JINSEI STORIES
フランスごはん日記「三四郎がどこかで落ち葉を胸につけてもどってきた。秋深し、となりは何を食べる人」 Posted on 2024/10/28 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、日本の選挙速報をチェックしながら、日曜日の午後を、過ごした。
パリはどんよりとしていて、エッフェル塔が分厚い雲に突き刺さっていた。
三四郎をリードから離して、自由にさせた。ぼくは、エッフェル塔の写真を撮影した。
先週、このあたりで、レイプ事件があり、しょっちゅうレイプがあるので、ようやくパリ市が、動いてこの一帯に夜入れないようにする、というニュースがこちらでは流れていた。
北朝鮮の兵隊がクルスク州に入ったというニュースもけっこう流れていた。
穏やかな日曜日だったが、世界中でいろいろな出来事が起こっている。
三四郎が遠くまでいき、他の犬たちとおいかけっこをしている。
「三四郎!」
遠くに行きすぎているので、大声で、呼んだ!
三四郎が振り返った。戻ってこい、と手をふると、超速球で戻って来た。
おやおや、三四郎の胸のベルトに、落ち葉のワッペンが付いている。
思わず、笑ってしまった。
※ これ、どうやって、ついたんやろね?? あはは。かわいい。
嫌な天気である。
しょうがないので、またまた、パスタを作った。
今日は冷凍庫に凍ったサーモンがあり、冷蔵庫にサーモン燻製があったので、レモンとバターと生クリームを使って、サーモンパスタを作ることにした。
毎度毎度、飽きずに、パスタばっかり、なんで、イタリアに行かなかったのかって?
こんなにパスタ好きなのに、イタリアに行ったら、ドツボにはまる、というやつでしょ?
フランスがちょうどいいのだ。
まず、オリーブオイル、にんにく、アンチョビ、鷹の爪、はいつも通り、そこに解凍中のサーモンを入れて、今日は、トレビス(紫いろの葉っぱね)があったので、苦みを足すために、ぶちこんだ。
サーモンは、フライパンの中で、ほぐしていく。
バターをちょっと多めに加え、パセリとか、パルメジャーノとか、適当に、ぶっこむ。ゆで汁、このタイミングで少し投入し、エキスを、のばした。
アルデンテに茹で上がったパスタを入れ、レモンをぎゅっと絞って加える。生クリームはこの辺で、入れましょう。そして、最後に、火を止めてから、サーモン・ヒュメ(燻製)を千切って、入れて、余熱で絡める。燻な感じがいいね。
はい、完成!!!
選挙速報を聞生きながら、再び、公演に。
夕方近くに、与党過半数割れ、というニュースが飛び込んできた。
フランスも、与党が過半数割れになって、連立政権になっているのだけれど、なかなか、大変な状態が続いているので、さて、どうなるのだろう。
北朝鮮の兵士が、ウクライナ軍とまもなく交戦することになるのだろうけれど、11月頭にはアメリカの大統領選挙だし、今年は、まったく先行きが見えない。
そればかりか、今週から、来秋にかけて、激動の時代が押し寄せる感じで、やきもきが続きそうだ。
ともかく、晴れ間がみたい。
天気予報だと、火曜日まで曇りが続くようなので、また、パスタかな・・・。
晴れるまで、え、パスタにします。えへへ。
とりあえず、父ちゃんとさんちゃんの笑顔で、なんとか、乗り切ってください。
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
どんよりとした今日この頃ですが、スパゲッティを食べて、キャンバスと向き合っています。小説もめどがたってきたので、来月後半には取りかかれそうです。大阪フェスティバルホールの記念ボックスも出来上がってきました。なかなか、素晴らしい出来栄えです。また、その件に関してはご報告しますね。
さて、次回のラジオ生放送は、11月5日ですよー。
詳細は、こちらで。☟