JINSEI STORIES

フランスごはん日記「フランスの田舎が大人気。パリを離れた人々がどんどん田舎で暮らしている」 Posted on 2024/10/24   

某月某日、シェフのチャールズが、使っていないガレージをぼくのアトリエに使っていいよ(無料です)、と言ってくれたので、しばらくのあいだ、そこで絵を描くことにした。
で、物件を見に行ったが、気に入った。
大自然に囲まれた場所にあり、やまごもりには、うってつけの場所なのだ。
周辺に、映画監督とか、小説家とか、音楽家のアトリエがある。
彼らは、都会にうんざりして、田舎で、創作をやっている。まるで、ぼくみたいな人たちがフランスの田舎にはたくさん、暮らしていたのである。
そういえば、農民画家と呼ばれた画家のミレーも、パリから一時間ほど南下したバルビゾンという村にアトリエを持っていた。
小さいけれど、素敵なアトリエが、当時のまま、残されているよ。
いつか、こういうアトリエがほしいなー、と思っていた、父ちゃん、チャールズに使ってもいいよと言われた古いガレージを眺めながら、夢が膨らんだのだ。
一生、ここで、創作をしてもいいな、と思った。
誰も使ってないから、好きに使っていい、というのだ。内装とか、自由にどうぞって・・・。持つべきものは、友だちだねー。
今はぼろぼろだけれど、仲間がいるから、ジェロジェロとか、手伝ってもらって、ペンキとか、塗ればいいしね。
※ ミレーのバルビゾン村にあるかつてのアトリエについて、書いた記事があるので、よかったら、覗いてくださいね。素敵なアトリエですよー。こういう、地味だけれど、人間味のある空間で、創作したいよね。
☟☟☟
https://www.designstoriesinc.com/panorama/millet/

フランスごはん日記「フランスの田舎が大人気。パリを離れた人々がどんどん田舎で暮らしている」

フランスごはん日記「フランスの田舎が大人気。パリを離れた人々がどんどん田舎で暮らしている」

フランスごはん日記「フランスの田舎が大人気。パリを離れた人々がどんどん田舎で暮らしている」



アトリエって、もちろん、絵を描くスペースにするつもりだけれど、ぼくは作家でもあるし、引退をしたが、ミュージシャンでもあるからね、レコーディングをしたり、小説を書いたり、もちろん、簡単な料理もしたいから、自分の匂いがついた、いい空間にしたい。
ブリコラージュというのだが、日本語だと、日曜大工みたいな意味で、自分でなんでも作っちゃうのがフランス人は好きなんだよね。
だから、だいたいの家に、ドリルとか、電動工具(マキタ)とか、笑、置いてある。
ぼくの夢は、自分の絵の額を自分で作ってみたい、ということ。その前に、キャンバスも作りたいけれど、そういう、なんていうの、木工工房のような空間にしたい。
田舎って、やっぱり、そういうことが出来るからいいんんだよね。
隣に、とはいっても3キロくらい先に、アーティストがいろいろと住んでいるらしいから、そのうち、新しい知り合いが出来て、集まって、バルビゾン村じゃないけれど、芸術の話で、盛り上がるかもね。
ガレージの一角に、自分の絵を並べて飾って、近所の人に見せてもいいし、好きなごはんを作って、食べて貰ってもいいよね。
パリは仕事をしに行くところ、田舎は創作と生活の場所だよね。
息子との約束で、ぼくはしばらくフランスにいないとならないけれど、あと2年もすると、在仏歴四半世紀だからね、その先は、また、ボヘミアンだから、ポルトガルとか、スペインとかで暮らせたらいいよね。
要は、欧州にいれば、息子は安心してくれるだろうから、ちょっと、国をまたいで、最後の旅に出てもいいかな、と思っている、三四郎と!

フランスごはん日記「フランスの田舎が大人気。パリを離れた人々がどんどん田舎で暮らしている」



チャールズのレストランで、鴨を食べた。
珍しく、ジャケットを着て、出かけ、田舎の紳士淑女たちにまじって、フォークとナイフで、鴨に食いついた。
来年は、パリの事務所も小さくする予定なので、田舎暮らしが中心になりそうだ。
アパルトマンのキッチンとかも、新しくしたいし、いろいろと、生活の在り方を変えて、老後という言葉はなんか辛気臭いから、ぼくは使いたくないけれど、死ぬ前の人生を楽しくさせたいな、と思っている。
第一は、料理だね。
理由は、毎日、朝起きて、さ、今日は何を食べてやろう、って、思うのが趣味だから。で、そこから、何を料理するか、何を買いに行こう、とつながって、美味しいものが食べられたら、やっぱり、幸せを感じる。
第二は、仕事、ぼくの場合は、創作になるね。
お金にならなくても、なっても、毎日、むかえる創作があるというのは幸せなことだ。
原稿用紙のマスを埋める一字一句に一喜一憂しながら、キャンバスに絵の具を叩きつけるのもたまらないね、気に入らないと、本当に時間がどんどん削られていくんだけれど、醍醐味があるよ。
ぼくは経営者になる道だけは選ばなかった。むいてないものがあるとしたら、経営者なんだ。人を動かすのが、無理なんだよね。そもそも、人に好かれない。もめてばっかりだから、というのは、ぼくはお世辞が言えない。あはは。
第三は、自分にできるこの地球への恩返し、かな。それって、なんだろうね。

フランスごはん日記「フランスの田舎が大人気。パリを離れた人々がどんどん田舎で暮らしている」



フランスごはん日記「フランスの田舎が大人気。パリを離れた人々がどんどん田舎で暮らしている」

つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
精一杯、毎日、生きること、大事ですよね。美味しいものをつくって、それをふるまって、みんなが笑顔になって、自分も、うれしくなって、ああ、いい一日だった、と思えるような作品を生み出して、最終的に、納得して、死ぬことが、夢です。死前とかいて、「しぜん」とぼくは呼んでいます。老後じゃなく、死前(しぜん)に生きる、父ちゃん、なりー。

フランスごはん日記「フランスの田舎が大人気。パリを離れた人々がどんどん田舎で暮らしている」

さて、明日、25日は、ラジオ・ツジビル、生放送です。日本時間、22時を目指します。ご視聴ご希望のみなさまは、下の、TSUJIVILLEのバナーをクリックしてみてください。
ということで、パリに戻り、お送りします。茅乃舎の方とも会わないとならないので、えへへ。野菜だし~、おいしいよね。

TSUJI VILLE
自分流×帝京大学