JINSEI STORIES
フランスごはん日記「ご家庭でレストランの味、可愛いポーピエット、アンコール!」 Posted on 2024/12/25 辻 仁成 作家 パリ
この時期、高級レストランにはいけないけれど、ちょっとゴージャズな料理を作って、気取って、食べたい、と思うことあるじゃないですか?
レストランで出るような料理で家族を喜ばせたいと思う、あなたに、今日は特別な一品をご紹介したいと、思います。
断然、見栄えも味も最高に素晴らしい「ポーピエット」料理がおすすめです。
いかにも、ザ・フレンチ、という一品になりますよ。
「ポーピエット」とは、辞書によりますと、「フランス料理 の伝統的な調理法で、 牛肉 ・ 魚 の 薄切り などで詰め物を包み、 筒状 に巻き、焼いたり、煮込んだり、揚げたりする一品」と出てきます。
かつて、よく通っていたロジェさんのお肉屋さんのお惣菜コーナーでももちろん、買うことが出来ました。
この、ポーピエット。
見た目が可愛いので、辻家では誕生日会とか、クリスマスとか、大晦日などに欠かせない一品であり、お客さんをお招きした時の受けが非常によく見栄えもよく、作り甲斐のある一品となっていたのであります。
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味も食べ方も様々。
フランスだと仔牛で作るポーピエットが人気ですが、日本だとちょっと仔牛は敷居が高いので、豚肉で作るポーピエットを今日は一緒に作ってみたいと思います。では、早速、材料から、
豚フィレ肉 200g(または薄切り肉 8枚)
ベーコン 4枚
オリーブオイル
合い挽き肉 100g
玉ねぎ 1/2個(みじん切り)
にんにく 1片(みじん切り)
マッシュルーム 150g(みじん切り50g・薄切り100g)
卵黄 1個
塩・胡椒 少々
<ソース>
エシャロット 1個(みじん切り)
小麦粉 小さじ2
白ワイン 50cc
生クリーム 200cc
※パセリ、クミンパウダー、ドライパセリ等
では、早速、作ってみましょう。
まず、フライパンにオリーブオイルをひきまして、にんにくを弱火で香りが出るまで炒めます。そこに玉ねぎを加え色付いたらみじん切りのマッシュルームを加えさらに炒めてください。
これらが粗熱がとれましたら、合い挽き肉と一緒にボウルを入れ、卵黄、塩胡椒、好みで上記のスパイスを入れ、ハンバーグの要領で練ってまとめていきます。
いいですね、ここまで!
それから、4~50gに切り分けた豚フィレ肉をサランラップで覆い直径15センチ程度の円形になるまで木槌や麺棒などで叩いて、伸ばしていきます。
ばんばん、薄くなるまで伸ばしますよ~、これを4枚分繰り返してください。
今日は家族サイズ、四人分、作りますからね。いいですか?
伸ばした肉の中心に先のハンバーグ風のタネを1/4量乗せて包んでください。
さらに、これをベーコンで周りを囲み、タコ糸で球体が崩れないように結ぶ、とポーピエットの原型が出来上がります。
タコ糸、難しいとか思わないでも大丈夫、ちょっとくらいうまく梱包できなくても、ぜんぜん、味には影響しませんから、ぐるぐる巻いちゃってください。
失敗こそ、成功の基です!
いいですね?
さきほど、使ったフライパンは洗わないで(この肉汁がいい味を引き出すので)、そのフライパンでエシャロットを炒め、薄切りのマッシュルームも加え炒め、小麦粉を振り入れ絡めながら炒めたら白ワインをふりかけましょう。
ここに生クリームを加えて塩胡椒で味を整えると、ソースが出来上がります。
先ほどのポーピエットの球状の塊をソースに戻し入れ、蓋をして10~15分程蒸し煮にすれば、完成となります。以上なんです、簡単じゃありませんか?
是非、一度、トライしてみてくださいませ。
ボナペティ!!!
※こちらはソースではなく、焼いた時に出る焼き汁にちょっと塩胡椒で味付けたものをソースのかわりに。これで食べるのも格別なのです! ちなみに、写真のは仔牛のポーピエットとなります。
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
今、ちょうど、リスボンで編集者さんに会ってから、パリを経由し、ノルマンディに戻る途中くらいだと思います。ポルトガル、いい旅でした。ポルトガルにも「ポーピエット」料理のようなものがありました。欧州、共通の包み飯、ですね。赤ワインで、どうぞ!