JINSEI STORIES
フランスごはん日記「やっぱり、予告通り、余ったニョッキは焼きニョッキにしたら、これまた美味かった!」 Posted on 2024/11/02 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、「熱はあるのか?」とメッセージを息子に送ったが、・・・返事なし。
ま、彼女さんが付きっ切りで看病してくれていることだろうから、大丈夫だろう、と思って、昔の写真をこっそりのぞいて、大きくなったよなー、と父ちゃんは思うのだった。
あんなにちびだったのに、もう、ぼくを追い越して、しかも、めっちゃ可愛いジョノカさんまでいて、大学生で、ヒップホップの人気グループに在籍しているし、将来は銀行マンになると、宣言しちゃって、すっかり、青春を謳歌中、ああ、ぼくの役目は終わった。
「パパ、人間はいくつの仕事を持つことが出来るの?」
ぼくが作家で、ミュージシャンだったから、訊いてきたのだろう。
通学の途中に、質問を受けた。
ぼくらは、手を繋いで歩いていたっけ。
「いくつだって、仕事、持つことが出来るよ」
「ふーん。じゃあ、いくつまで夢は持ち続けていられるの?」
「いくつまでも、持ち続けられるよ。君次第」
そういう、やりとりが、もはや、懐かしい。
息子が風邪をひいたのは、ナント市のライブハウスで、夜通しライブをやり、そこで、メンバーにうつされたのだ、とか・・・。
音楽、大学、ガールフレンドとの日々、そして、将来の夢、・・・。
彼は、世界がこんなに大変なのに、普通に、戦争に行くこともなく、大学生活をおくっているのであった。
ま、大丈夫であろうが、欧州はなんだか、ひんやりとしたきな臭い空気が漂っている。
米国大統領選挙を前後して、北朝鮮軍がウクライナと交戦するんじゃないか、とぼくは呼んでいるし、イランとイスラエルも同じタイミングで激しくぶつかるような気がしてならないのだ。
全部、大統領選目掛けて、渦巻いている、この世界・・・。
そうならないことを、ひたすら、祈っているのだけれど、どうも、今回は、何かが起こるような気がしてならない。
明日からはじまる、一週間が、第三次世界大戦の入り口ということにならないことを、祈りつつ。かみさま・・・。
とまれ、息子のために用意しておいた、仔牛肉があったので、自分一人で食べることにして、ハーブとか、にんにくとかぶっこんで、ローストすることにした。
まず、フライパンで表面だけカリカリに焼き、そのあと、20分ほど、オーブンにいれたら、もう、完成だ。レストランの味!!!
そして、昨日の残りの手作りニョッキは、バターで焼いて、添えることに・・・。
※ やっぱ、手作りのニョッキだと、焼き具合がいいんだ。餅とも違う、じゃがいも揚げ焼きみたいな感じ、少しだけ、ふわっとして、かりっとして、絶妙で、絶品。でも、イタリア人からは、邪道だな、と鼻で笑われる。ごめんなさい、アリベデルチ。
食べきれないほどの仔牛肉なので、半分ほど、頑張って食べて、残りは、明日、ヴィッテロ・トンナートという料理にしようと思っている。
ふふふ、またまた、予告なのだ・
1人だと、食べきれないが、小さい量だとどうしても美味しくならないものは、翌日、ソースを変えたり、新たに火を入れたり、調理し直したりして、別の料理にかえればよい。
そうすると、いろいろな味を楽しむことが出きる、という寸法であーる・ぬーぼー。
はい、出来ました。
仔牛のロースト、ゴルゴンゾーラソース(ブラウンマッシュルームの入った)をかけて、わきに、焼きニョッキを添えてみた~。
写真、以上に、美味しかった。ふ~。
どんな時代であろうと、不安ばっかりであろうと、腹は減るので、美味しいものを作って、今日をなんとか、しのいでいる、父ちゃんなのだった。
かみさま・・・。
なんとか、世界が平和な方向に向かいますように。
マジで、祈らないとね。
信仰がないのだけれど、・・・。ここばかりは、神頼み、というやつですね。
ということで、朝、6時に起きて、三四郎と遊ぶ以外は、ずっとアトリエで、絵を描いていたので、とくに、料理以外、面白いことはありませんでした。
明日は、残った仔牛肉を使って、ヴィッテロ・トンナートを作ることが決まったので、ま、付け合わせは、パスタかな、と思っておるところ・・・。あはは。
またかよ。イタリーに移住しろや、とか、言わないで。フランス\(^o^)/。
ともかく、来月のイベントで歌うので、その練習、新しい小説の構想、依頼エッセイの執筆、そして、来年の個展に向けて、地道に絵を描く、在仏日本のおやじなのでした。
ぜひ、仔牛のロースト、やってみてね~。
メルシー。
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
油絵ってね、完成したのに、筆がどんどん入っていっちゃって、終点がなかなかないんですよね。この絵を、誰かが家に飾ってくれるのか、と思うと、もう少し、もう少し、なんとかしよう、と思っちゃって。とりあえず、フランスの個展のあと、知り合いから、注文というのをはじめて、受けてしまったので、それを描いています。注文といっても、サイズだけ、決めていただき、あとは、その人のイメージに合わせる感じ。ってか、まるで、画家のような日々、笑、なにやってんだかね、小説、進まないねー。あはは。
さて、次の父ちゃんの熱血・ラジオ・ツジビルは11月5日放送になります。引退ライブの記念ボックスなども、ツジビルで!情報ゲットしてくださいね。詳しくは、TSUJIVILLEのバナーをクリックしてみてみよー、あはは。
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※、お知らせ
たまには、父ちゃんの美声で、気分をかえてみてはいかがでしょうjか? 笑。
父ちゃんのアルバム「ジャパニーズソウルマン(11曲)」を、時々、聞いてください。
こちらの再生ボタンから、どうぞ。
※ お知らせ、2
父ちゃん作の「NEHAN」が現在、以下で、御覧にいただけます。
辻仁成 展
-Les Invisibles NEHAN-
主催 帝京大学総合博物館
対象者 どなたでもご覧いただけます。(事前のお申込は必要ありません)
入場無料です。
会場 帝京大学総合博物館ミュージアムプラザ(帝京大学八王子キャンパス ソラティオスクエア地下1階)
会期 2024年10月18日(金)~12月23日(月)
開館時間 9:00~17:00(最終入館は16:30)
閉館日 日曜日・祝日
臨時開館日 10月27日(日):青舎祭(大学祭)実施日(一般来館可)
臨時休館日 12月14日(土)
備考
・大学構内には駐車場がございません。公共交通機関をご利用ください。
・高幡不動駅・聖蹟桜ヶ丘駅・多摩センター駅から「帝京大学構内」行きのバスが便利です。(所要時間15~20分)
・車いすでご来館予定の方は事前にご連絡ください