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フランスごはん日記「鶏肉を叩いてマリネして焼いたフランスの代表的カフェ飯、パイヤールがうまい」 Posted on 2024/12/29 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、さて、アトリエの工事が進んでいる。
仲間たちが手伝ってくれるので、今日は一日、ペンキ塗りをやった。
絵を保管する倉庫も一緒に作っている。
古い作品もあるので、ここで一括管理をしたい。
残りの人生、ここでたくさんの作品を描き上げることになりそうだ。
それにしても、ペンキ塗りは楽しい。
自分が好きな色を、塗っていいので、絵を邪魔しないブラックグリーンカラーに統一した。
落ち着いた空間になるだろう。
床にペンキが付かないように、ビニールのシートをかぶせて、四隅まで、丁寧に塗っている。春が来る頃には、完成していると思う。
夕方、作業が終わったので、ビクトールとジェロジェロとパブロとぼくの4人で、トマのカフェに食事に行った。

フランスごはん日記「鶏肉を叩いてマリネして焼いたフランスの代表的カフェ飯、パイヤールがうまい」

フランスごはん日記「鶏肉を叩いてマリネして焼いたフランスの代表的カフェ飯、パイヤールがうまい」

フランスごはん日記「鶏肉を叩いてマリネして焼いたフランスの代表的カフェ飯、パイヤールがうまい」

※ この時期、暗いので、照明器具をジェロジェロから借りた。こうやって作業をすると、かなり、本格的な感じがする。奥が倉庫になっている。200枚くらいは保管できる倉庫になりそうだ。ゴッホが残した作品数よりも多くの作品を残す、という目標がある。このアトリエは役立つだろう。



さて、トマの店は、ぼくがノルマンディで暮らしだすきっかけになった店で、田舎のカフェとは思えないくらいにおしゃれだ。
フランスは、田舎もかなりおしゃれで、実際、パリだけがフランスを代表するわけじゃない。
南仏も素晴らしいし、ストラスブール周辺も雰囲気がある。ボルドーしかり、各地が個性的で、センスがいい。
ノルマンディ人のことをノルマンというけれど、ぼくはここに通いだして、そろそろ10年になるので、ノルマン辻、と自称してもきっとノルマンたちは怒らないだろう。
今や、友だちもパリよりも多くなった。
画家や、作家や、映画監督がたくさん住んでいる。
トマのカフェで、もっとも好きなのが、こちらの「パイヤード」ということになる。
レモンでマリネした鶏むね肉を、叩いてグリルしただけの料理だけれど、ビールとの相性も抜群で、病みつきになる。
上にロケット菜とトマトが必ずのっかっている。かなり、ガーリック風味の強い味になっているのだ。
これ、食べながら思いついたのだけれど、明日とか明後日に、みなさんが家庭で簡単に作れるように、レシピ化してみたい。
白ごはんにもばっっちり、ちょっとエスニック&イタリアンな鶏肉のグリルになる。

フランスごはん日記「鶏肉を叩いてマリネして焼いたフランスの代表的カフェ飯、パイヤールがうまい」

フランスごはん日記「鶏肉を叩いてマリネして焼いたフランスの代表的カフェ飯、パイヤールがうまい」



ぼくはノルマンディの山とか海を描くのが好きだ。
ノルマンディは、山と海の境界線にあるので、切なく美しい。
今日は霧が濃かったたので、視界がよくなかったが、霞む山や海は絵になった。
同じくらい、パリも好きだ。
パリのアトリエでは、煙突や石畳みのパリの街角を描き、田舎との対比を楽しんでいる。
パリとノルマンディを行き来することも苦痛ではなくなった。
日帰りでも行き来できるし、でも、パリで描く絵は、やっぱりパリ独特のタッチになるし、ノルマンディでしか描けない世界もあって、場所がぼくの創作に大きく影響していることを物語っている。
小説が昔のようにばんばん書けなくなったのは、日本を出て20年以上の歳月が経っているからかもしれない。
でも、いつまでも絵ばかりは描いていられないからね、そろそろ、筆も持ち上げないとね。
つづく。

フランスごはん日記「鶏肉を叩いてマリネして焼いたフランスの代表的カフェ飯、パイヤールがうまい」

フランスごはん日記「鶏肉を叩いてマリネして焼いたフランスの代表的カフェ飯、パイヤールがうまい」

※ インタビューに答える辻画伯。笑。



今日も読んでくれてありがとうございます。
今日は2月に発売になるエッセイ集「犬と生きる」の再校があがってきたので、携帯を使って、ペンキ塗りのあいだに、細かく、チェックしました。笑。
凄い時代ですね。問題個所をスクショして、直していくわけです。1月発売予定でしたが、ぼくがぐずぐずしていたので、2月末にずれこみそうです。詳細決定し次第、ご報告しますね。

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