JINSEI STORIES
ニッポンごはん日記「自宅で中華のだんだん麺を作ろう。銀座志那麺のだんだん麺を真似てみる」 Posted on 2024/11/23 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、昨夜、ライブのあと、スタッフ6人引き連れて、だんだんめんで有名な銀座「はしご」に行ったのだ。
ツジビル副村長の天野氏、山下氏が、「これは日本に帰る前に食べてほしい」というので、みんなで出かけた。
1964年創業の志那麺「はしご」、日本のラーメンとは違う本場中国から渡って来たたんたんめんを日本式にアレンジしたもので、「だんだんめん」と呼ばれているらしい。
醤油スープと芝麻醤の二層のスープがたまらない。
ご飯が無料で、その上に刻みたくあんを大量にのせ、この醤油スープと芝麻醤の二層スープをかけて最後に食べほすのがここのスタイルらしい!
やってみた。まじ、美味かった。
※ こちらが、銀座「はしご」のだんだんめん!
※ 無料のごはんに、刻みたくあんを載せ、そこにスープを少しかけて、バクっとするのが、「はしご」スタイルらしい。1964年創業の味、素晴らしかった。癖になる旨さ、というやつで、歴史の勝利だね。
ということで、ぼくがフランスでよく作る「一昼夜かける中華麺辻式」というのがあって、今日は、その作り方をご紹介しましょう。
たんたんめんではないけれど、限りになく中華麺風の辻家のラーメンになります。
パリで芝麻醤はないので、タヒ二(胡麻ペースト)を使い、辛み味噌、豆板醤を加えて、芝麻醤っぽくしているので、今日は、それで、やってみよう。
チャーシューは、豚の三枚肉を買って、自家製にします。
豚の三枚肉は食べやすいサイズにカットし、豚の脂を使って全面にこんがりと焼き色を付けたら、ひたひたになるまで水を加え、焼酎、生唐辛子少々、生姜、ニンニク、ネギ、セロリの葉などをお好みで入れ、弱火で煮込む。
とにかく、柔らかくなるまで根気強く煮込むしかない。
途中で、塩胡椒、醤油などで旨味を整えてみる。
半熟卵はジップロックにいれ、そこに、チャーシューの煮汁を少々加え、空気を抜き、冷蔵庫に~。
翌日の昼には味がしみ込み、極上の半熟味付け煮卵が出来る、という寸法である。
煮汁は全体にいきわたる程度でよい。
空気を抜けば煮汁が自然と卵を包む感じになる。えへへ。
翌朝、もう一度火を入れ、ここから昼まで、4時間程度煮込むのだ。
とにかく、弱火で、コトコト、火を入れる。(寝ている間は火を止めてくださいね)
朝、冷凍庫に保管していた、唐揚げを使った時にで出た鳥の骨(こういうのを捨てないで、とっておくのが辻家式スタイル。役立ちます)、笑、鳥の骨のストックを解凍し、鍋にいれ、そこに玉ねぎ一個、にんにく、生姜、ネギの青い部分などを入れて、スープのベースを作ったら、・・・
八角とか、ちょっと入れておくと、中華麺っぽくなります。
完成間際で、先のタヒ二(胡麻ペースト)、豆板醤、辛味噌とかごま油とかを加えればタンタン麺のスープの完成です。
※ こちらが鳥骨ダシのスープ。
煮豚の汁をおたまで二杯移して、肉感を加え、ごま油、醤油、塩胡椒、米酢、で味を整え、スープがさらに、濃厚に。魚と肉の海と山の合体スープはうまいんだよねー。
ふー。
麺は中華街で買った中華麺を固めに茹でて、ほうりこんで、はい、食べましょう!
なんとなく、「はしご」のだんだんめんっぽいよね、あはは。
ボナペティ!!!