JINSEI STORIES

フランスごはん日記「毎日を丁寧に生きるための、日々のごはん。最近の父ちゃん飯」 Posted on 2024/12/18 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、ここ最近、父ちゃんが食べているもので、日記には登場しなかったものをご紹介したい。
フランスごはん日記だから、出来るだけ、フレンチっぽいもののレシピを心がけてはいるが、父ちゃんももう65歳だから、いつまでもバターとかオイリーなものばかり、食べるのは難しい年齢になってしまった。
なので、日々のごはんは、「だいたい和食、時々洋食」という感じになることが多い。
ダシとか、旨味、などは心がけながら、健康を気遣う「毎日ごはん」を作っている。
ともかく、毎日のごはんなので、身体のことを考えて「丁寧にこしらえる」これが、原則となる。

フランスごはん日記「毎日を丁寧に生きるための、日々のごはん。最近の父ちゃん飯」

さて、トップバッターは、辻家定番の肉巻きおにぎりだ。
なんにも食べたくないが、栄養が欲しい。食べないとならない踏ん張り時に、おすすめの、ごはん、ということになる。
紫蘇が入っているので、胃に優しい味わいがあり、小粒なものだから、男性なら4つくらい一瞬で食べきってしまうのだ。
簡単レシピをご紹介しておこう。
「肉巻きおにぎり」のレシピ~。
炊き立ての白ごはんに胡麻と細かく切った紫蘇を入れて混ぜ、たわらおにぎりにしてから、薄切り肉で巻く。
牛でも、豚でもどちらでもオッケー。
父ちゃんは、牛薄切りでやった。
で、ほんの少し片栗粉でもはたいておく。
酒、みりん、しょうゆ、各大匙1程度&砂糖も少々加えて(甘いのが好きな人は多めでもいいよ)で、タレを作っておく。
フライパンで牛肉巻きのおにぎりを焼く。(サラダオイルとかでいいいよ)
コツとしては、巻き終わった部分から焼きを入れていくこと。そうすると、はがれにくくなるのだ。
で、全体を焼いて、そこにタレを絡めて、いい具合になったら、完成。
美味しいよ。断面図は、こちら!

フランスごはん日記「毎日を丁寧に生きるための、日々のごはん。最近の父ちゃん飯」



忙しくなると、とかく、食べることが粗雑になってしまいがちだから、なるべく、規則正しく、自分にあったちょうどいい分量の食事を、決まった時間に食べるようにしないといけない。
ぼくは朝ごはんは食べない。
昼はしっかり目に摂取し、夜はスープ系の胃に優しい食事で終わらせることが多い。
飲み歩くことはない。(たまーに、野本にしょうがないから付き合う程度、笑)
ナイトキャップとして、食後に、ワイン、2,3杯飲んだら、もうベッドにもぐりこんでいる。
その分、誰よりも早起きして、朝から絵を描いたり、小説を書いたりしている。
そうすると、昼には、ものすごくお腹が減っているのだ。
今日は、生姜焼きを作って食べた。
有機系のスーパーで、必ず生姜を買い、皮まで全部あまさず摺って、濃厚な生姜を使う。
健康維持のために、にんにくと生姜はなくてはならない食材だと言える。
にんにくと生姜の摂取量は半端ない。
にんにくでパワーをつけ、生姜で身体を温めるようにしている。
ワインは好きだが、夏は白、冬は赤、と決まっている。
冬は身体を温めるような食事が大事だ。
若芽と牛肉とにんにくがたっぷり入ったスープ、が、寒いこの時期の身体を整えてくれるので、ありがたい。

フランスごはん日記「毎日を丁寧に生きるための、日々のごはん。最近の父ちゃん飯」

フランスごはん日記「毎日を丁寧に生きるための、日々のごはん。最近の父ちゃん飯」



日々を丁寧に生きるコツは、
1,無理をしないこと
2,ストレスを抱えないこと
3,自分の好きなことをすること
4,美味しいごはんを食べること
5,ぐっすりと眠ること
なのである。

ちょっと多めに作っては、半分をタッパーにしまい、冷凍庫に。
そうすることで、サイドディッシュは冷凍庫から好きなものを取り出し、付け合わせればそれで済む・・・、らくちんなのであーる。
65歳のおじさんだが、息子が巣立ってからも、この生活は続いている。
そんなぼくの食育を受けた息子は、学食さえも行かず、3食、自炊で乗り切っている。
時々、実家に、やって来ると、ぼくから料理法を盗んで帰る。
翌日、美味しそうなごはんの写真が届くという寸法だ。
会話は少ないが、しっかりと、美味しい、で繋がっているのである。

フランスごはん日記「毎日を丁寧に生きるための、日々のごはん。最近の父ちゃん飯」

※ たとえばこのカツは、揚げないでサランラップに小分けしておいたもの。なんか、足りないな、と思う時に、こういうものを冷凍庫から取り出し、活用している。サーモンだって、大量買い(その方が安い)して、小分けにカットし、それをジップロックにいれ、塩麹とかで漬けておくと、数日から一週間は冷蔵庫で持つから、便利だ。

フランスごはん日記「毎日を丁寧に生きるための、日々のごはん。最近の父ちゃん飯」

フランスごはん日記「毎日を丁寧に生きるための、日々のごはん。最近の父ちゃん飯」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
お米を研いだり、料理をしている時は、ほぼ「無心」です。余計なことを考えず、ひたすら美味しいものを作ることに集中しています。確かに孤独な作業ではありますが、日々を支える根本になります。汁を飲み、ごはんを噛んで、今日を乗り切りましょう。えいえいおー。

フランスごはん日記「毎日を丁寧に生きるための、日々のごはん。最近の父ちゃん飯」

次のラジオ・ツジビルは12月25日となります。

TSUJI VILLE
自分流×帝京大学