JINSEI STORIES

フランスごはん日記「一人飯に最適なチャーシューの作り方。夜が楽しくなる孤独なご馳走」 Posted on 2024/12/31 辻 仁成 作家 パリ

フランスごはん日記「一人飯に最適なチャーシューの作り方。夜が楽しくなる孤独なご馳走」

某月某日、ちょっと三四郎とモンサンミッシェルまで散歩に出かけた。
近いようだけれど、ここからが遠いので、引き返す。
ノルマンディは広大なのである。
散歩とお絵描きで、一日の大半が過ぎた。
さて、ちゃんとしたものを食べてないから、つまらないのだ、と気が付き、今日の夜を豊かにするために、大好物のチャーシューを作って、酒のつまみ、とした。(最初がビール、とどめがワイン)
もう、年が歳だから、満腹は苦手なので、ほんの少しの美味しいものとちょっと高めのワインで、人生は豊かになる。
たとえば、レストランに行くと、ワイン一杯、7~8ユーロくらいするが安物のワインしか飲むことが出来ない。高いのだと、一杯、15とか20とかする。
しかも、一杯で終わるわけがない。
となると、経済的にばからしい。
たとえば、ブルゴーニュの高級ワインをスーパーとかで買うと、20ユーロも出すと、結構、レベルの高い家飲みワインが手に入る。
ピュイユヒュメとかモンティニーのプルミエクリュとかシャブリのいいいやつが、買えるわけで、一本から、8杯はとれる。ケチな発想だが、まずいワインをカフェで呑んでも財布が悲しくなるだけだから、父ちゃんは、家飲み派なのだ。
その分、いいワインを、買う。
贅沢をしたい時には、35ユーロくらいで、サン・ロマンとか、42ユーロくらいで、サントーヴァンとか、清水から飛び込む勢いで買うのだけれど、サンロマン、35÷8だと、4ユーロちょっとで一杯飲める。安い。
でも、超うまい。
人生、大事なことは、家で、ちびちびやることなのだ。その方が豊かになる。
というわけで、そういう一人のみに、最適なサイドディッシュを今日は一緒に作ったろう。
父ちゃんのチャーシューと煮卵、もう、いいワインでも、ばっちり。
うれしいのー。ケチですいません。
では、まず、豚バラ肉をタコ紐で縛る。

フランスごはん日記「一人飯に最適なチャーシューの作り方。夜が楽しくなる孤独なご馳走」

フランスごはん日記「一人飯に最適なチャーシューの作り方。夜が楽しくなる孤独なご馳走」

フランスごはん日記「一人飯に最適なチャーシューの作り方。夜が楽しくなる孤独なご馳走」

フライパンで焼き色をつけて、別のお鍋で水から煮る。

フランスごはん日記「一人飯に最適なチャーシューの作り方。夜が楽しくなる孤独なご馳走」



おっと、漬けダレの作り方も、書いておこうか。

漬けたれ醤油100ml, 酒大さじ2、潰したニンニク2片、花椒小さじ2、シナモンスティック、生姜の薄切り少々、長ネギ青い部分、唐辛子1本を火にかけて沸騰したら冷ましておく。 1時間ほど豚肉を煮たら、ジップロックに漬けたれと豚肉を入れて2時間くらい漬ける。 ぼくは生姜が大好きだから、たくさん、いれちゃう~。

フランスごはん日記「一人飯に最適なチャーシューの作り方。夜が楽しくなる孤独なご馳走」

フランスごはん日記「一人飯に最適なチャーシューの作り方。夜が楽しくなる孤独なご馳走」

仕上げは、タレをフライパンにいれ、ハチミツを大さじ1加えて煮詰めながら豚肉に絡める。これを包丁でカットして、小さな皿に並べ、追いダレをまわしがけする。煮卵も、だいたい、こんな感じで、よくできている。うふふ。

フランスごはん日記「一人飯に最適なチャーシューの作り方。夜が楽しくなる孤独なご馳走」



ぼくの行きつけの中華料理屋さんがあって、そこで出てくるチャーシューの味をいろいろと工夫して、再現してみた。そこは、ラーメンがおいしいんだ。ということで、そのラーメンも、再現してみた。受付のおかみさんがまた素敵なんだけれど、次回、日本に行くときには、ざひ、食べに行きたい。
ということで、どこかで食べたら、どうやって作るのか、いろいろと想像して、真似してみる。それが料理の上達の近道なのであった。
たかが、チャーシュー、されど、ご馳走。
今夜は、ちょっと、幸せでありました。
ラーメン。

フランスごはん日記「一人飯に最適なチャーシューの作り方。夜が楽しくなる孤独なご馳走」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
日々はそれでも流れていきます。それでも、続きます。一日に、最低一食は、自分が感動できるものを食べることで、毎日が豊かになる「日々のごはん」運動、続けましょう。えいえいおー。

フランスごはん日記「一人飯に最適なチャーシューの作り方。夜が楽しくなる孤独なご馳走」

TSUJI VILLE

フランスごはん日記「一人飯に最適なチャーシューの作り方。夜が楽しくなる孤独なご馳走」

自分流×帝京大学