出会った料理を自宅で再現するのが趣味なのだ。
そうやって、毎年、少しずつ、料理の腕が成長している。
ということで、1月から順番に、その月、心に残った自炊料理を集めてみた。
2024年をふりかえって、(すべて、日記でレシピを発表したものなので、気になる料理は検索機能で調べてね)、もう一度、よだれ垂らしてみましょう。笑。
ふー、それにしても、がんばって料理したものだね。

フランスごはん日記「2024年に父ちゃんが作ったフランスごはんから毎月のベストをご紹介」

パッケリというイタリアの太いパスタなのだけれど、シチリアで食べたアーモンドのパッケリを再現した。
アーモンドのパスタって、発想が、すごかった。本当に美味しいよ。
すごい、と思ったら、キッチンに顔を出し、どうやって作るの、としつこく聞いて、パリに戻って、材料を探すところから、はじまる、人生は終わりのない、食の旅なのだ。



フランスごはん日記「2024年に父ちゃんが作ったフランスごはんから毎月のベストをご紹介」

2月、恵方巻の時に、自分で作って食べた太巻きなのだけれど、・・・完食できないのはわかっていたが、大きすぎるやろ。笑。

フランスごはん日記「2024年に父ちゃんが作ったフランスごはんから毎月のベストをご紹介」

春が近づくと、アスパラが旬になるので、やはり、こういうものを食べたくなる。季節ごとの美味しいを探すことが人生の生き甲斐!

フランスごはん日記「2024年に父ちゃんが作ったフランスごはんから毎月のベストをご紹介」

たまには、酔いたい時もある。日本酒にあうものをちゃちゃっと作って、春のそよぐ風の中で、酔う、おやじ。足元にいる三四郎に話しかけるのも、いとおかし。

フランスごはん日記「2024年に父ちゃんが作ったフランスごはんから毎月のベストをご紹介」

父ちゃん名物、・・・豚汁なんだけれど、グレープフルーツの香りがする胡椒「チムート」とバターをつかって、作る、欧風トンジール。やはり、季節の野菜で作るから、年中、美味しいんだよね。春だから、アスパラは、ここでも、大活躍!

フランスごはん日記「2024年に父ちゃんが作ったフランスごはんから毎月のベストをご紹介」

ビーフステーキのオープンサンドなのである。めっちゃ、お腹すいたので、マカロニ&ポテトサラダとステーキをパン・ド・カンパーニュに載せて、ガブっとやっちまった。笑。
うめーーーー。

フランスごはん日記「2024年に父ちゃんが作ったフランスごはんから毎月のベストをご紹介」

夏はね、暑いから、胡麻ダレの蕎麦なんかを食べたくなるのじゃ。



日本に帰る時も、できれば、キッチンがついているホテルに宿泊することが多い。
あまり、キッチン付きのホテルってないけれど、小さくてもいいから、コンロが一つ付いていれば、十分。
自炊が出来るので、落ち着くよね。
2024年は引退コンサートがあったので、夏はずっと日本だったから、出歩くと風邪うつされたりするじゃない、風邪ひくと、みんなに迷惑がかかるからね、ホテルで最低限のもので、料理をしてしのいでいた。
で、やっぱり、便利だから、パスタが多くなる。
麺は、フランスから、バリラ社の7番を大量に持参していた。
日本ではあまり見かけないのだが、これが、美味しいから、いつも、7番ばっかり。
で、塩昆布を植野広生さんにもらったので、塩昆布だけでパスタを作った。
最高に美味しかった。
マジで、塩昆布だけで、ここまで出来ちゃうから、自炊って、最高じゃね。

フランスごはん日記「2024年に父ちゃんが作ったフランスごはんから毎月のベストをご紹介」

塩昆布のパスタ、これには白ワイン、相性抜群でありました。

フランスごはん日記「2024年に父ちゃんが作ったフランスごはんから毎月のベストをご紹介」

でね、パン粉とサーディンの缶詰があれば、スパゲッティ・シラクーサが作れる。これはこれで、また、ボリューミーーで美味しいのである。パン粉とパスタって、バカにしないでね、パスタなのに、カツみたいな触感になって、うまいんだよなア。イタリア南部の料理だけれど、最初に食べた時は、こんなのありかよ、とのけぞった、父ちゃんであった。胃袋の小さい人にはちょっとヘビーかもしれない。

フランスごはん日記「2024年に父ちゃんが作ったフランスごはんから毎月のベストをご紹介」

息子が来ると、いつも、作って、とせがまれるのが、父ちゃん風鯛のポワレ。皮パリの技術者なのだ、父ちゃんは・・・。辻家、定番中の定番かな。魚の皮焼きだけは自信があるんだよね。あはは。

フランスごはん日記「2024年に父ちゃんが作ったフランスごはんから毎月のベストをご紹介」

で、函館の五稜郭にあったカフェで、17歳の時に、出会った「函館ドライカレー」、父ちゃんの青春の味。勝手に記憶を頼りに作ったのだけれど、美味い!
うちの事務所のまかないで、最もリクエストが多い一品である。

フランスごはん日記「2024年に父ちゃんが作ったフランスごはんから毎月のベストをご紹介」

スマッシュバーガーというストリート・バーガーがいま、世界中で大ヒットしているけれど、食べたことあります? 作り方、日記に書いたので、検索してやってみて。最高に、美味しいよ。要は、肉を重しでぐいぐい伸ばして焼くんだけれど、マジで、これは革命的なおいしさであった。なんで、そんなこと、今まで、思いつかなかったのだろう。

フランスごはん日記「2024年に父ちゃんが作ったフランスごはんから毎月のベストをご紹介」

そして、先月、レシピを紹介した、フィレンツェあたりの手打ち麺、「ピチ」。美味しいですよね。これも、レシピ検索してみてね、パスタの革命がおきます。



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
2025年は、絵と小説が中心の活動になるし、相変わらず、パリとノルマンディの往復生活は続くのだけれど、比率は、アトリエができるので、田舎が多くなるかな。しかも、敷地内で畑をやるので、なかなか、遠方には行きにくくなりますね、笑。アトリエにこもり、夏と秋の個展にむけて、コツコツ、制作していきます。じゃあね。また、明日のレシピ、お愉しみに。

TSUJI VILLE
自分流×帝京大学