JINSEI STORIES

フランスごはん日記「フィレンツェの巨匠トシさんのを真似て、ちょっと改造してみた辻家のニョッキ」 Posted on 2024/11/02 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、フランスはトゥッサン(Toussaint)、お盆のような日なのである。
フランス人にとっては、クリスマスについで、重要な日となる。
Fête de tous les saints、
すべてを意味する Tous が付くので、聖人たち( Saints )全員を祝う、ということになるのかな、で、Toussaint、らしい。すいません。よくわからない。
でも、祝日なのだが、家族の日なので、息子から、ごはん食べに行くよ、コールがあり、慌てて、ノルマンディから、パリを目指したのだった。
で、パリに着いたら、
「ごめん。風邪ひいたから、パパにうつすといけないから」
というではないか。内科。いうではないか、内科に行け、というダジャレ。あはは。
「大丈夫か」
というと、彼女がいるから、大丈夫、という返事。
「うつすぞ。それ」
と忠告したが、返事なし、勝手にシンドバッド!!!
ということで、ニョッキ、を作ろうと思って材料買ってきていたが、ううむ、どうしよう・・・
まったく、でも、しょうがないね。作るか!
で、実は、毎回、同じ自分味なので、ちょっと、変えてみようと思って、YouTubeを覗いていたら、ボナペTVさんのチャンネルで、ニョッキを紹介していた。
それが、美味しそうだったので、真似てみようと思った。
人のレシピは勉強になる。
ということで、あとでいいから、父ちゃんによる、目安レシピを斜めよみしてみて、どう変えるか、がまた、面白いので。

https://www.designstoriesinc.com/jinsei/daily-5513/

フランスごはん日記「フィレンツェの巨匠トシさんのを真似て、ちょっと改造してみた辻家のニョッキ」

で、YouTubeに時々、登場するフィレンツェでイタリアンレストランをやっている、トシさんというムッシュシェフがいらして、さばさばしていて、心地よく、この二人のやりとりが、なんか、とっても楽しいのだ。
いつか、こっそり、三四郎と遊びに行こうと思っているが、フィレンツェ、このあいだ、ドオモに、登りにいったばかりだから、なかなかいけないで、どうも。
とにかく、自分のレシピとどこが違うのか、そこを知りたいじゃないか~。
ふむふむ。
ぼくはジャガイモをかなり細かくマッシュしていたのだけれど、
フィレンツェの巨匠は、ジャガイモの粗さが残っても美味しい、と語っていたので、そうか、フィレンツェの人がいうなら、やってみようと思い、ちょっと、粗目につぶして作ってみた。
ちょっと形にしにくかったが、巨匠を信じてみる。

フランスごはん日記「フィレンツェの巨匠トシさんのを真似て、ちょっと改造してみた辻家のニョッキ」



フランスごはん日記「フィレンツェの巨匠トシさんのを真似て、ちょっと改造してみた辻家のニョッキ」

フランスごはん日記「フィレンツェの巨匠トシさんのを真似て、ちょっと改造してみた辻家のニョッキ」

フランスごはん日記「フィレンツェの巨匠トシさんのを真似て、ちょっと改造してみた辻家のニョッキ」

イイ感じであーる。
で、巨匠は、「ニョッキはミートソース」と語っていたので、そうかそうか、ミートソースか、と鍋を用意したのだった。
ええと、ぼくが前回、作ったのは、ゴルゴンゾーラチーズのソースであわせるやつだったが、ミートソース、なるほど、やってみよう。
トシさんはニョッキを丸めたりせず、生地を切った状態ですぐに茹で、食べる直前にソースと合わせると言っていた。
そうか、ぼくがよくやる、フランスでも流行っている焼きニョッキなど、野蛮な食べ物なのね、ドオモ、すいません。
でも、言われてみたら、イタリアで食べるニョッキは、もちもち弾力があるというより、ふわっと溶けるようだったな。
巨匠を信じてみよう。
ということで、ミートソース、作った。

フランスごはん日記「フィレンツェの巨匠トシさんのを真似て、ちょっと改造してみた辻家のニョッキ」

フランスごはん日記「フィレンツェの巨匠トシさんのを真似て、ちょっと改造してみた辻家のニョッキ」

はい、ということで、完成!!!!!
おおお、うまい!!!
いや、まいりました。
これぞ、フィレンツェのニョッキというものが出来上がった。
この手があったか、ドオモ、ドオモ、なのであった。
冷静と情熱のあいだ、を書くために、はじめてフィレンツェに足を踏み入れてから、四半世紀よりも、さらに、うんと時間が経ってしまった。
その間に、世界も変貌を遂げたが、ミートソースのニョッキ、変わらぬ感動の味でありました。
息子に届けたいが、ま、彼女がいるから、邪魔しない方がいいですな。
残ったニョッキは、明日、バターでもちもちに焼いて、父ちゃん自慢の焼きニョッキにして、トシさんに嫌われるようなものを作ってやろうと思うのであーる・ぱちーの。
いや、それにしても、疲れたわ。
ノルマンディから、時速130キロでぶっ飛ばして帰って来たからの~、ニョッキだからねー。にょっきーーーー。
あはは。

フランスごはん日記「フィレンツェの巨匠トシさんのを真似て、ちょっと改造してみた辻家のニョッキ」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
世の中が不安定過ぎて、欧州に住んでいると、なんかね、ハラハラしますが、アメリカ大統領選の前後くらい、ウクライナあたりから、何かが動きだす感じですね。警戒しておきます。ま、美味しいものを作って、日々を家族と大切にお過ごしください。
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TSUJI VILLE

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