JINSEI STORIES
フランスごはん日記「ポルトガルの国民食、緑のスープ、カルド・ヴェルデをクリスマスに作ってみた」 Posted on 2024/12/26 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、フランスに戻り、クリスマスは家族ですごした。
息子と息子のガールフレンドさんがやってきたので、一緒に食事をした。
フランスのクリスマスは、カトリックの国だから家族で静かに過ごす、日本の正月に近いのだ。
むしろ、大騒ぎをするのは、31日の大晦日ということになっている。とくに、若者は・・・。
ということで、今日のレシピは、ポルトガルで食べたポルトガルの国民的スープ、カルド・ヴェルデ(緑のスープ)なのだ!
一緒に作ってみましょう。
レシピというほどのものではないが、マルシェの八百屋のマダムと、総菜屋のアントニオから訊いた作り方の通りにやってみる。
日本ではポルトガルキャベツは手に入らないので、かわりにケールか、菜の花がいいかもしれない。見た目は、菜の花なのだが、味はケールに近い。あるいは、縮れキャベツでもいいかもしれない。いいんじゃないかな、あの青い、もじゃもじゃの部分でね。
おっと、フランスのスーパーで、売っていた。
この時期、シュー・ポルトガルという名前で、売られているので、在仏の皆さん、ぜひ、買って試してみてね。
ポルトガルキャベツは緑葉素が強い。だから、味は、ケールが近いかもしれない。たぶん、あさりのボンゴレとかにあうはず。いつか、試してみます。
はい、主な材料:
じゃがいも、
たまねぎ、
ケール、
にんにく、
チョリソー・ソーセージ。(なければ、あらびきのフランクフルトでもいいです)
オリーブオイル、
塩胡椒、
すべて、適量です。あはは。じゃがいも二個、だったら、玉ねぎ半分、ケールはマジで、適当です。下の写真を参照されたし。
※ こちらがポルトで食べた国民的スープ、カルド・ヴェルデである。じゃがいものポタージュなのだけれど、青い葉っぱが、特別な味わいを!
※ マルシェで売っている、シュー・ポルトガル(ポルトガルキャベツ)、キャベツというよりケールの一種らしいが、見た目は、菜の花! クリソツです。黄色い花も一緒。
※ フランスのスーパーでも売っていた。これです!!! 菜の花にそっくりでしょ? 菜の花でやってみたら、たぶん、同じ味になると思う。
※ 薄くスライスされたもの。こんなに買って、1ユーロ!
特別なつくり方はなくて、玉ねぎとジャガイモを写真のように炒めて、それをハンドミキサーでポタージュにして、塩胡椒で味を調え、そこに、
ポルトガルキャベツを適量入れて、ぼくはちょっと入れすぎたけれど、美味しかった。笑。
一緒に、チョリソーのスライスも入れる。
そこから、火にかけるのは10分。
マルシェのアントニオ曰く、いくらいれてもいいんだよ、チョリソーは美味しいからね、ということだったから、ま、多めにいれた。
で、10分、これは、誰に訊いても10分というので、従う方がいい。
味見をして、塩加減の調整をしたら、完成、これが素朴で美味しいのであーる。
※ パンに浸して食べるのが、ポルトガル風、だそうだ。たしかに、美味しい!
ノルマンディはこれからますます厳しい冬に突入することになるが、アトリエのペンキ塗りが佳境に入っているので、今はしばらく、英仏海峡を眺めて過ごす日々になる。
年末年始はノルマンディで越冬かな、と。
そういう寒い場所で、このポルトガル風緑のスープは最高かもしれない。
いろいろなスープを作って来たけれど、素朴で、何杯でもお替りが出来る、まさに、日本の味噌汁のようなスープなのでありました。
※ ポルトガルは、サーディンの缶詰が有名でこれはアントニオの店でゲットしたものだが、美味しかった。
※ ポルトガルキャベツを使ったペペロンチーノ!!!
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
フランスでは「スープを食べる」という言い方をします。飲むではなく、食べる。この表現はとってもいいですね。スープで身体を温め、お腹もいっぱいにして、明日の朝から、また、ジェロジェロとアトリエのペンキ塗り、頑張ります。皆さん、風邪などひかないようにね。
※ 残った、ポルトガルキャベツは、ふりかけ、にしました。